インドの公用語の一覧

インドの公用語一覧

インドは、多様な言語が共存する国として知られています。その言語の数は30を超え、方言に至っては2000近くに及ぶとされています。この多様性は、インドの文化的な豊かさを示す一方で、公用語の選定と運用において複雑な問題を生じさせてきました。

インドにおける公用語の概要

インド憲法では、連邦政府の公用語としてヒンディー語と英語が規定されています。また、憲法第8附則には22の指定言語が定められていますが、これらの言語の公的な位置づけは必ずしも明確ではありません。さらに、各州政府は独自の公用語を定めている場合があり、言語状況はさらに複雑化しています。

当初、1965年には英語を公用語から外し、ヒンディー語のみを公用語とする予定でした。しかし、ヒンディー語が広く使われる地域とは異なる言語的背景を持つタミル・ナードゥ州などからの強い反対を受け、1963年の公用語法により、英語も公用語として継続して使用されることになりました。

現在、最も広く使われている公用語は英語であり、連邦政府と州政府間の行政手続きや連邦政府公務員の採用試験など、様々な場面で共通語として機能しています。さらに、近年の工業化や経済のグローバル化に伴い、ビジネスシーンでも英語の使用が拡大しています。

中央政府の公用語

ヒンディー語：連邦政府の公用語として定められています。
英語：準公用語として、行政やビジネスで広く用いられています。

州の公用語

各州は、それぞれの地域で広く用いられている言語を公用語として定めています。以下に主な州の公用語を示します。

アッサム語：アッサム州
ウルドゥー語：ジャンムー・カシミール州
英語：アルナーチャル・プラデーシュ州、アッサム州、ナガランド州、西ベンガル州、メーガーラヤ州、ミゾラム州
オリヤー語：オリッサ州
カンナダ語：カルナータカ州
グジャラート語：グジャラート州
コク・ボロック語：トリプラ州
コンカニ語：ゴア州
タミル語：タミル・ナードゥ州
テルグ語：アーンドラ・プラデーシュ州、テランガーナ州
ネパール語：シッキム州
パンジャーブ語：パンジャーブ州
ヒンディー語：ハリヤーナー州、ジャールカンド州、マディヤ・プラデーシュ州、チャッティースガル州、ウッタル・プラデーシュ州、ウッタラーカンド州、ヒマーチャル・プラデーシュ州、ラージャスターン州、ビハール州
ベンガル語：西ベンガル州、トリプラ州
マラーティー語：マハーラーシュトラ州
マラヤーラム語：ケーララ州
ミゾ語：ミゾラム州
メイテイ語：マニプル州

憲法第8附則指定言語

憲法第8附則には、22の言語が指定されており、これらはインドの主要な言語として認識されています。これらの言語は、各地域において公的な地位を得ている場合が多いですが、国語としての一律な地位は与えられていません。

当初、第8附則には14言語が指定されていましたが、その後、シンド語、ネパール語、コンカニ語、マニプリー語、マイティリー語、ドーグリー語、サンタル語、ボド語が追加されました。

以下に、第8附則に指定されている言語の一覧を示します。

アッサム語
ベンガル語
ボド語
ドーグリー語
グジャラート語
ヒンディー語
カンナダ語
カシミール語
コンカニ語
マイティリー語
マラヤーラム語
マニプル語（メイテイ語）
マラーティー語
ネパール語
オリヤー語
パンジャーブ語
サンスクリット語
サンタル語
シンド語
タミル語
テルグ語
ウルドゥー語

関連情報

インドの言語に関する詳細は、以下の項目も参照ください。

インドの言語
インドの言語の話者数一覧
インド英語
インド・ルピー
公用語委員会
インドの公用文字

外部リンク

インド公用語局 (DOL)
インド言語中央学会 (Central Institute of Indian Languages)
エスノローグ（インド）
インド国勢調査（言語：1991年）
* インド公用語規定



これらの情報から、インドの言語状況は複雑であり、地域ごとの言語の多様性と、連邦政府と州政府それぞれの言語政策が絡み合っていることが理解できます。インドの公用語を理解することは、インドの文化と社会を理解する上で重要な要素と言えるでしょう。

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