ラリー・オーディ

ラリー・オーディ：豪州プロレス界を支えた名レスラー

ラリー・オーディ（本名：ラリー・デイビス）は、1944年にオーストラリアの首都特別地域キャンベラで生まれ、1997年6月30日に肝癌で亡くなったプロレスラーです。彼は、ロン・ミラーとのタッグチーム「ジ・オーストラリアンズ」での活躍や、豪州マット界のプロモーターとしての活動で知られています。

レスラーとしてのキャリア

キャンベラ大学時代にはレスリング選手として活躍し、オリンピック代表候補にも選ばれたという輝かしい経歴を持っています。プロ転向後は、ジム・バーネットが主宰するワールド・チャンピオンシップ・レスリング（豪州）でキャリアをスタートさせました。

1964年から1969年にかけては、バディ・オースチン、モンゴリアン・ストンパー、レイ・スティーブンス、プロフェッサー・タナカ、ミツ・アラカワ、スカル・マーフィー、キラー・カール・コックス、ゴリラ・モンスーン、ビル・ミラーなど、北米からの強豪レスラーたちと対戦し、その実力を磨きました。また、ファビュラス・カンガルーズの初代メンバーであるロイ・ヘファーナンのパートナーとしても起用され、タッグマッチでも存在感を示しました。

1971年には、シドニー出身のロン・ミラーと共にアメリカへ渡り、「ジ・オーストラリアンズ」というベビーフェイスのタッグチームを結成。NWAの南部テリトリーを転戦し、フロリダのCWFでは、1971年8月2日にロニー・ガービン&オレイ・アンダーソンからNWAフロリダ・タッグ王座を奪取しました。その後も、ディック・マードック&ボビー・ダンカン、ジ・アラスカンズ、ジ・インフェルノスなどの強豪チームを破り、同王座を通算4回獲得する活躍を見せました。テネシー地区では、スプートニク・モンロー&ノーベル・オースチンなどのチームと激しい抗争を展開。1972年5月19日にはNWAテネシー・タッグ王座も獲得しています。

1972年6月には、ミラーとのコンビで日本プロレスの『第2次ゴールデン・シリーズ』に初来日。開幕戦の後楽園ホール大会では、当時のアジアタッグ王者チームだった坂口征二&吉村道明と対戦し、日本のプロレスファンにもその名を知らしめました。1973年10月には単独で全日本プロレスに来日し、マードックやドリー・ファンク・ジュニアのパートナーとしてメインイベントにも出場。ジャイアント馬場や鶴田友美といった日本のエースレスラーとも対戦しました。

プロモーターとしての手腕

1973年末、ワールド・チャンピオンシップ・レスリングの主宰者だったジム・バーネットが、オーストラリアの興行権を売却してアメリカに帰国。その後、団体の運営はトニー・コロニーを経て、1975年よりオーディとミラーが引き継ぎました。以降はミラーと共に豪州マットを仕切り、アンドレ・ザ・ジャイアント、アーニー・ラッド、オックス・ベーカー、キラー・カール・クラップ、バグジー・マグロー、ブッチャー・ブラニガン、ブルーザー・ブロディ、そしてNWA世界ヘビー級王者のハーリー・レイスなど、豪華な外国人レスラーを北米から招聘し、興行を盛り上げました。レスラーとしても、相棒のミラーや若手時代のリック・マーテル、1960年代からの豪州のスターだったマリオ・ミラノらをパートナーに、NWA豪亜タッグ王座を再三獲得しています。

しかし、バーネット主宰時代のような活況を呈することはできず、テレビ放送の打ち切りやインディー団体の乱立もあって、ワールド・チャンピオンシップ・レスリングは1978年を最後に活動を停止しました。以降は隣国ニュージーランドのオールスター・プロレスリングを主戦場とし、1980年にはパートナーのミラーを相手にNWA英連邦ヘビー級王座を争うなど、晩年までリングに上がり続けました。

セミリタイア後

セミリタイア後は、バーネットが相談役を務めていたアメリカのWCWに単発出場しており、1992年6月22日には、サウスカロライナ州チャールストンで行われたNWA世界タッグ王座の争奪トーナメントに息子のジェフ・オーディと組んで参加しましたが、1回戦でテリー・ゴディ&スティーブ・ウィリアムスに敗退しました。

1997年6月30日、肝癌のため死去。彼の功績は、豪州プロレス界に深く刻まれています。

得意技

ローリング・クラッチ・ホールド
ドロップキック

獲得タイトル

NWAフロリダ・タッグ王座：4回（w / ロン・ミラー）
NWAテネシー・タッグ王座：1回（w / ロン・ミラー）
NWA豪亜タッグ王座：9回（w / ロン・ミラー×4、ボビー・ハート×2、エド・ウィスコスキー、リック・マーテル、マリオ・ミラノ）
NWA英連邦ヘビー級王座：2回
* NWAオーストラレージアン・タッグ王座：1回（w / リッパー・コリンズ）

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