1969年の日本競馬

1969年の日本競馬

1969年（昭和44年）の日本競馬界は、多くの出来事が重なり、変革の年となりました。この年、東京都知事による都営ギャンブル廃止の発表、阪神競馬場の火災、地方競馬での連単方式廃止など、競馬界全体に大きな影響を与える出来事が相次ぎました。また、海外への挑戦や新たな競馬施設の開設など、未来への礎を築いた年でもありました。

出来事

1月 - 3月

1月24日: 東京都知事の美濃部亮吉が、都営ギャンブルの廃止を発表。この発表は、競馬を含む都営ギャンブルの将来に大きな影響を与えることとなりました。
2月25日: 中央競馬の中神輝一郎元騎手が、ブラジルの騎手訓練学校で訓練官に就任。国際的な人材交流が始まった出来事でした。
3月11日: 日本中央[[競馬会]]制作の映画『日本うま物語』が文部省の選定を受ける。競馬文化の普及に貢献する作品として評価されました。
3月14日: 第8回アジア[[競馬会議]]が東京で開催され、ホテルニューオータニで開会式が行われる。国際的な競馬交流が活発化した象徴的な出来事です。
3月16日: アジア[[競馬会議]]を記念し、東京[[競馬場]]で「アジア[[競馬会議]]加盟国騎手招待競走」が開催され、タイの騎手が優勝しました。国際的な騎手交流の場となりました。
3月21日: 大井[[競馬場]]でも「アジア[[競馬会議]]加盟国招待競走」が開催され、日本の騎手が優勝しました。
3月23日: 阪神競馬場でも「アジア[[競馬会議]]加盟国招待競走」が開催され、フィリピンの騎手が優勝しました。

4月 - 6月

4月18日: 阪神競馬場で火災が発生し、スタンドの一部が焼失。これにより、5月と6月の阪神競馬は京都[[競馬場]]での代替開催となりました。競馬場施設における防災対策の重要性が浮き彫りになりました。
5月25日: 韓国のソウル[[競馬場]]で行われた国際親善競走に、中央競馬の騎手が出場。国際交流の一環として、海外でのレース経験を積む機会となりました。

7月 - 9月

7月3日: 農林省が、地方競馬に対し連単方式を廃止し、8枠制連勝複式投票法を採用するよう通達。投票方式の変更は、競馬ファンに大きな影響を与えました。
7月26日: スピードシンボリが、日本馬として初めてイギリスのアスコット[[競馬場]]で行われたキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスに出走し、5着入賞。日本競馬の国際化を象徴する出来事でした。
8月15日: 足利競馬場が移転。競馬ファンの利便性向上が図られました。
8月24日: 中央競馬は、豪雨のため札幌競馬場での開催を中止。自然災害の影響を受けやすい競馬場の運営において、安全確保の重要性が再認識されました。
9月29日: 福島[[競馬場]]のスタンド改築工事が完了。施設が新しくなり、競馬ファンの観戦環境が向上しました。

10月 - 12月

10月1日: 福山[[競馬場]]のスタンド落成式と開場20周年記念式典が開催。地方競馬の発展を祝う式典となりました。
10月9日: 名古屋サービスステーションが新築移転。競馬ファンの利便性向上に貢献しました。
10月31日: 中央競馬社会福祉財団が設立。競馬界における社会貢献活動が本格的に始まりました。
11月3日: 日本中央[[競馬会]]元理事の井上綱雄が勲四等旭日小綬章を受章。競馬界への貢献が認められました。
11月11日: 栗東トレーニングセンターが開場。競走馬育成の近代化に大きく貢献しました。
12月2日: 小倉[[競馬場]]のスタンド改築工事が完了。競馬場の施設が刷新されました。

競走成績

中央競馬の主な競走

第29回桜花賞: ヒデコトブキ（騎手：久保敏文）
第29回皐月賞: ワイルドモア（騎手：森安重勝）
第59回天皇賞（春）: タケシバオー（騎手：古山良司）
第30回優駿牝馬（オークス）: シャダイターキン（騎手：森安重勝）
第36回東京優駿（日本ダービー）: ダイシンボルガード（騎手：大崎昭一）
第10回宝塚記念: ダテホーライ（騎手：宇田明彦）
第30回菊花賞: アカネテンリュウ（騎手：丸目敏栄）
第60回天皇賞（秋）: メジロタイヨウ（騎手：横山富雄）
第14回有馬記念: スピードシンボリ（騎手：野平祐二）

中央競馬・障害

第62回中山大障害（春）: ホンマルシロー（騎手：千田能照）
第63回中山大障害（秋）: マウントブゼン（騎手：山田広士）

表彰

年度代表馬・最優秀5歳以上牡馬: タケシバオー
最優秀3歳牡馬: アローエクスプレス
最優秀3歳牝馬: タニノソブリン
最優秀4歳牡馬: アカネテンリュウ
最優秀4歳牝馬: メイジアスター
最優秀5歳以上牝馬: ファインローズ
最良スプリンター: ハクエイホウ
最優秀障害馬: ハードオンワード
最優秀アラブ: サンサード

誕生

この年に生まれた競走馬は、1972年のクラシック世代となります。数々の名馬が誕生し、後の競馬界を牽引しました。

主な誕生馬

タケクマヒカル
スガノホマレ
ナイスダンサー
ランドプリンス
ハマノパレード
トーヨーアサヒ
タイムライン
ストロングエイト
タカイホーマ
サンシー
キョウエイグリーン
ロングエース
ハクホオショウ
シンモエダケ
サンサン
タケフブキ
トクザクラ
タニノチカラ
ノボルトウコウ
タイテエム
アチーブスター
ツキサムホマレ
タケデンバード
ナオキ
スカレー
イシノヒカル
グランドマーチス
クリイワイ
ヒデハヤテ
イナボレス
ハードツービート

人物

この年、多くの騎手や調教師が誕生し、後の競馬界を支える人材となりました。

1月5日: 塩村克己騎手（JRA）
1月13日: 池江泰寿調教師（JRA）
1月24日: 佐宗応和騎手、調教師（大井）
2月6日: 吉留孝司騎手（浦和）
2月12日: 吉田稔騎手（名古屋）
3月2日: 小嶋久輝騎手（ホッカイドウ）
3月15日: 武豊騎手（JRA）
3月19日: 蛯名正義騎手、調教師（JRA）
3月28日: 川島正一調教師（船橋）
4月20日: 梅田智之調教師（JRA）
5月3日: 高橋義忠調教師（JRA）
7月20日: 嬉勝則騎手（高知）
8月14日: 和田雄二調教師（JRA）
8月23日: 千田輝彦騎手、調教師（JRA）
8月29日: 北野真弘騎手、調教師（兵庫）
9月6日: 東川公則騎手、調教師（笠松）
10月5日: 金成貴史調教師（JRA）
11月7日: 片桐正雪騎手（高知）
11月27日: 倉地学騎手、調教師（名古屋）
12月4日: 岸滋彦騎手（JRA）
12月13日: 中西達也騎手、調教師（高知）
* 12月30日: 大竹正博調教師（JRA）

まとめ

1969年の日本競馬は、数々の出来事が重なり、変化と発展を遂げた一年でした。都営ギャンブルの廃止発表、阪神競馬場の火災といった出来事から、地方競馬の投票方式の変更、スピードシンボリの海外挑戦まで、競馬界全体に大きな影響を与える出来事が相次ぎました。また、数々の名馬が誕生し、未来の競馬界を担う騎手や調教師が生まれた年でもありました。この年の出来事は、日本競馬の歴史において重要な転換期であったと言えるでしょう。

もう一度検索