呉侑珍

呉侑珍（オ・ユジン、오유진、1998年6月11日 - ）は、韓国ソウル市出身の囲碁棋士です。韓国棋院に所属し、2021年には女流棋士として5人目となる九段に昇段しました。彼女は、プロ女流国手戦で2度優勝、穹窿山兵聖杯世界女子囲碁選手権での優勝など、数々のタイトルを獲得しており、国際的にも高い評価を受けています。

経歴

幼少期、姉と共に父親から囲碁を学んだ呉侑珍は、小学3年生の時に許壮会囲碁道場に入門し、本格的に囲碁の道を歩み始めました。2010年には大韓生命杯子供国手戦で3位入賞、翌2011年にはアマチュア女流国手戦で準優勝するなど、早くからその才能を発揮しました。

2012年にプロ棋士初段となり、2013年にはアジアインドア・マーシャルアーツゲームズ女子団体戦で銀メダルを獲得。韓国囲碁リーグの楽スターリーグにも出場しました。2014年にはプロ女流国手戦でベスト4に進出、穹窿山兵聖杯世界女子囲碁選手権では2014年と2015年にベスト16入りを果たしました。

2015年には、おかげ杯国際新鋭対抗戦女子団体戦で優勝、第1回韓国女子囲碁リーグでは麟蹄郡チームに所属し、10勝2敗で最多勝を獲得しました。同年の女流名人戦では連続で挑戦者となるも、いずれも崔精に敗れました。

2016年は、メジオン杯オープン新人王戦でベスト8、穹窿山兵聖杯で優勝、さらに女流国手戦も制し、五段に昇段しました。この年、彼女は韓国プロ棋士賞金ランキングで10位に入り、女流棋士としては崔精に次いで2人目となる1億ウォンを超える賞金収入を得ました。

2018年に六段、2019年には黄龍士双登杯で4人抜きを果たし七段に昇段、2021年には八段に昇段しました。同年、女流国手戦での優勝により、女流棋士としては5人目となる九段に昇段しました。2022年には呉清源杯で優勝を果たしました。

海外のリーグにも積極的に参加しており、2018年には韓国囲碁リーグに正官庄チームで出場。中国女子囲棋甲級リーグ戦には武漢チームで出場し、2023年には山西チームで優勝を果たしています。韓国囲碁棋士ランキングでは、2018年に97位、2021年に76位、2024年7月には63位となっています。

タイトル歴

国際棋戦

穹窿山兵聖杯世界女子囲碁選手権（2016年）
IMSAエリートマインドゲームズ女子個人戦（2017年）
呉清源杯世界女子囲碁選手権（2022年）

国内棋戦

プロ女流国手戦（2016年、2021年）
女流棋聖戦（2021年）

その他の成績

国際棋戦

LG杯20周年記念新鋭挑戦者杯 ベスト8 (2015年)
穹窿山兵聖杯世界女子囲碁選手権 ベスト4 (2017年)、準優勝 (2018年)
呉清源杯世界女子囲碁選手権 ベスト8 (2019年、2020年、2021年、2024年)
国手山脈杯国際囲棋戦 ペア碁戦優勝（2016-17年、李昌鎬とペア）、3位（2018年、高尾紳路とペア）
ペア碁ワールドカップ 3位（2016年、崔哲瀚とペア）、準優勝（2019年、申眞諝とペア）
ペア碁ワールドカップ2022ジャパン ペア碁親善ドリームマッチ 勝利（2022年、申眞諝とペア、上野愛咲美、芝野虎丸ペアと対戦）
日中韓ペア碁名人選手権 準優勝（2017年、李昌鎬とペア）
バッカス杯韓・中未来天元戦 0-2（2015年、対 羋昱廷、於之瑩）
アジアインドア・マーシャルアーツゲームズ 女子団体戦準優勝 (2013年)
黄龍士双登杯世界女子囲棋勝抜戦
2015年 0-1（対 宋容慧）
2016年 1-1（対 藤沢里菜、於之瑩）
2017年 2-0（対 李赫、於之瑩）
2018年 2-1（対 李赫、上野愛咲美、周泓余）
2019年 4-1（対 周泓余、牛栄子、李赫、上野愛咲美、陸敏全）
天台山農商銀行杯世界女子囲棋団体選手権戦
準優勝（2016年、対 張正平、王晨星、向井千瑛）
優勝（2017年、対 張凱馨、謝依旻、魯佳）
2-1（2018年、対 芮廼偉、藤沢里菜、楊子萱）
3-0（2019年、対 王晨星、兪俐均、謝依旻）
湖盤杯ソウル新聞世界女子囲碁覇王戦 0-1（2022年、対 李赫）
おかげ杯国際新鋭対抗戦
団体戦優勝（2016年、対 於之瑩、黒嘉嘉、謝依旻、於之瑩）
団体戦準優勝（2017年、対 魯佳、謝依旻、兪俐均、魯佳）
優勝（2018年、対 謝依旻、陸敏全、蘇聖芳、陸敏全）
優勝（2019年、対 兪俐均、周泓余、上野愛咲美、周泓余）
IMSAエリートマインドゲームズ
女子団体戦優勝（2016年、対 余瑾、黒嘉嘉、牛栄子、曹又尹）
女子団体戦優勝（2017年）
女子団体戦優勝（2019年）
アジア競技大会　女子団体戦銀メダル (2023年)

国内棋戦、その他

女流名人戦 挑戦者 (2015年、2016年)
女流棋聖戦 準優勝 (2017年)
プロ女流国手戦 準優勝 (2019年)
湖畔杯女子最高棋士決定戦 準優勝 (2022年、第1回)、3位 (2022年、第2回)
IBK企業銀行杯女子囲碁マスターズ 準優勝 (2024年)
国際囲碁春香選抜大会プロ春香部 準優勝 (2024年)
韓国女子囲碁リーグ
2015年（麟蹄降天）10-2（最多勝,MVP）
2016年（麟蹄降天）9-5
2017年（麟蹄天空下）10-4
2018年（扶安コムソ塩）13-3
2019年（扶安コムソ塩）8-4
2020年（扶安コムソ塩）10-4
2021年（順天湾国家庭園）11-3
2022年（順天湾国家庭園）9-5
2023年（順天湾国家庭園）8-6
2024年（扶安赤い夕焼け）10-3
GGオークション杯女流対シニア連勝対抗戦
2015年 2-1（対 金榮桓、曺薫鉉、劉昌赫）
2016年 2-1（対 徐奉洙、金秀壮、徐能旭）
2018年 3-0（対 白大鉉、崔明勲、李昌鎬）
2019年 1-1（対 韓鐘振、金明完）
2021年 4-1（対 韓鐘振、金承俊、崔珪昞、車敏洙、安祚永）
2022年 0-1（対 趙漢乗）
2023年 0-1（対 李廷宇）
2024年 1-1（対 朱亨煜、劉昌赫）
ニュースピムGAM杯女子囲碁最強戦 0-2（2022年、対 金恩持、崔精）
SG杯ペア碁最強戦 準優勝（2016年、金志錫とペア）、優勝（2018年、金志錫とペア）
韓国囲碁リーグ（2018年、正官庄皇眞丹）
中国全国囲棋選手権戦女子団体戦・中国女子囲棋甲級リーグ戦
2015年（中国平煤神馬集団）6-1
2016年（中国平煤神馬集団）5-2
2017年（武漢晴川学院）6-1
2018年甲級（武漢晴川学院）8-1
2020年甲級（山西書海路鑫）5-3
2021年甲級（山西書海路鑫）
2023年甲級（山西書海路鑫）8-1（優勝）
2024年甲級（成都銀行）7-2（優勝）


呉侑珍は、その実力と実績から、韓国のみならず世界的に注目される囲碁棋士の一人です。彼女の今後の活躍が期待されます。

もう一度検索