SoftBank 910SH

SoftBank 910SH

SoftBank 910SHは、シャープが開発しソフトバンクモバイルから発売されたW-CDMA方式の携帯電話端末です。2006年11月25日に発売され、当時としては高機能なモデルとして注目を集めました。

主な機能とサービス

910SHは、音楽再生、Bluetooth、マイ絵文字、フィーリングメール、カスタムスクリーン、バイリンガル機能など、当時の携帯電話として多彩な機能を搭載していました。また、QRコードの読み取り・作成、赤外線通信（IrDA）、ドキュメントビューア、シンプルモード、顔認証機能など、ビジネスシーンでも役立つ機能も備えていました。ただし、国際ローミングには対応していませんでした。

デザインと特徴

デザインは、903SHのデザインをベースとしており、904SHに搭載されていたGPSやモーションコントロールセンサーは搭載されていません。そのため、904SHよりも903SHの後継機に近い位置づけでした。905SHに引き続き、国際ローミングには非対応でした。当時のシャープ製SoftBank 3G端末のハイエンドモデル（9xxSHシリーズ）は、多機能化のために国際ローミング機能が省かれる傾向がありました。これは、SIMロック解除目的の即時解約を防ぐためとも言われています。しかし、920SH以降のハイエンドモデルでは、ほとんどが国際ローミングに対応するようになりました。

本体形状については、この機種が登場する前後から、サイクロイドスタイルの「AQUOSケータイ」やフルスライドの「FULLFACE」「FULLTOUCH」に力を入れていたため、本機種は約2年半後の933SHが発売されるまで、ソフトバンク向けのシャープ製回転2軸端末としては最新機種でした。ただし、シャープ製の回転2軸端末が長期間発売されなかったのはソフトバンク向けのみで、他キャリア向けにはSH905i/SH906i/SH704i/SH-03A/SH-06A/W52SH/W62SH/SH001/SH002といった回転2軸モデルが継続的に発売されていました。

カメラ性能

910SHは、国内の携帯電話としては唯一、500万画素のCCDセンサーを搭載した機種でした。しかし、2008年冬から2009年春にかけて発売された930SH/SH-01A/SH-03A/SH001以降のシャープ製ハイエンド機種では、800万画素を超えるCCDが搭載されるようになりました。2009年からはカメラ特化型のAQUOS SHOTシリーズも展開され、933SH/SH-06A/SH-07Aには1000万画素CCD、SH003には1210万画素CCDが搭載されています。910SH以降、光学ズームを搭載する機種は長らく発売されませんでしたが、2011年1月に光学3倍ズームCCDカメラを搭載したSH-05Cが登場しました。

カメラ機能の詳細

910SHは、日本で初めて500万画素CCDと光学3倍ズームを搭載した携帯電話です。デザインはデジタルカメラを意識したもので、側面の大きなボタンがシャッターボタンになっています。端末を開いて液晶画面を反転させると、カメラが自動的に起動する設定も可能です。背面には「5.0 MEGA PIXEL」の表記があり、静止画は最大2592×1944ピクセルで記録されます。

携帯電話のズーム機能はデジタルズームが一般的ですが、910SHでは光学ズームを採用しており、11段階で調整可能です。絞り開放時のF値は、広角でF3.5、望遠でF7.0です。レンズは5群6枚で構成されており、シャッターは一般的なカメラと同様にメカシャッターを併用しています。

ISO感度は、自動のほか、手動で100、200、400、800の4段階に設定できます。ただし、撮影モードによっては強制的に自動に設定されます。また、ストロボ（モバイルライト）はLED化され、光量が向上しています。ただし、画像サイズを1280×960ピクセル以上に設定すると、バッファ容量の制約で連写はできません。オートフォーカスと手ぶれ補正機能も搭載されています。

動画機能も強化されており、最大でVGA（ワイド時640×360ピクセル）の3GPP動画をモノラル音声付きで撮影できます。従来の携帯電話の動画機能では毎秒15フレームが一般的でしたが、910SHでは毎秒30フレームで録画できます。

不具合

2015年10月9日から2016年1月1日以降、日時を正しく表示できなくなる不具合が発生しました。

関連機種

910SHは、500万画素デジタルカメラを搭載した機種として、以下の機種と比較されることがあります。

• - W53CA (EXILIMケータイ)
• - W61CA
• - W63H (Woooケータイ)
• - W63SH (AQUOSケータイ)
• - SO905iCS (サイバーショットケータイ)
• - W61S (サイバーショットケータイ)
• - N905i
• - N906i
• - N-01A
• - N-02A
• - P905i
• - P906i
• - P-01A
• - P-02A
• - SoftBank 920P (VIERAケータイ)
• - SoftBank 921P (VIERAケータイ)
• - SH906i
• - SH-02A
• - SH-04A
• - F-01A
• - F-03A
• - L-01A
• - SoftBank 920SC (PHOTOS)
• - SoftBank 930SC (OMNIA)
• - Nokia N95/Softbank X02NK
• - Nokia N82
• - SoftBank 923SH (AQUOSケータイ)
• - SoftBank 931SH (AQUOSケータイ)

これらの機種のうち、910SH・Nokia N95/Softbank X02NKを除き、全てCMOS素子を採用しており、CCD素子の端末に比べて画質がやや劣るとされています。また、910SH・SO905iCS・W61S・920SC以外は光学ズームも非搭載で、ズーム時の画質も劣ります。ライトに関しては、920SC・Nokia N82のみがキセノンフラッシュを搭載しており、暗い場所での撮影に適しています。

外部リンク

• - ソフトバンクモバイル 910SH製品情報
• - シャープ 910SH製品情報
• - ITmedia +D「シャープの「910SH」が目指したもの」
• - ITmedia +D「荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ」“ケータイ最強”のカメラはデジカメを超えた？─910SH

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