スイス出身の作曲家エルネスト・ブロッホが1912年から1916年にかけて作曲した「イスラエル交響曲」は、5名の独唱歌手を伴うユニークな作品です。ロマン・ロランの示唆によりこの表題が付され、ユダヤの精神世界を表現する試みがなされています。1917年5月3日、ニューヨークにて作曲者自身の指揮で初演されました。
日本の音楽評論家で洗足学園大学名誉教授。音楽評論家・門馬直衛の次男として生まれ、クラシック音楽の普及・啓蒙に尽力。多数の著作、翻訳、放送出演を通じ、専門知識を分かりやすく伝え幅広い層に音楽鑑賞の喜びを説いた。日本の音楽評論史における重要人物。
「サンタ・ルチア」は、イタリアのナポリ湾に面した美しい港町を歌った、世界的に有名な伝統的なナポリ民謡。テオドロ・コットラウが編曲・出版し、ナポリの歌に初めてイタリア語訳詞が付いた作品とされる。多くの歌手に歌い継がれ、各国で独自の歌詞も生まれた。
イギリスの作曲家ヴォーン・ウィリアムズによる交響曲第3番。第一次大戦の経験が着想の一つとなり、全編を通じて穏やかなテンポと瞑想的な雰囲気に包まれた作品。
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズがロバート・ルイス・スティーヴンソンの詩に基づき作曲した、バリトンとピアノまたは管弦楽のための9曲からなる連作歌曲集。旅をテーマに、疲れながらも毅然とした旅行者の姿を描く、作曲家初の本格的な歌曲作品。
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズが1908年に作曲した弦楽四重奏曲第1番ト短調。習作期を経て初めて発表されたこの室内楽作品は、ラヴェルの指導を受け、フランス印象派とイギリス・ロマン派の影響が融合した独特の和声と旋律を持つ。初演は1908年、1921年には改訂された。
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズが生涯最後に完成させた交響曲第9番ホ短調。1958年の初演後まもなく作曲者が85歳で世を去った遺作であり、革新的な楽器編成を持つ作曲家の集大成。
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズが1953年から55年にかけて作曲し、1956年に初演された交響曲。前後の作品より小規模で古典的、軽妙さとユーモアが特徴的です。
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズが70代後半に完成させた交響曲第6番 ホ短調。前半楽章の激しい不協和音と、対照的な静寂で終わる終楽章が印象的で、戦争との関連が議論されました。
ヴォーン・ウィリアムズの交響曲第5番ニ長調は、1938-43年作曲。激しい第4番から一転し、穏やかで叙情的な作風への回帰を示すと同時に、独特の旋法性も現れ始める重要な作品。日本でも人気の高い一曲。初演は作曲者指揮、ロンドン・フィル。シベリウスに献呈された。
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズが1931年から1934年にかけて作曲した交響曲第4番ヘ短調。それまでの標題音楽から一転し、激しい不協和音と厳格な構成が聴衆を驚かせた、標題を持たない初の交響曲として重要な位置を占める作品。
オランダ、アムステルダムにある世界的なコンサートホール、コンセルトヘボウ。優れた音響のシューボックス型ホールとして知られ、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の本拠地。クラシックから現代音楽まで多彩なプログラムを提供。
レントラー（独：Ländler）は、南ドイツ圏発祥の3/4拍子の民族舞踊です。18世紀末頃までドイツ、オーストリア、スイス南部で盛んに踊られ、跳躍を含む活発なステップが特徴です。後のワルツに影響を与え、クラシック音楽や映画でも登場します。
作曲家リヒャルト・ワーグナーが1850年に変名で発表した論文。音楽におけるユダヤ人の影響力を差別的に論じ、ユダヤ人音楽家を批判。後に実名で加筆再版され、ドイツ反ユダヤ主義史における重要な文献とされる。
ワグネリズムとは、作曲家リヒャルト・ワーグナーが提唱した総合芸術などの美学的理念、ドイツ的観念や反ユダヤ主義といった政治的・社会的思想、彼の音楽や思想への熱狂的な支持運動を総称する言葉であり、特定の労組法案を指す場合もあります。
ドイツの作曲家、指揮者、演出家。リヒャルト・ワーグナーの息子で、バイロイト音楽祭の芸術監督を務め、その運営と発展に貢献。多作な作曲家としても知られる一方、指揮者としても評価されました。
「スターバト・マーテル」は、イエス・キリストの磔刑に立ち会った聖母マリアの悲しみを歌う13世紀起源のカトリック教会聖歌。多くの著名な作曲家によって音楽化され、西洋音楽史において重要な位置を占める、感動的な詩に基づく典礼文である。
フリギア旋法は、古代ギリシアの音階体系と中世以降の教会旋法という二つの異なる音楽概念を指します。中世フリギア旋法は現代の自然的短音階に似た特徴を持ち、特に第2音の低さが特徴的で、多様な音楽ジャンルで使用されています。
16世紀イングランドを代表する作曲家、トマス・タリス。ヘンリー8世からエリザベス1世まで、激動のテューダー朝を生き抜き、王室礼拝堂のオルガン奏者を務めた。カトリックでありながらプロテスタント向けの作品も残し、特に壮大な多声楽曲で知られる。ウィリアム・バードの師としても重要。
ハンガリー出身の女性ヴァイオリニスト、イェリー・ダラーニ（1893-1966）。姉アディラもヴァイオリニストで、大叔父にヨアヒムを持つ音楽一家に生まれる。バルトークとの共演、ラヴェルやヴォーン・ウィリアムズからの献呈、シューマン協奏曲の降霊術を巡るエピソードでも知られる。欧米で活躍後、ロンドンを拠点に活動した。
英国の作曲家ラトランド・ボートンがウィリアム・シャープの戯曲を基に創作したオペラ『不滅の時間』。魔法と精霊が織りなすファンタジー作品で、ワーグナーとケルト音楽の影響が融合した独特の響きを持つ。
イギリスのオーボエ奏者（1897-1988）。オーケストラ楽器としてのオーボエをソリストとしても確立し、20世紀前半を代表する存在。多くの委嘱作品を通じて現代のレパートリー形成に貢献、豊富な録音も残した。
サー・ダニエル・ゴドフリーは、ボーンマス市立管弦楽団を41年間率い、イギリス音楽に貢献した指揮者。ヴォーン・ウィリアムズ「ロンドン交響曲」初演や多くの録音を残し、ナイトの称号を授与されました。
イングランドの卓越したオーボエ奏者、クリスティーナ・ジョイアンス・ボートン（ジョイ）。作曲家ラトランド・ボートンを父に持ち、レオン・グーセンスに師事。王立音楽大学で学び、教授も務めた。ベンジャミン・ブリテンから作品を献呈・初演するなど、短い生涯ながらイギリス音楽界に貢献した。
イギリス南西部サマセット州にある小さな町、グラストンベリー。古代からの伝説が数多く語り継がれ、特にアーサー王や聖杯、聖ヨセフとの関連で知られています。歴史と神秘が融合するこの特別な場所について解説します。
イングランド出身の詩人であり社会主義思想家、エドワード・カーペンターは、社会運動に深く関与し、国際的な労働者の連帯や反帝国主義を訴えました。多様な思想家との交流も持ちました。
19世紀後半にブライトコプフ・ウント・ヘルテル社から刊行された、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト初の作品全集。後に『新モーツァルト全集』が登場したことから「旧全集」と呼ばれます。歴史的価値は高いものの、信頼性のばらつきや収録作品の問題点も指摘されています。
古典派ウィーンの作曲家・音楽理論家。ベートーヴェンの師として、またシュテファン大聖堂の楽長として知られる。対位法の大家として多くの弟子を育て、多様な楽器のための作品を残した。アルト・トロンボーン協奏曲は現代も演奏される定番曲。
1763年から1766年にかけて、レオポルト・モーツァルトが娘ナンネルと息子ヴォルフガングを率いて行った大規模な演奏旅行。ヨーロッパ各地を巡り、子供たちの並外れた才能を広く知らしめるとともに、彼らの音楽的な成長に大きな影響を与えた。
オーストリア、ザルツブルクを拠点とした音楽家一家。その起源は14世紀ドイツ南部アルゴイ地方に遡り、元の姓には卑下的な意味があったが改姓。父レオポルトと息子ヴォルフガング・アマデウスの世界的活躍で知られる。
モーツァルトの音楽を聴くと知能が向上すると主張される効果。1990年代の心理学研究を端緒とするが、後に商業目的で拡大解釈され広く宣伝された。科学的な追試では再現されず、その効果は限定的か、知能向上に繋がらないと結論づけられている。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが生涯に手がけた多様な舞台作品に焦点を当て、オペラをはじめとする主要作品や、バレエ音楽などの付随音楽を網羅的に紹介します。その豊かな創作活動の軌跡をたどります。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの死（1791年12月5日、35歳）に関する詳細な記述。死因、最期の病状、葬儀、そして後世の記憶や研究について、多様な見解や論点を解説。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが作曲したミサ曲について、その作品リストとそれぞれの解説を掲載。初期からザルツブルク時代最後までの作品について、作曲年や背景、特徴、タイトルの由来などを詳細に解説。偽作説のある作品にも言及します。
1789年、経済的な苦境に直面したモーツァルトがウィーンから北欧へ旅した長大な旅行。プラハ、ライプツィヒ、ドレスデン、ベルリンを巡り、各地で演奏や交流を行い、国王からの委嘱も受けたが、財政難は解消されず借金問題も抱えた。成人後最長の旅程で、公私にわたり多くの出来事があった。
音楽史において、ヴォルフガング・アマデーウス・モーツァルトと都市プラハの間には特別な絆が存在しました。プラハは彼の音楽を熱狂的に迎え入れ、『フィガロの結婚』『ドン・ジョヴァンニ』、そして「プラハ」交響曲といった傑作の重要な舞台となりました。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの姉、マリア・アンナ（ナンネル）の生涯を解説。天才と呼ばれた幼少期、音楽家としての道を断念せざるを得なかった背景、結婚生活、そして弟との複雑な関係性などを追います。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが独奏ホルンと管弦楽のために作曲した複数の協奏曲群。友人である名手ロイトゲープのために書かれ、一般に4曲が知られる。近年の研究で作曲順に新たな見解が示され、楽器特性や奏者の年齢に応じた難易度調整が見られる点も興味深い。
クラシック音楽史上の二大巨匠、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトとルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの関係性を探る記事。ベートーヴェンが受けたモーツァルトからの多大な音楽的影響、ボン時代からの接点、ウィーンでの交流の可能性、そして具体的な作品における模倣や引用について解説します。（135文字）
オーストリアの作曲家、フランツ・クサーヴァー・ジュースマイヤー（1766-1803）。ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの未完の「レクイエム」を完成させたことで特に有名です。生前はウィーンで自身の作品でも一定の成功を収めましたが、若くして病に倒れました。
オーストリアの作曲家モーツァルトの妻、コンスタンツェ・モーツァルト（1762-1842）。ソプラノ歌手でもあった彼女は、夫の没後、その遺された作品の保存や顕彰に尽力する一方、様々な俗説により「悪妻」と論じられることも多い人物です。
18世紀ドイツの作曲家、オルガニスト、理論家、教育者ゲオルク・ヨーゼフ・フォーグラー。「アベ・フォーグラー」として知られ、革新的な理論やオルガン設計、教育法で音楽界に影響を与え、ウェーバーらを育てました。
ゲオルク・ニコラウス・フォン・ニッセンは、デンマークの外交官であり伝記作家。特にヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトに関する最初期の伝記を著したことで知られ、その著作は現代の音楽史研究においても重要な一次資料として活用されています。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの長男、カール・トーマス・モーツァルト（1784-1858）。父の死後、プラハやミラノで教育を受けるが音楽家にはならず、文官として活躍。父の遺品をモーツァルテウムに寄贈するなど、その名声に貢献した生涯を追う。
アンナ・マリア・モーツァルト（1720-1778）は、ヴァイオリニストで作曲家のレオポルト・モーツァルトの妻であり、偉大な音楽家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの母です。旧姓はペルトル。子供たちの演奏旅行に同行し、パリで客死しました。
ユダヤ系ロシアに生まれ、後に英国籍を取得した著名なピアニスト、ベンノ・モイセイヴィチ（1890-1963）。テオドル・レシェティツキに師事し、特に後期ロマン派、とりわけラフマニノフ作品の解釈で知られ、その優雅で詩的な表現と卓越した技巧で世界的に活躍した。
ロベルト・シューマンのオラトリオ『楽園とペリ』作品50は、ペルシアの妖精ペリが楽園への帰還を目指し、「最も天の心に適う捧げ物」を探す物語。オリエント趣味の大作で、ドイツ語圏で広く親しまれています。
アイルランドの詩人トーマス・ムーア作の詩「夏の名残のばら」。その旋律は民謡から派生し、日本で唱歌「庭の千草」として普及。クラシックやポップス、文学や映画など、多岐にわたる文化作品に影響を与え続ける名作です。
スコットランドの裁判官・文芸批評家、フランシス・ジェフリー（1773-1850）。有力誌『エディンバラ・レビュー』を創刊し、編集長として活躍。特にロマン主義「湖畔派」への手厳しい批評で知られ、「Lake School」という呼称を広めた。弁護士、政治家としても高位に就いた。
イギリスの肖像画家サー・トーマス・ローレンス（1769-1830）。幼少期から非凡な才能を発揮し、王室や貴族、社交界で絶大な人気を博しました。ジョシュア・レノルズの後を継いで国王お抱え画家となり、晩年にはロイヤル・アカデミー会長も務めるなど、英国肖像画の歴史に確固たる地位を築いた人物です。
ジェイムズ・ジョイス初期の傑作短編集。アイルランドの首都ダブリンを舞台に、そこに暮らす人々の日常と精神的な停滞を描き出す。ジョイス独自のエピファニー概念を導入した全15編。多くの邦訳がある。
イタリア出身のオペラ作曲家、指揮者ガスパレ・スポンティーニ。19世紀初頭のフランス第一帝政期にオペラ・セリアの大家として活躍し、『ヴェスタの巫女』や『フェルナン・コルテス』で劇的な表現と壮大な舞台を実現。その後の評価は変遷するも、近年再評価の動きも。
著名な詩人バイロン卿の異母姉オーガスタ・リー。彼との間に近親相姦の噂が立ち、バイロンの人生や社会的名声に大きな影響を与えました。娘メドラの父親についても議論の対象となり、二人の複雑な関係は後世まで語り継がれています。
アイルランド王国およびグレートブリテン王国の貴族、政治家。第4代ドニゴール伯爵として家督を継承し、後に初代ドニゴール侯爵に叙された。教育を受け、アイルランド貴族院やイギリス下院で活動した人物（1739-1799）。
フランス後期ロマン派の作曲家アンリ・デュパルク（1848-1933）。自作の大半を破棄したが、『旅への誘い』など少数の歌曲はフランス歌曲の最高傑作として後世に名を残している。
カナダのケベック州モントリオール島に位置する独立自治体ハンプステッドは、計画的な田園都市として開発されました。特にユダヤ系住民が多数を占め、富裕層が多いことで知られています。
英国の起業家アルフレッド・ダンヒル（1872-1959）は、高級ブランド「ダンヒル」の創業者であり、たばこやライターの発明家としても知られています。自動車アクセサリー販売から喫煙具事業へと転じ、国際的なビジネスを展開しました。
セルゲイ・プロコフィエフによるオペラ『戦争と平和』作品91は、レフ・トルストイの同名小説を基に、独ソ戦とナポレオンのロシア侵攻を重ねて作曲された大作です。度重なる改訂を経つつも、戦後のオペラ作品として重要な位置を占めています。
ウィリアム・オルウィン（1905-1985）は、イギリスの多才な音楽家。作曲家、指揮者、フルート奏者、教育者として活躍し、特に映画音楽で多くの作品を残した。幅広い作風で知られる。
20世紀中葉のイギリスを代表する作曲家、アラン・ロースソーン。マンチェスターで学び、ヨーロッパ各地で研鑽を積みました。協奏曲、交響曲、室内楽など多岐にわたる作品を残し、映画音楽も手掛けました。未完に終わった最後の作品はジュリアン・ブリームにより完成。その知的な構成と抒情性は今も評価されています。
純正律は、周波数比が整数比となる純正音程で構成される音律です。倍音のうなりがない澄んだ和音が得られる長所を持つ一方、転調や移調が難しく、旋律において不均等な印象を与える短所があります。特定の電子楽器や古い時代の報知器にも採用例が見られます。
オーストリアの作曲家・ピアニスト（1842-1924）。幼少期に失明するも、演奏家・教師として活躍。生前はブラームスらとも交流し高い評価を得たが、今日では忘れられつつある。シェーンベルクやパウル・ヴィトゲンシュタインの師としても知られる。
ヨハン・ネポムク・フックス（1842-1899）は、19世紀後半オーストリアの作曲家、指揮者、音楽教育者。ウィーン宮廷歌劇場の楽長やウィーン音楽院の院長を歴任し、後進の育成や古典作品の校訂に貢献しました。
スロヴァキアの作曲家・指揮者ヤーン・レヴォスラフ・ベラ。長命ながら伝統的なロマン派音楽を追求し、ブラームスらに高く評価された。代表作はオペラ《鍛冶屋ヴィーラント》や器楽曲。現代ではその作品が見直されている。
ウィーンを中心に活躍したポーランド出身のピアノ教師、作曲家、ピアニスト（1830-1915）。カール・チェルニーに学び、アルトゥル・シュナーベルら数多くの世界的なピアニストを育成。現代ピアノ界に続く重要な教育者として知られています。
19世紀ロマン派のピアニスト・作曲家、ジギスモント・タールベルク。リストやショパンと並び称された名手で、「3本の手」奏法を駆使。オペラ主題による幻想曲・変奏曲を多数作曲したが、没後忘れられ、近年再評価が進んでいる。
オーストリア出身の多才な芸術家、コンスタンツェ・ガイガー（1835-1890）。ピアニスト、俳優、作曲家、歌手として活躍。幼少より才能を発揮し、後にザクセン＝コーブルク＝ゴータ家の人物と結婚。身分差婚により舞台を退くも、作曲活動は継続。近年、作品が再評価されている。
マルティン・グスタフ・ノッテボームは、19世紀ドイツの音楽家。ピアニスト、教育者、音楽編集者、作曲家としてウィーンで活躍した。ベートーヴェンのスケッチブックや遺品を詳細に調査し、彼の研究は現代のベートーヴェン学の基礎を築いた草分け的存在として高く評価されている。
ドイツのピアニスト、作曲家、教育者（1806-1887）。ハンブルクやアルトナで長年教鞭を執り、ブラームスらを育てた名教育者。70を超える作品を残した作曲家としても知られ、管弦楽曲『ベートーヴェンの影』などが評価された。
ウィーン古典派の作曲家であり、重要な楽譜出版業者であったアントン・ディアベリ（1781-1858）。ベートーヴェンの傑作「ディアベリ変奏曲」の主題提供者として名を残し、シューベルトをはじめ多くの作曲家を世に送り出しました。
ドイツ・ロマン派音楽の作曲家・ピアニスト、アドルフ・フォン・ヘンゼルト。故郷ドイツを離れロシア帝国に渡り、指導者・演奏家としてロシア・ピアノ楽派の重要な基礎を築いたことで知られる。
狂詩曲（ラプソディ）は、特定の形式にとらわれず、民族的または叙事的内容を自由に表現する楽曲。異なる楽想を繋ぎ合わせる構造を持ち、既存旋律を引用することも。古代ギリシャ語に由来し、リストやガーシュウィンの作品が有名。
イギリスの作曲家レイフ・ヴォーン・ウィリアムズが1912年から1913年にかけて作曲した、ロンドンの情景を想起させる彼の第2交響曲。度重なる改訂を経て最終形が完成した、作曲家の代表作の一つです。
セシル・シャープは、20世紀初頭のイングランドを代表する民謡・民俗舞踊の収集家、研究者。失われつつあった国の音楽遺産を救済し、その復興に大きな貢献を果たしたが、手法や思想には批判も多く寄せられている。
イングランド初期バロック期の重要人物、マシュー・ロック（1621/2年頃-1677年）。イギリス初のオペラ作曲家とされ、ヘンリー・パーセルら後続世代に強い影響を与えました。革新的な手法で知られます。
イングランド王政復古期初期を代表する「新世代」作曲家の一人、ペラム・ハンフリー。わずか27歳で早逝したが、パーセルら後進に強い影響を与え、その鋭敏で表現豊かな作品と共に、イングランド音楽史における早すぎる損失として記憶されている。
18世紀イギリスの音楽家チャールズ・バーニーは、オルガン奏者、音楽史家、作曲家として活躍。ヨーロッパ各地を旅して音楽史の資料を集め、革新的な旅行記や「一般音楽史」を著した。著名な作家フランシス・バーニーの父でもある。
イタリア盛期バロックの作曲家ジャーコモ・カリッシミは、ローマ楽派の中心的人物として知られます。オラトリオ、室内カンタータ、レチタティーヴォなど声楽分野の発展に多大な貢献をし、後世の音楽家にも強い影響を与えました。
イングランドの作曲家、ジェレマイア・クラーク。鍵盤楽曲『デンマーク王子の行進』（通称『トランペット・ヴォランタリー』）で特に知られる。師ジョン・ブロウ、王室礼拝堂オルガン奏者としての経歴を持つが、悲恋により短い生涯を終えた。
18世紀イングランドの作曲家・オルガニスト、ウィリアム・クロフト。王室礼拝堂やウェストミンスター大聖堂で要職を務め、アン女王追悼音楽やジョージ1世戴冠式音楽を作曲。教会音楽を初めて総譜で出版した『聖歌集』は特に知られ、《葬儀の典礼》は国葬にも用いられた。
ジョン・アイアランドが1930年に作曲した唯一のピアノ協奏曲。ヘレン・パーキンに献呈され、初演後大きな成功を収めるが、現在は演奏機会が減少している。作曲家の叶わぬ恋の背景も持つ作品です。
第二次世界大戦中、イギリス王室属領であったチャンネル諸島が、1940年から1945年にかけてナチス・ドイツの占領下にあった歴史を解説します。フランス侵攻後のイギリスの防衛放棄により始まった占領は、島民に多大な苦難をもたらしました。
ジョン・アイアランドが1932年にブラスバンド選手権のために作曲した「ダウンランド組曲」。サセックスの美しい丘陵地帯を描き、原曲のほか弦楽合奏版など様々な編成で親しまれています。
イングランドを代表するオルガニスト、作曲家、教育者、サー・ウォルター・パラット（1841-1924）。幼少より卓越した才能を示し、王室音楽師範やオックスフォード大学教授などを歴任。オルガン教育に多大な貢献を果たし、チェスプレーヤーとしても知られる。
ドラマティコ（drammatico）は「演劇の」「劇的な」を意味するイタリア語の形容詞。音楽用語としては特に声楽において、重厚で劇的な表現力を特徴とする声質を指します。この声質は、テノールやソプラノなどの声種と組み合わせて用いられます。
イタリアの伝説的バレエダンサー、カルロッタ・グリジ（1819-1899）。「ジゼル」初演の主演として知られ、その輝かしいキャリア、ペローとの関係、世界各地での活躍、そして静かな晩年まで、その生涯をたどります。
カミーユ・サン=サーンスのオペラ・コミック『黄色い王女』は1872年に初演された1幕の作品。当時の流行であったジャポニスムを背景に、日本の幻想に囚われる学生と彼を献身的に愛する女性の恋愛劇が展開する。オランダを舞台に、五音音階を用いた独特の音楽が特徴的だが、初演時の評価は厳しかった。
フランスの作曲家ジョルジュ・ビゼーが1866年に手掛けた全4幕のオペラ・コミック。ウォルター・スコットの小説を基にした作品で、1867年に初演されました。有名な「セレナード」や、「アルルの女」組曲に転用された「メヌエット」を含みます。
1844年に発表されたフェリシアン・ダヴィッド作曲の交響的オード『砂漠』。テノール独唱、男声合唱、管弦楽のための大規模作品で、東方趣味を大胆に取り入れ、初演で熱狂的な成功を収め、後続のフランス音楽に大きな影響を与えた歴史的作品。
音楽学者の井上さつきは、愛知県立芸術大学教授として近代フランス音楽史と日本近代における洋楽器の受容史を深く研究。パリ万博での音楽に着目した博士論文や、日本のヴァイオリン王・鈴木政吉に関する著書で知られ、専門知識を広く伝える活動も行っている。
スロバキア出身、オーストリアを中心に活躍したソプラノ歌手ルチア・ポップ。艶やかで品格ある歌声、卓越した表現力で、特にモーツァルトやR.シュトラウス作品、ドイツ・リートに秀でた。美貌も兼ね備え、20世紀後半のドイツ・ソプラノ界を代表する存在として多くの録音や映像を残した。
イタリア出身のテノール歌手、フランコ・ボニゾッリ（1938-2003）は、1970年代から90年代にかけて活躍しました。突き抜けるような高音と劇場的な表現スタイルで知られ、「最後のプリモ・ウォーモ」と称された個性派で、数々の伝説的なエピソードを残しました。
エドゥアール・ラロ作曲のバレエ作品『ナムーナ』は、1882年パリ・オペラ座で初演。劇的な物語と豊かな音楽が特徴で、ドビュッシーに高く評価された一方で、初演は商業的に振るわず。現在では管弦楽組曲としてよく知られています。
19世紀フランスの重要なオペラ作曲家・評論家、エルネスト・レイエル。アルジェリアでの経験から始まり、ベルリオーズに認められ、『シギュール』で名声を得るも、晩年は音楽評論家として貢献した生涯をたどる。
ベル・エポック期のフランスの作曲家エミール・パラディール（1844-1926）。神童としてパリ音楽院に入学し、16歳でローマ大賞を史上最年少受賞。オペラ《留め金》やオペレッタ《祖国よ》で成功を収める一方、重要な宗教曲も多数作曲した。現在も一部の歌曲や器楽曲が演奏される。
ポーランド出身の指揮者、ウカシュ・ボロヴィチ（1977年生）。ショパン音楽アカデミーで学び、著名な指揮者のアシスタントを務めた後、ポーランド国内の主要オーケストラで活躍。特にポーランド音楽の紹介に情熱を注ぎ、精力的な録音活動で知られる。
フランスのイル＝ド＝フランス国立管弦楽団は、1974年に創設された地域密着型のオーケストラです。パリ郊外アルフォールヴィルを拠点に、首都圏全域で演奏活動を行い、フランス国立管弦楽団とは distinct な団体です。
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