平安時代史料の一覧

平安時代史料一覧

この一覧は、日本の平安時代（794年～1185年）に関する主要な史料をまとめたものです。この時代の歴史、文化、社会を研究する上で不可欠なこれらの史料は、多岐にわたる情報を提供してくれます。

六国史と編年史料

六国史

『続日本紀』: 奈良時代末期から平安時代初期にかけての歴史を記述した勅撰の歴史書。
『日本後紀』: 平安時代初期の歴史を扱っています。
『続日本後紀』: 『日本後紀』に続く時代の歴史を記しています。
『日本文徳天皇実録』: 文徳天皇の治世を記録した書。
『日本三代実録』: 清和、陽成、光孝の三代の天皇の時代を記述しています。

その他の編年史料

『日本紀略』: 六国史を基に編纂された略史。
『類聚国史』: 歴史事実を項目別に分類した書。
『扶桑略記』: 仏教史観を取り入れた歴史書。
『本朝世紀』: 宇多天皇から後三条天皇までの歴史を記した書。
『百錬抄』: 歴史上の出来事を年代順に記述した書。
『大鏡』: 物語形式で平安時代の歴史を語る書。
『栄花物語』: 藤原道長を中心とした一族の栄華を描いた物語。
『愚管抄』: 慈円が書いた歴史観と仏教観を交えた歴史書。
『大日本史料』第1〜3編: 歴史研究に不可欠な史料集。

法令類

『令義解』: 律令の解釈をまとめた書。
『令集解』: 律令の注釈書。
三代格式
『類聚三代格』: 格をまとめたもの。
『弘仁式』: 弘仁期の格式。
『貞観式』: 貞観期の格式。
『延喜式』: 延喜期の格式で、律令制度の具体的な運用を示す。

『儀式』: 朝廷の儀式に関する書。
『新抄格勅符抄』: 格、勅符をまとめた書。
『類聚符宣抄』: 符宣をまとめた書。
『法曹類林』: 法令に関する事例をまとめた書。
『政事要略』: 政治に関する事項をまとめた書。
『朝野群載』: 朝廷や民間に関する様々な記録をまとめた書。

真名日記

真名（漢字）で書かれた日記は、当時の貴族の日常生活や政治的動向を知る上で重要な資料です。以下に代表的なものを挙げます。

『寛平御記』：宇多天皇の日記
『延喜御記』：醍醐天皇の日記
『貞信公記』：藤原忠平の日記
『吏部王記』：重明親王の日記
『九暦』：藤原師輔の日記
『天暦御記』：村上天皇の日記
『親信卿記』：平親信の日記
『小右記』：藤原実資の日記
『権記』：藤原行成の日記
『御堂関白記』：藤原道長の日記
『左経記』：源経頼の日記
『寛弘御記』：一条天皇の日記
『春記』：藤原資房の日記
『範国記』: 平範国の日記
『長暦御記』: 後朱雀天皇の日記
『水左記』: 源俊房の日記
『後冷泉天皇御記』：後冷泉天皇の日記
『帥記』：源経信の日記
『江記』：大江匡房の日記
『延久御記』：後三条天皇の日記
『後二条師通記』: 藤原師通の日記
『中右記』: 藤原宗忠の日記
『長秋記』：源師時の日記
『白河天皇御記』：白河天皇の日記
『殿暦』：藤原忠実の日記
『永昌記』：藤原為隆の日記
『堀河天皇御記』：堀河天皇の日記
『法性寺関白記』：藤原忠通の日記
『兵範記』：平信範の日記
『台記』：藤原頼長の日記
『山槐記』：藤原忠親の日記
『玉葉』：九条兼実の日記
『愚昧記』：三条実房の日記
『吉記』：藤原経房の日記
『仲資王記』：白川仲資王の日記

仮名日記

平仮名で書かれた日記は、当時の女性の視点や感情を伝えてくれる貴重な資料です。

『蜻蛉日記』：藤原道綱母による日記。
『紫式部日記』：紫式部による日記。
『和泉式部日記』：和泉式部による日記。

軍記物

『将門記』: 平将門の乱を描いた軍記物語。
* 『陸奥話記』: 前九年の役を描いた軍記物語。


これらの史料は、平安時代の政治、社会、文化、人々の生活を深く理解するための重要な手がかりとなります。研究者はこれらの史料を読み解くことで、過去の出来事を現代に蘇らせ、歴史の教訓を学び取ることができるでしょう。

もう一度検索