渡辺文雄 (俳優)

渡辺文雄は、1929年10月31日に東京都神田区で生まれ、2004年8月4日に74歳で亡くなった日本の俳優、タレント、そしてエッセイストです。東京大学経済学部を卒業後、電通に入社しましたが、その後松竹へ出向し、1956年に映画『泉』で俳優デビューを果たしました。

初期の頃は、その端正な顔立ちからヒロインの相手役を演じることが多かったものの、本人は悪役を演じることに強い意欲を持っていました。1961年に松竹を退社し、創造社を結成してからは、大島渚監督作品の常連俳優として活躍しました。1960年代後半から1970年代前半にかけては、東映のヤクザ[[映画]]でインテリヤクザ役を演じ、その悪役としての存在感は多くの観客を魅了しました。

俳優業と並行して、バラエティ番組にも積極的に出演し、初代『くいしん坊!万才』のリポーターとして、お茶の間でも広く知られるようになりました。また、『遠くへ行きたい』では、長年にわたりリポーターを務め、その出演回数は番組最多を誇ります。これらの番組出演の経験を活かし、食や旅に関するエッセイを多数執筆し、日本エッセイストクラブの会員としても活動しました。

2001年には、飛騨・世界生活文化センターの館長に就任。晩年まで『遠くへ行きたい』や『おもいッきりテレビ』などの番組にゲストコメンテーターとして出演し、その知識と経験を活かして多方面で活躍していました。しかし、2004年6月に体調不良を訴え入院。肝臓癌であることが判明し、入院からわずか2週間後には意識不明となるなど病状は急速に悪化、急性呼吸不全のため亡くなりました。

私生活では、東京・赤坂の料亭『口悦』の女将である渡辺純子と結婚。夫の死後も料亭を経営していましたが、2017年に閉店しました。なお、栃木県知事を務めた渡辺文雄は同姓同名の別人であり、血縁関係はありません。

渡辺文雄は、俳優として数多くの映画やテレビドラマに出演しています。映画では、『青春残酷物語』、『白昼の通り魔』、『博徒解散式』など、幅広いジャンルの作品で印象的な役を演じました。テレビドラマでは、『大河ドラマ』シリーズや『ザ・ガードマン』、『ウルトラQ』、『銭形平次』などに出演しています。

バラエティ番組では、上記した『くいしん坊!万才』や『遠くへ行きたい』のほか、『連想ゲーム』や『アップダウンクイズ』などにも出演し、その多才ぶりを発揮しました。

エッセイストとしては、『渡辺文雄のくいしん坊!万才』、『渡辺文雄のないす・がいど』、『渡辺文雄の旅から旅へ』など、多くの著書を出版しています。これらの著書では、自身の食や旅の経験をもとに、日本の文化や風土に対する深い洞察が描かれています。

渡辺文雄は、その多彩な才能と魅力的な人柄で、多くの人々に愛された人物でした。俳優、タレント、エッセイストとして、日本のエンターテイメント界に大きな足跡を残しました。

主な出演作品は以下の通りです。

映画
俺は死なない (1956)
母と子の窓 (1957)
雲の墓標より 空ゆかば (1957)
青い花の流れ (1957)
黒い河 (1957)
彼岸花 (1958)
眼の壁 (1958)
どんと行こうぜ (1959)
愛と希望の街 (1959)
青春残酷物語 (1960)
日本の夜と霧 (1960)
夢でありたい (1962)
逃亡と掟 (1965)
とべない沈黙 (1966)
白昼の通り魔 (1966)
女の賭場 (1966)
兵隊やくざ 俺にまかせろ (1967)
組織暴力 (1967)
解散式 (1967)
柳ヶ瀬ブルース (1967)
若親分兇状旅 (1967)
やくざ坊主 (1967)
日本暗黒史 情無用 (1968)
博徒解散式 (1968)
嵐に立つ (1968)
絞死刑 (1968)
日本侠客伝 絶縁状 (1968)
帰って来たヨッパライ (1968)
産業スパイ (1968)
無頼非情 (1968)
不良番長 (1968)
ごろつき (1968)
待っていた極道 (1969)
旅に出た極道 (1969)
現代やくざ 与太者仁義 (1969)
少年 (1969)
組織暴力 兄弟盃 (1969)
日本暴力団 組長と刺客 (1969)
血染の代紋 (1970)
無頼漢 (1970)
舶来仁義 カポネの舎弟 (1970)
やくざ刑事 マリファナ密売組織 (1970)
裸の十九才 (1970)
新女賭博師 壷ぐれ肌 (1971)
極悪坊主 飲む打つ買う (1971)
日本侠客伝 刃 (1971)
暴力団再武装 (1971)
ごろつき無宿 (1971)
八月の濡れた砂 (1971)
儀式 (1971)
日本悪人伝 (1971)
博徒斬り込み隊 (1971)
ポルノの帝王 (1971)
ポルノの帝王 失神トルコ風呂 (1972)
関東テキヤ一家 浅草の代紋 (1971)
現代ポルノ伝 先天性淫婦 (1971)
麻薬売春Gメン (1972)
子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる (1972)
傷だらけの人生 古い奴でござんす (1972)
徳川セックス禁止令 色情大名 (1972)
昭和おんな博徒 (1972)
女囚701号 さそり (1972)
女囚さそり 第41雑居房 (1972)
桜の代紋 (1973)
やくざ対Gメン 囮 (1973)
釜ケ崎極道 (1973)
激突! 殺人拳 (1974)
まむしの兄弟 二人合わせて30犯 (1974)
山口組外伝 九州進攻作戦 (1974)
唐獅子警察 (1974)
三代目襲名 (1974)
わが道 (1974)
あさき夢みし (1974)
日本任侠道 激突篇 (1975)
まむしと青大将 (1975)
新幹線大爆破 (1975)
告訴せず (1975)
東京湾炎上 (1975)
動脈列島 (1975)
東京ディープスロート夫人 (1975)
日本の首領 野望篇 (1977)
日本の首領 完結篇 (1978)
野性の証明 (1978)
ヒポクラテスたち (1980)
キッドナップ・ブルース (1982)
鍵 (1983)
首都消失 (1987)
ドグラ・マグラ (1988)
サンクチュアリ (1995)
修羅がゆく6 東北激闘篇 (1997)
修羅のみち4 北九州代理戦争 (2002)

テレビドラマ
松本清張シリーズ・黒の組曲
文芸劇場／にっぽん製
七人の刑事
武田ロマン劇場／共犯者
美しい星
次郎物語
大河ドラマ
ザ・ガードマン
ウルトラQ
ウルトラセブン
松本清張シリーズ／熱い空気
銭形平次
新吾十番勝負
素浪人 月影兵庫
ローンウルフ 一匹狼
風
光速エスパー
バンパイヤ
上方武士道
五番目の刑事
木下恵介・人間の歌シリーズ／俄 －浪華遊侠伝－
男は度胸
キイハンター
大岡越前
弥次喜多隠密道中
シークレット部隊
眠狂四郎
隼人が来る
アイフル大作戦
唖侍 鬼一法眼
非情のライセンス
荒野の素浪人
ふりむくな鶴吉
バーディー大作戦
傷だらけの天使
座頭市物語
破れ傘刀舟 悪人狩り
剣と風と子守唄
土曜ドラマ
東芝日曜劇場
NHK特集／明治の群像 海に火輪を
大追跡
白い巨塔
柳生一族の陰謀
新婚プラス1
土曜ワイド劇場
もず
木曜ゴールデンドラマ
裸の大将放浪記
ただいま放課後
発車オーライ
海にかける虹〜山本五十六と日本海軍
探偵物語
サントリー・ドラマスペシャル／失われた時の流れを
渡る世間は鬼ばかり
ジェラシー
この愛に生きて
静かなるドン
大地の子
おいしい関係
月曜ドラマスペシャル
女と愛とミステリー／純情商店街 ゆうれい殺人事件
金融腐蝕列島「再生」

吹き替え
わが道を行く
八点鐘が鳴るとき

バラエティ・クイズ・情報番組
連想ゲーム
遠くへ行きたい
くいしん坊!万才
おはようしずおか
クイズ列車出発進行
アップダウンクイズ
そこが知りたい

著書
『渡辺文雄のくいしん坊!万才』
『渡辺文雄のくいしん坊旅行』
『渡辺文雄のないす・がいど』
『渡辺文雄の続くいしん坊!万才』
『渡辺文雄のごちそう手帖』
『渡辺文雄の旅から旅へ』
『あの味この味・ふる里隠れ味』
『百歩百味・日本の味』
『美味は海にあり』
『風景・三六〇度』
『甘口辛口・足まかせ』
『人間が大好きだ テレビ的人生論カタログ』
『小さなつむじ風 旅・食・人』
『江戸っ子は、やるものである。』
『地酒で乾杯 とちぎに生きる』
『渡辺文雄のおいしい魚の話』
『「日本の味」雑学おもしろ話』
『美味・列島縦断 本物を求めて』
『舌つづみ各駅停車 こんなところにこんな味』
『味な旅があるものだ 足の向くまま百味百想』
『道 たびびと日記』
『なっとく!味のすぐれもの』
『地酒で乾杯 続』
『旅でもらったその一言』
『渡辺文雄の味はつらつ』
『あっちへ行ったりこっちを見たり 諸国探訪・俳諧記』
『渡辺文雄のどこへ行っても美味珍味』
『渡辺文雄の仕事部屋訪問 対談集』
『仕事の原点 : 渡辺文雄の職人紀行 対談集』
* 『わたしの旅人生「最終章」』

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