背炙山公園野草ゾーン

背炙山公園野草ゾーン

背炙山公園野草ゾーンは、福島県会津若松市街地の東部に位置する背炙山公園内にあるミニ野草園です。猪苗代湖の西部に位置し、豊かな自然に囲まれたこの場所は、四季折々の野草を観察できる貴重なスポットとして親しまれています。

概要

背炙山公園は、1956年に都市公園（風致公園）として整備され、会津東山自然休養林の一部を構成しています。かつては東山温泉からのロープウェイやリフトが運行していましたが、1985年に廃止されました。現在は福島県道東山温泉線が通じていますが、冬季（通常12月から翌年4月下旬まで）は閉鎖されます。

背炙山公園内に大規模な植物園を設置する計画がありましたが、実現には至りませんでした。しかし、ツツジやシャクナゲの植栽は継続して行われてきました。2006年秋、行政と市民の協働により、背炙山公園の一角にミニ野草園として背炙山公園野草ゾーンが開設され、2007年春から一般公開されています。

野草ゾーンは、背炙山レストハウス駐車場に隣接する標高約820mの日当たりと水はけの良い南西向き斜面に位置しています。長年にわたり草刈りなどの人為的な管理が行われてきたススキ草原、シバ草原であり、約0.3haのエリアに約200種類の野草が自生しています。遊歩道や写真掲示板が整備されており、散策しながら植物観察を楽しめます。県道閉鎖期間中は、野草ゾーンとレストハウスも閉鎖されます。

季節の花

背炙山公園野草ゾーンでは、季節ごとに様々な花が咲き誇ります。

5月: アズマギク、エゾタンポポ、セイヨウタンポポ、フキ、ミツバアケビ、オオヤマザクラ、キジムシロ、ミツバツチグリ、サルトリイバラ、フデリンドウ、オキナグサ、スミレ、タチツボスミレ、タガネソウ
6月: アヤメ、フナバラソウ、オニアザミ、ノアザミ、オカオグルマ、ハナニガナ、セイヨウノコギリソウ、フランスギク、ハルジオン、ウマノアシガタ、コナスビ、タツナミソウ、ガマズミ、タニウツギ、ヤマツツジ、レンゲツツジ、ツルウメモドキ、ナナカマド、ホタルカズラ、アマドコロ、ミヤマナルコユリ、スズラン、ヒメハギ
7月: カワラマツバ、スズサイコ、ホタルブクロ、カセンソウ、ヒメジョオン、ママコナ、オカトラノオ、ウツボグサ、タカトウダイ、ドクダミ（八重咲き）、ノハラナデシコ、ナワシロイチゴ、トリアシショウマ、オオバギボウシ、タケニグサ
8月: メマツヨイグサ、アカバナ、オトギリソウ、オミナエシ、キキョウ、フクシマシャジン、ツリガネニンジン、シラヤマギク、ヒヨドリバナ、ヤナギタンポポ、コウゾリナ、ヤマハハコ、アキカラマツ、クサボタン、クルマバナ、イブキボウフウ、ノダケ、カワラナデシコ、オオナンバンギセル、ヤマハギ、コオニユリ、ヤマユリ、ネジバナ、ヤマアワ、オニドコロ、ツユクサ
9月: ススキ、アキノキリンソウ、ナンブアザミ、ノハラアザミ、モリアザミ、オケラ、シロヨメナ、ゴマナ、ノコンギク、キクアザミ、オヤマボクチ、ユウガギク、サラシナショウマ、オクトリカブト、ナギナタコウジュ、フシグロ、キンミズヒキ、ワレモコウ、センブリ、ウメバチソウ、ツルリンドウ
10月: リンドウ、フユノハナワラビ（シダ類）、ガマズミ（実）、ナナカマド（実）、ヤマブドウ（実）、エビヅル（実）、ノブドウ（実）、コマユミ（実）、サルトリイバラ（実）、ツルウメモドキ（実）

その他の野草

背炙山公園内には、他にも多様な野草が生育しています。林下の緑陰や湿地を好む植物は、公園内の「裏山」にあたる山頂付近や沢沿いの「岩杉山遊歩道」「水沢遊歩道（上級者向け登山道）」で見られます。スミレサイシン、ニリンソウ、ムラサキケマン、ヤマエンゴサク、チゴユリ、キバナイカリソウ、アズマイチゲ、キクザキイチゲ、ヒトリシズカ、フタリシズカ、サイハイラン、カタクリ、ショウジョウバカマ、エンレイソウ、ツクバネソウ、ウスバサイシン、クルマバハグマ、オクモミジハグマ、センダイトウヒレン、ヒメシロネ、コバギボウシなどがその例です。

日当たりの良い湿原に生育する植物は、公園外の会津東山自然休養林内の湿原で見られます。ノハナショウブ、ミズチドリ、カキラン、キセルアザミ、サワアザミ、タチアザミ、サワオグルマ、サワヒヨドリ、クサレダマ、ヌマトラノオ、ハッカ、エゾミソハギ、ミツガシワ、チダケサシ、アケボノソウ、エゾリンドウの他、シダ類、イネ科、カヤツリグサ科の植物も生育しています。

背炙山公園野草ゾーンは、自然観察やハイキングに最適な場所です。ぜひ一度訪れて、豊かな自然を満喫してください。

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