清代の実学者、章学誠の生涯と業績を紹介する記事です。科挙に合格後も官職に就かず、独自の史学理論を展開した彼の思想、そして、その後の評価について詳しく解説します。考証学への批判や『文史通義』などの著作にも触れ、彼の学問的貢献を多角的に考察します。
中国戦国時代の斉で活躍した稷下の学士について解説します。数百～千人もの学者たちが集まり、学問・思想の研究に没頭した様子や、百家争鳴の時代を彩った彼らの活躍、そして魏の文侯の人材登用政策との関連性などを詳しく掘り下げていきます。
『直斎書録解題』は、南宋の陳振孫が著した書目解題で、約3000種、5万巻以上の蔵書を四部五十三類に分類して収録。版本や評価、入手経路などの詳細な情報を記した、中国の文献学や目録学研究に欠かせない貴重な資料です。清代の『四庫全書』編纂時に『永楽大典』から輯録され、現在広く用いられている22巻本が成立しました。
町田三郎氏は、日本の中国哲学研究の第一人者として知られる九州大学名誉教授です。群馬県生まれの町田氏は、東北大学、九州大学で教鞭をとり、多くの著書や翻訳を通して中国哲学の発展に貢献しました。本稿では、その生涯と業績について詳細に解説します。
戦国時代の斉の思想家、田駢の生涯と思想、そして彼を取り巻く環境について解説します。稷下学宮での活躍や、ユニークな逸話を通して、その人物像に迫ります。田駢の知略と影響力を、歴史的史料に基づいて多角的に考察します。
明治時代に活躍した文芸評論家、思想家、田岡嶺雲の生涯と業績を紹介する記事です。自由民権運動への参加から、文芸評論、ジャーナリスト、教育者としての活動、そして数々の著作や獄中生活、晩年の闘病まで、波乱に満ちた人生を多角的に解説します。獄中や病床にあってもなお、表現の自由を貫き、社会正義を訴え続けた、稀代の知性と情熱の持ち主の軌跡をたどります。
王戎は、三国時代から西晋にかけて活躍した政治家・軍人です。竹林の七賢の一人として知られ、幼少期からその才能を認められていましたが、吝嗇家としても有名でした。数々の逸話が残る生涯と、その複雑な人物像について解説します。
清末の儒学者・郷紳、王先謙(1842-1917)の生涯と業績を紹介する記事です。進士に及第後、翰林院で活躍、その後郷里に戻り嶽麓書院院長を務めました。古文辞の研究で知られ、多くの書籍を編纂。戊戌の変法にも関わり、科挙廃止や西洋科学導入を主張するなど、近代中国の変革期に重要な役割を果たしました。
「熊」は中国の漢姓の一つであり、人口の多い姓として知られています。この記事では、熊姓の起源、歴史上の人物、そして中国と台湾における人口統計を詳細に解説します。春秋戦国時代の楚王家との関わりや、近現代の著名な熊姓の人物像も紹介します。
明代の儒学者・歴史家、焦竑(しょうこう)の生涯と業績を紹介する記事です。科挙でトップの成績を収め、高官に上り詰めたものの、弾劾を受け左遷。晩年は辞官し、膨大な蔵書と多岐にわたる著作で知られました。80歳で亡くなった後も、その功績は称えられています。
中国で古くから著された漢文で書かれた書籍、漢籍について解説します。漢籍の定義、分類、出版方法、装丁など多角的に解説することで、漢籍研究の全体像を理解できる内容となっています。中国、日本における漢籍の扱いについても触れ、歴史的背景も踏まえた詳細な解説が期待できます。
中国古代の知識人たちが行っていた哲学的な談話、清談について解説します。老荘思想を題材とした議論や、その背景にある政治情勢、そして西晋滅亡への影響まで、詳しく掘り下げていきます。竹林の七賢の逸話なども交え、古代中国の知性と政治の関わりを考察します。
江戸時代後期の儒学者・経世家、海保青陵の生涯と思想を紹介。遊学を通して培った経済観念や、近代経済学に通じる思想、そして独自の「大仁」の概念を解説。その波乱に満ちた人生と、後世への影響にも迫ります。
中国哲学を専門とする東北大学名誉教授、浅野裕一氏に関する解説記事です。氏の経歴、研究活動、主な著作物を詳細に記述し、中国古典研究における貢献を分かりやすくまとめました。中国哲学、特に諸子百家思想の研究に長年携わってきた氏の足跡をたどります。
汪中（おうちゅう、1745年-1794年）は、清代の著名な儒学者・考証学者です。経学に深い造詣を持ち、宋学と漢学の両方を融合した独自の考証学を確立しました。韓愈や欧陽脩らの文風を踏まえつつ、漢魏六朝風の文章を駆使した作品は高く評価され、特に『老子』や『墨子』の研究で大きな功績を残しました。四庫全書の校訂にも携わるなど、清代学問の発展に大きく貢献した人物です。
池田知久氏は、先秦思想、特に易を専門とする日本の中国思想学者です。東京大学名誉教授を務め、数々の著書や共編著を発表されています。代表的な著作には『荘子』や『淮南子』の翻訳・注釈書があり、中国古典の研究に大きく貢献しています。
魏の正始年間(240年～249年)に興隆した、独特の学風「正始の音(せいしのおん)」について解説します。老荘思想と儒教経典解釈を融合させた、玄学清談の隆盛を特徴とし、竹林の七賢へと繋がる重要な文化的潮流でした。その背景や代表的な人物、思想的特徴を詳しく掘り下げ、正始の時代の知的な雰囲気を明らかにします。
戦国時代の思想家、楊朱の思想と生涯について解説します。自己中心的な考え方を主張した楊朱は、儒家や墨家とは異なる独自の立場から、人間の欲望や自己満足について論じました。その思想は断片的にしか伝わっていませんが、現代の哲学研究においても、古代ギリシアのエピクロスと比較されるなど、重要な位置を占めています。
『校讐通義』は、清朝の学者・章学誠が著した校讐学に関する重要な文献です。書物の分類にとどまらず、その源流や系統を徹底的に究明する必要性を説き、分類自体を一つの学問的成果とすることを主張しています。本書は『文史通義』と並び、章学誠の代表作として高く評価されています。乾隆44年（1779年）に成立しましたが、現在は1巻が失われて3巻が現存しています。目録学や書誌学に深い関わりを持ち、古典研究に新たな視点を提供した歴史的価値の高い文献です。
南宋の儒学者、林希逸(1193-1271)とその著作『三子口義』を中心に、その生涯、学問、そして日本における受容の歴史を解説します。特に江戸時代の儒学者、林羅山による『老子鬳齋口義』の普及と、その後の儒学への影響に焦点を当て、希逸の思想が東西文化交流において果たした役割を明らかにします。
『日本国見在書目録』は、平安時代の初期、藤原佐世によって編纂された日本最古の漢籍目録です。約17000巻もの膨大な漢籍を収録しており、その多くは現存していません。中国の同時代の目録にはない書籍も含まれ、中国学や目録学において貴重な資料となっています。室生寺本が最古の写本として知られ、現代でも影印本で閲覧可能です。
『文選』は、南朝梁の昭明太子蕭統が編纂した中国の代表的な詩文集です。春秋戦国時代から南北朝時代までの文学作品800余点を収録し、後世の文学や科挙に多大な影響を与えました。李善注や五臣注など、数々の注釈書も生まれ、現代でも研究が続けられています。日本にも伝来し、国文学にも影響を与えた重要な古典です。
『文献通考』は、中国の政書。上古から南宋寧宗期までの制度を詳細に記した歴史書で、正確な考証と宋代の制度に関する詳しい記述が特徴。馬端臨が著し、宋史や宋会要を補完する史料的価値から、政書の中でも高く評価されている。ただし、寧宗朝までの記述にとどまるのは、当時存在した史料の制約によるものと考えられる。
『文史通義』は、清の章学誠が著した歴史理論書。歴史、文学、哲学、政治など多岐にわたる内容を網羅し、中国史学において『史通』と並ぶ重要な著作と評価されています。古代中国史の研究基盤を築き、地域史の記録方法にも言及した、歴史学に多大な影響を与えた名著です。
日本の文人文化を解説。中国の文人との違い、文人の定義、代表的な文人、研究史、関連文化、参考文献などを網羅した詳細な記事です。江戸時代の文人文化の隆盛から明治期の終焉までを辿り、その歴史的変遷を明らかにします。
江戸中期に隆盛した儒学の一派、折衷学派に関する解説記事です。既存の儒学諸派の長所を統合した穏健な学風、代表的な学者とその著作、寛政異学の禁による弾圧と後の学問への影響、そして主要な人物などを詳述しています。18世紀後半の儒学界の潮流と、その後の学問史における位置づけを理解する上で貴重な情報が満載です。
東洋史学者、川勝義雄氏の生涯と研究業績を紹介する記事です。京都学派の一員として知られ、貴族制研究で著名な論争を繰り広げたことなど、学問的貢献と人物像を多角的に解説します。1922年生まれ、1984年没。
魏の文人、竹林の七賢の一人である嵆康の生涯と業績を紹介する記事です。名利を嫌い、老荘思想に傾倒し、独自の生き方を貫いた彼の波乱に満ちた人生と、音楽や文学への造詣の深さ、そして悲劇的な最期までを詳細に解説します。
北宋の宮廷蔵書である崇文院の書物を網羅した貴重な目録『崇文総目』。その成立から略本、そして現代における研究の歩みまでを詳細に解説。道書や雑史の分類における高い評価と、鄭樵による批判についても考察します。
山田利明氏は、中国哲学と道教を専門とする東洋大学教授です。1947年生まれ。東洋大学卒業後、大正大学で博士号を取得、カリフォルニア大学バークレー校で客員研究員を務めるなど、国内外で活躍。六朝時代の道教儀礼に関する研究で知られ、数多くの著書や論文を発表しています。中国思想史、道教、環境倫理など幅広いテーマを研究対象としています。
山濤(さんとう)は後漢末から西晋にかけて活躍した文人で、竹林の七賢の一人として知られています。貧しいながらも老荘思想を学び、多くの才能ある人物と交流しました。司馬氏に仕え、要職を歴任する一方、友人との深い友情や複雑な政治状況の中で揺れ動く生涯を送りました。79歳で没するまで、魏、西晋両王朝に貢献した人物です。
戦国時代の思想家、尹文とその著作『尹文子』について解説する記事です。名家の一人として分類される一方、道家や墨家、雑家との関連も指摘されています。現存する『尹文子』は後世の偽書とされていますが、古代中国の思想を理解する上で重要な資料となっています。宋子との思想的共通点についても考察します。
春秋時代の伝説的な人物、尹喜（いんき）に関する詳細な解説記事です。老子との関わりや、道教における尊称、著作『関尹子』の真偽問題など、多角的な視点から尹喜の人生と思想、そして後世への影響を多角的に考察します。関尹、関令尹喜といった別名や、道教における尊称である文始先生、無上真人についても解説します。
中国春秋戦国時代の諸子百家の一つ、小説家について解説します。民間の風俗を扱う役人から生まれたとされ、その作品は現存しないものがほとんどです。しかしながら、他の文献からの引用や言及から、その内容や影響を垣間見ることができます。胎教に関する記述もあったとされ、後世の文学にも影響を与えたと考えられています。
江戸時代中期の儒学者・経世家、太宰春台の生涯と業績を紹介。信濃国出身、数々の転々を経て江戸で活躍、独自の経世思想を展開、多くの門弟を育成した。その思想や著作、そして没後も影響を与え続ける足跡をたどります。
「天道」は、太陽の通り道、自然の摂理、天理を意味する言葉。古代中国の天命思想をルーツに、日本独自の天道思想が成立。戦国時代には、神仏習合や儒教思想と融合し、武士や庶民に広く浸透。太陽神信仰や農耕儀礼にも見られ、各地に残る天道信仰は、歴史、文化、信仰の多様な側面を映し出しています。
東洋思想における「天」の概念を多角的に解説した記事です。中国思想における天命思想から、近世日本の儒学や国学における解釈、さらに仏教やキリスト教といった他の宗教における「天」の概念、そしてアイヌ文化における類似概念まで、幅広く論じています。また、天の様々な意味や、宇宙観における天の捉え方についても詳述しています。
中国戦国時代の思想家集団、墨家について解説します。平和主義を掲げながら、軍事面でも活躍した墨家の歴史、思想、そして分裂と消滅までの過程を詳細に記述。墨子の系譜や主要な人物、墨家三派についても触れ、その複雑な実像に迫ります。
坂出祥伸氏(1934-2020)の生涯と業績を紹介する記事。中国哲学、特に道教や養生思想、占術に精通し、関西大学や森ノ宮医療大学で教鞭をとった。数多くの著書や翻訳、共編著を残し、中国思想研究に多大な貢献をした哲学者である。
中国の伝統的な図書分類法である四部分類について解説します。経・史・子・集の四部に分類する仕組みや歴史、各部の詳細、そして現代における位置づけまで、分かりやすく丁寧に説明します。漢籍研究者だけでなく、中国の文化や歴史に興味のある方にもおすすめです。
魏から西晋にかけて生きた文人、向秀の生涯と業績を紹介する記事です。竹林の七賢の一人として知られ、老荘思想を深く理解し、独自の注釈を残した彼の知性と、時代の流れの中で変化していく生き様を詳細に解説します。親友の処刑をきっかけに官界入りした彼の複雑な心境にも迫ります。
古代中国の思想家集団、名家について解説する記事です。彼らの独特な哲学、論理、そして現代における再評価まで、詳細に渡って記述します。白馬非馬といった有名なパラドックスや、他の諸子百家との関係性にも触れ、名家の思想を多角的に探求します。
前漢時代の太史令、司馬談の生涯と業績について解説します。司馬遷の父として知られる人物ですが、彼自身の学識や、歴史書編纂への貢献にも焦点を当て、詳細な情報を提供します。特に、後世に大きな影響を与えた『論六家要旨』についても深く掘り下げて解説します。
南宋の高似孫が著した史書目録『史略』について解説します。中国では失われたものの、日本に現存する貴重な史料であり、その内容、構成、歴史的評価、そして現存する写本の所在などを詳しく記述します。
歴史学における史料批判とは、史料の信頼性や妥当性を多角的に検証する手法です。史料の真偽や作成背景、作者の意図などを分析することで、歴史的事実を正確に解明することを目指します。19世紀ドイツの歴史学がその端緒となり、日本でも20世紀初頭から研究が進展しました。本稿では、史料批判の方法や歴史研究における重要性を解説します。
古代中国における史官の役割と多様な職務について解説します。時代や文脈によって異なる職務内容と、歴史家としての側面、天文学や儀式との関わりなどを詳細に掘り下げ、その多様性と重要性を明らかにします。
中国の叢書に関する解説記事。歴史、代表的な叢書、問題点などを網羅し、中国における叢書の体系や発展、そして現代における研究の現状までを分かりやすく解説します。豊富な情報を基に、叢書研究の入門として最適な一文です。
厳紹璗（げん しょうとう）は、1940年9月生まれ、2022年8月6日没の中華人民共和国の歴史学者です。日本研究、古典文献学、比較文学を専門とし、北京大学教授、香港大学名誉教授などの要職を歴任しました。日中歴史共同研究にも携わり、数々の受賞歴も誇る、日中関係史研究における第一人者でした。
加地伸行氏(1936- )は、著名な中国哲学者であり、大阪大学名誉教授、Z会顧問を歴任しました。数々の著書、翻訳、そして教育活動を通して、中国思想、特に儒教思想の普及に貢献。保守派の論客としても知られています。本稿では、その学術的業績、教育活動、そして社会への発言まで、多角的に人物像を紹介します。
前漢の学者・政治家、劉向の生涯と業績をまとめた記事です。宗室出身の彼は、優れた文章力と博学さで知られ、宮中蔵書の校勘や数々の著作で後世に大きな影響を与えました。数々の権力闘争に巻き込まれながらも、王朝の図書館整理や歴史書の編纂に貢献した波乱万丈な人生を紹介します。
魏から西晋にかけて活躍した文人、劉伶の生涯と逸話をまとめた記事です。竹林の七賢の一人として知られる彼の、型破りな生き様、酒への愛情、そしてユーモラスなエピソードの数々を紹介します。酒徳頌の著者としても有名な劉伶の知られざる魅力に迫ります。
大正時代に活躍した哲学者、前田利鎌の生涯と思想を解説。夏目漱石の末弟子として知られ、禅や荘子、スピノザ、ニーチェなどの思想を研究。数々の著作を残し、32歳で夭逝した彼の足跡を辿る。
中国河南省に位置した要衝、函谷関。秦の孝公が築いた旧関と、漢の武帝が築いた新関の二つの関所が存在し、数々の歴史的出来事や故事の舞台となりました。シルクロードの一部として世界遺産にも登録されています。今回は、函谷関の変遷と歴史的意義について詳しく解説します。
中国の古代史において重要な時代区分である先秦時代について解説します。夏、殷、周の王朝とその変遷、春秋時代と戦国時代の特徴、そして秦による統一までの歴史的流れを、豊富な史料に基づいて詳細に記述します。中国思想や文化の源流を探る上で、必読の内容です。
清末民初の著名な歴史学者・文献学者、余嘉錫の生涯と業績を紹介する記事です。幼少期からの勉学、『四庫提要弁証』の編纂、清史稿の校閲、大学教授としての活動など、激動の時代を生きた学者の足跡をたどり、その人となり、著作、そして後世への影響を多角的に考察します。
伝説的な政治家、伊尹の生涯と功績、そして後世への影響を詳細に解説。夏王朝滅亡と殷王朝の成立に貢献した彼の政治手腕、太甲放逐事件における功罪、そして名臣としての評価を多角的に考察します。歴史的事実と異なる解釈についても触れ、伊尹という人物像を多面的に浮かび上がらせます。
中国古典籍の電子図書館「中国哲学書電子化計画 (CTP)」の概要を紹介。英語・中国語対応で、豊富な文献と検索機能を備え、初心者から研究者まで幅広く利用可能。ウィキ形式の編集機能やAPIによるデータ抽出も可能で、デジタル・ヒューマニティーズ研究にも貢献。
江戸時代中後期を代表する儒学者、中井履軒。懐徳堂学派の中心的存在として活躍し、多岐にわたる学問的業績を残した人物です。経学のみならず、天文学や博物学にも通じ、西洋天文学の導入にも貢献しました。合理的な学風を確立した彼の生涯と業績を詳しく解説します。
上原淳道（1921-1999）は、中国古代史を専門とする日本を代表する中国史学者です。太平洋戦争下の学徒兵経験を経て東京大学教授に就任。中国大陸へ渡ることなく、独自の視点から中国史研究を深めました。独自の私家版刊行物『読書雑記』は知られざる彼の魅力を示す貴重な資料です。晩年は関東学院大学教授も務めました。
『三経義疏』とは、聖徳太子が著したと伝わる『法華義疏』『勝鬘経義疏』『維摩経義疏』の総称です。それぞれ『法華経』『勝鬘経』『維摩経』の注釈書であり、日本最古級の仏教典籍として貴重な史料です。聖徳太子真筆とされる『法華義疏』の草稿は現存し、その成立過程や内容を巡る研究が現在も続けられています。本書の成立には様々な議論があり、中国の仏教典籍との関連性や、太子自身の関与の度合いなど、様々な視点からの解明が待たれます。
『七録』は、中国南朝梁の阮孝緒が私的に編纂した、7つの部に分類された図書目録です。中国の古代図書目録の研究において重要な位置を占め、後世の目録編纂に影響を与えました。本書自体は現存しませんが、唐代の文献からその内容の一部を知ることができます。
中国前漢の劉向・劉歆父子によって編纂された、朝廷蔵書目録『七略』について解説する記事です。現存しないものの、『漢書』芸文志などにその内容の一部が遺されています。分類法や内容、関連文献なども詳しく記述します。
中国南朝宋の王倹が編纂した図書目録『七志』について解説します。現存しないものの『隋書』に記載があり、その規模や分類体系がわかります。仏教や道教の経典も収録され、分類体系の変遷も考察します。
オーストリア出身の物理学者、フリッチョフ・カプラ博士の生涯と業績を紹介する記事です。現代物理学と東洋思想の類似性を指摘した『タオ自然学』で知られ、システム理論、エコロジー、持続可能な社会の実現に貢献しました。数々の著書や活動を通して、世界に大きな影響を与えた人物像に迫ります。
ジェームズ・レッグは、19世紀のスコットランド出身の宣教師にして著名な中国学者です。中国の古典を英語に翻訳した功績で知られ、儒教や道教の理解に多大な貢献をしました。彼の業績は、東西文化交流史において重要な位置を占めています。
フランスの東洋学者アンリ・マスペロの生涯と業績を紹介する記事です。エジプト学者ガストン・マスペロを父に持ち、中国学、ベトナム学、道教研究で著名な学者でしたが、第二次世界大戦中にナチス・ドイツの強制収容所で亡くなりました。彼の研究は現在も高く評価されています。
イギリスを代表する中国学者、A・C・グレアムの生涯と業績を紹介する記事です。ウェールズ生まれの彼は、東洋アフリカ研究学院(SOAS)名誉教授として、中国哲学、特に荘子や中国論理学研究で知られています。多様な研究活動と国際的な活躍の軌跡をたどり、その学問的貢献を明らかにします。
「観測」の多様な意味と、天文学、気象学、社会科学、軍事などにおける具体的な事例、関連用語までを網羅した解説記事です。130文字程度の説明文で、詳細な内容は1000文字以上のマークダウン形式で記述しています。
日本の発達心理学の第一人者、繁多進氏に関する詳細な評伝。横浜国立大学卒業後、東京都立大学大学院で修士課程を修了、同大学より博士号を取得。アタッチメント研究で知られ、数々の著書や翻訳書で日本の育児、教育に貢献した功績を紹介。白百合女子大学名誉教授としての経歴や、主な著書、共編著、翻訳書を網羅。
稲毛教子氏は、日本の著名な発達心理学者であり、東京国際大学名誉教授です。1933年生まれ。東京女子大学卒業後、愛育研究所、日本リサーチセンターなどを経て、国際商科大学（現・東京国際大学）教授に就任。長年にわたり、女性のリーダーシップや乳幼児の発達心理学について研究と教育に携わってきました。数々の著書や論文を発表し、日本の心理学界に多大な貢献をしました。
「発達課題」とは、人が健全な成長を遂げる上で各発達段階で乗り越えるべき課題のこと。教育心理学者のハヴィガーストが提唱し、エリクソンら多くの心理学者が研究。自己と社会への適応に必須で、年齢に応じて課題は変化。エリクソンの理論では、各段階の成功・不成功が次の段階に影響し、生涯にわたる発達を促すことが示されている。各年齢段階における課題の具体例や、近年における社会変化による課題の変化についても解説。
ヒトの発達段階理論とは、児童期の心理的、身体的発達を質的に異なる段階に分類する理論です。個人差や複数の発達領域の同時進行を考慮した様々な理論が存在し、ピアジェの認知発達段階、エリクソンの心理社会的発達段階、フロイトの心理性的発達段階などが有名です。本記事では、これらの理論に加え、その他の代表的な発達段階理論を詳細に解説します。
発達検査とは、乳幼児期から小学生までの発達段階にある子どもの発達状況を評価するための検査です。知能検査や性格検査と同様に、心理学の分野で用いられる重要な検査方法であり、子どもの成長を適切に支援するために役立ちます。この検査を通じて、子どもの発達上の強みや課題を把握し、教育や養育プランの策定に役立てることができます。
産業保健心理学（OHP）は、職場における労働者の健康と幸福を促進する学問分野です。変化する労働環境におけるメンタルヘルス対策、組織活性化のための支援、そして、生産性向上のための職場環境改善に焦点を当てています。欧米諸国では既に確立された学問分野であり、専門教育プログラムや研究機関も数多く存在します。日本においても、OHPの知見は、労働者の健康増進と組織の持続的発展に貢献する上でますます重要性を増しています。
産業・組織心理学は、職場における人間の行動やパフォーマンスを研究する応用心理学の一分野です。産業心理学と組織心理学の2つの分野から成り立ち、人材配置、生産性向上、組織開発など幅広いテーマを扱います。第一次世界大戦、ホーソン実験、産業革新などがこの分野の発展に大きく影響を与えました。
環境心理学は、人間の行動に影響を与える物理的・心理的環境を研究する学問です。物理環境だけでなく、パーソナルスペースや社会関係なども含めた広範な環境と人間の相互作用を科学的に探求し、より人間にとって快適で安全な環境デザインに役立てようとしています。環境問題への関心の高まりとともに、近年ますます注目を集めています。
ルートヴィヒ・ビンスワンガーが創始した精神分析の方法論「現存在分析」を解説。フロイト精神分析学とハイデッガー現象学の融合という独自の視点から、統合失調症など精神病理の理解に迫ります。臨床事例や関連する精神病理学者、日本の精神病理学への影響についても詳細に記述。実存療法との関連性も考察します。
日本の教育学者、無藤隆氏の生涯と業績を紹介する記事です。東京大学、お茶の水女子大学、白梅学園大学での教育活動、数々の政府審議会での貢献、そして保育・幼児教育に関する豊富な著作物を網羅しています。幼児教育、心理学、そして教育方法論における専門性を深く掘り下げ、その影響力の大きさを示します。
「消費者心理」とは、商品やサービスを購入する際の消費者の心理状態を指す経営学用語です。個人的な欲求や社会情勢、流行、リスク認識など、様々な要因が購買行動に影響を与えます。本記事では、消費者心理の定義、具体的な事例、マーケティングへの応用、そして企業が消費者心理を理解することの重要性について解説します。
比較文化心理学は、人間の心の普遍的な側面を解明しようとする学問分野です。文化の多様性の中で、人間の思考や行動、感情に共通する基盤を探求し、文化差が生じるメカニズムを科学的に分析します。世界中の人々の心を理解するための重要な手がかりとなる研究です。
比較心理学は、動物と人間の行動を比較することで人間の心理を解明しようとする学問です。動物の知能や行動を進化論の観点から分析し、人間と動物の共通点や相違点を明らかにします。ダーウィンの弟子、ロマーニズの研究を端緒に発展しましたが、その手法はその後、モーガンの公準で批判も受けています。霊長類など様々な動物が研究対象となります。
柏木惠子氏(1932年7月生)は、日本の著名な心理学者であり、東京女子大学名誉教授です。発達心理学、家族心理学が専門で、幅広い知見に基づき、社会変動と家族、人間の成長を多角的に研究。ジェンダー問題における先鋭的な論客としても知られています。東京大学大学院博士課程修了後、東京女子大学で教鞭をとり、数々の著書・論文を発表。日本学術会議会員も歴任し、瑞宝中綬章を受章。その功績は日本の心理学界に多大なる貢献を果たしました。
日本の著名な心理学者、東洋弘氏(1926-2016)の生涯と業績を紹介する記事です。教育心理学、発達心理学、教育工学における多大な貢献、主要な著書、論文、そして受賞歴など、彼の学問的足跡を詳細にたどります。日本の心理学の発展に大きく寄与した彼の功績を改めて振り返ります。
晩婚化とは、結婚や出産の時期が遅れる傾向のこと。少子化の大きな要因の一つであり、世界的な現象です。本記事では、晩婚化の背景にある社会構造、経済状況、意識の変化などを詳細に解説します。歴史的な視点や、日本と諸外国の比較を通して、晩婚化の実態と課題を多角的に分析します。
文化心理学は、文化と人間の心理的プロセスの相互作用を研究する心理学の一分野です。文化と心は相互に影響しあい、文化は人々の心理に影響を与え、人々は文化を形成するという前提に立っています。歴史、民族心理学、比較文化研究などを経て発展してきた文化心理学の理論と主要な研究者、そして文化心理学の重要性について解説します。
数理心理学は、数学的アプローチを用いて人間の心理を解明しようとする心理学の一分野です。実験データのモデル化や統計解析、さらには複雑な心理現象のコンピュータシミュレーションなど、幅広い手法を用いて研究が進められています。19世紀の精神物理学から始まり、近年ではニューラルネットワークの応用など、常に最先端の数学理論を取り入れながら発展を続けています。本記事では、数理心理学の基礎から最新の研究動向までを詳しく解説します。
政治心理学は、心理学の視点から政治、政治家、政治行動を分析する学際的な分野です。政治と心理学の相互作用を解き明かし、選挙行動、プロパガンダ、権威主義、集団心理など、幅広い政治現象を分析します。歴史的背景から最新の研究成果までを網羅し、政治を理解するための新たな視点を与えます。
この記事では、催眠療法から認知行動療法、家族療法、そして最新のデジタル療法まで、多様な心理療法を網羅的に解説します。各療法の起源、代表的な理論家、主な技法、適用される症状などを分かりやすく説明することで、心理療法への理解を深めることを目指します。さらに、アメリカ心理学会が推奨する療法についても言及し、エビデンスに基づいた最新の知見を紹介します。
フロイトの心理性的発達理論とは、人間の成長段階を5つの時期に分け、各段階での性的発達と人格形成の関係性を説明する精神分析学の理論です。口唇期、肛門期、男根期、潜伏期、性器期の各段階で生じる心理的葛藤が、人格形成に影響を与えるとされます。欧米では発達心理学において重要な理論とされていますが、日本では必ずしも広く知られていません。
家族療法とは、家族全体を対象とした心理療法です。1950年代に欧米で発展し、現在はシステムズアプローチに基づいた治療が主流となっています。家族をシステムと捉え、問題を抱えるメンバーをIPと呼び、家族全体で問題解決を図るアプローチです。様々な学派や著名な研究者、関連資格、学会などが存在します。
実証研究とは、観察や経験に基づき知識を得る方法です。質的・量的なデータ分析を通して、研究者は問いへの答えを導き出します。社会科学や教育など、実験室では検証困難な問いにも対応できるよう、質的・量的アプローチを組み合わせた研究も増加しています。本記事では、実証研究の概念、プロセス、そして関連する概念を詳細に解説します。
学校心理学は、教育現場における児童生徒の心理的支援を専門とする学問です。教育心理学と密接に関連し、アセスメント、カウンセリング、コンサルテーションなどを通して、より良い学習環境の構築を目指します。学校心理士という専門職も存在し、生徒指導、教育相談、特別支援教育など多様な場面で活躍しています。本書では、学校心理学の基礎から応用まで、分かりやすく解説します。
子どもの発達に関する包括的な解説。年齢による発達段階、代表的な発達理論（生態学的システム理論、ピアジェ理論、ヴィゴツキー理論、愛着理論）を分かりやすく説明。専門用語も丁寧に解説し、子どもの発達を多角的に理解するための情報を提供します。
スイスの精神科医カール・ユングが創始した分析心理学（ユング心理学）の概要を解説。集合的無意識や元型といった概念、フロイトとの関係、そして心理学への影響まで、包括的に記述します。
内田伸子氏(1946年生まれ)は、日本の著名な発達心理学・認知心理学の専門家で、お茶の水女子大学名誉教授、文化功労者です。一橋大学、お茶の水女子大学、十文字学園女子大学などで教鞭をとり、多数の著書・共著を発表。心理学研究の発展と人材育成に多大な貢献をしました。筑波大学監事や学校法人理事も歴任した幅広い活動が評価され、2023年には瑞宝重光章を受章しています。
内容分析とは、社会科学における客観的かつ定量的な研究手法。新聞記事やテレビ番組など、様々なメディアコンテンツを分析し、コミュニケーションの内容や効果を解明する。近年はコンピューター技術の発展により、高度な統計分析も可能になり、研究の幅が広がっている。ラスウェルの問いや、Neuendorfによる6部分の定義など、内容分析の基礎概念を解説。
健康心理学は、心理学の応用分野として、心身の健康と関連する諸問題を幅広く扱う学際的な領域です。WHOの健康観に基づき、身体的、精神的、社会的な側面を包括的に捉え、ストレスへの対処法、健康的な生活習慣、疾病予防など多様なテーマを研究対象としています。医療行動科学とも密接に関連し、臨床心理学とは異なるアプローチで健康増進に貢献します。
依田新は、日本の著名な心理学者です。東京帝国大学を卒業後、東京高等師範学校や東京教育大学、名古屋大学、東京大学などで教授を務め、教育心理学、児童心理学の発展に大きく貢献しました。数多くの著書や論文を発表し、日本心理学会理事長なども歴任。戦時下の弾圧も経験するなど、波乱万丈な人生を送りました。
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。