アンゴラ共和国軍

アンゴラ軍

アンゴラ軍は、アンゴラ共和国の軍隊であり、陸軍、海軍、空軍の三軍で構成されています。総兵力は約11万人。国内の安定と領土の維持を主な目的としています。

組織

陸軍: 兵力10万人以上を擁する最大の組織です。
海軍: 3,000人の兵員と哨戒艇を運用する比較的小規模な組織です。
空軍: 戦闘機や輸送機など、ロシア製の装備を中心に7,000人の兵員で運用しています。

また、飛地であるカビンダの独立運動を抑制するため、部隊が展開しており、コンゴ民主共和国とコンゴ共和国にも少数の人員が駐留しています。

歴史

アンゴラ軍の起源は、1974年のカーネーション革命によるポルトガル植民地の放棄に遡ります。当時、最大勢力であったMPLAの軍事組織FALPAを基盤として設立されました。その後、アンゴラ内戦において、UNITAなどの反政府勢力や旧南アフリカ国防軍と激しい戦闘を繰り広げました。

1990年の時点では、73個の旅団を保有し、その中には特殊部隊旅団やコマンド部隊、特殊行動集団（GAE）も含まれていました。2010年には10万人以上の兵力を擁していましたが、そのうち約29,000人が勤務実態のない「幽霊兵士」であるという指摘もされています。

装備

陸軍

陸軍は、様々な種類の装備を保有しています。

歩兵装備: RPG-7、無反動砲（B-10、B-11）、対戦車ミサイル（9K11、9K111）、自動擲弾銃（AGS-17）、AKM、FN FAL、H&K G3、SKSカービン、IMI タボールAR21、マカロフ PM、APS、TT-30 、Vz 61 、Z-45、 Uzi、 DP27、RPD 、 DShK、120mm迫撃砲PM-43 、82mm迫撃砲PM-41など
車両: T-55、T-62、T-72M1、PT-76、PTL-02、BMP-1、BMP-2、BMD-3、BRDM-2、MT-LB、OT-62 TOPAS、EE-11、BTR-152、BTR-60、BTR-80、WZ-551、キャスパー装甲兵員輸送車、BTS-4、Bozena 5、ウラル-4320、ウラル-375D、Star 266、ボルボ C303、KrAZ-6322など
砲: 2S1、2S3、2S7、D-30 122mm榴弾砲、M-46 130mmカノン砲、D-20 152mm榴弾砲、BM-21、BM-24、RM-70など
対空兵器: ZSU-23-4、ZPU-4、ZU-23-2、61-K 37mm対空砲、S-60 57mm対空機関砲、ツァスタバ M55、9K32、9K34 、9K38 イグラ 、FIM-92 スティンガーなど

海軍

海軍は、3,000人の兵員と哨戒艇を擁する小規模な組織です。詳しい艦艇の種類はアンゴラ海軍艦艇一覧を参照ください。

空軍

空軍は、1975年の設立以来、アンゴラ内戦において南アフリカ空軍と交戦しました。ルアンダ、ベラス、クイト、ルアンゴ、ナミベに空軍基地を保有し、MiG-21などのロシア製航空機に加えて、エンブラエル EMB-314などブラジル製、スペイン製、ウクライナ製の航空機も運用しています。ただし、多くの航空機が稼働不能な状態にあると言われています。

主な装備

戦闘機: Su-30、Su-25、Su-22、MiG-21bis、MiG-23、エンブラエル EMB-314
対潜哨戒機: CASA C-212、EADS CASA C-295、セスナ サイテーション I
輸送機: An-12、An-26、An-32、An-72、CASA C-212、EADS CASA C-295、Il-76、クエスト コディアック、MA60
ヘリコプター: アグスタ A109、アグスタウエストランド AW139、Mi-8/17/171、Mi-24/35、ベル 212、SA316
練習機: エンブラエル EMB-312、K-8W、L-29、L-39、ピラタス PC-7、ピラタス PC-9、Su-27
防空兵器: S-75、S-125、2K12、9K31、9K33、9K35

現状と課題

アンゴラ軍は、内戦終結後も国内の安定維持に重要な役割を果たしています。しかし、「幽霊兵士」問題や装備の老朽化など、多くの課題も抱えています。今後の近代化と効率化が求められています。

関連項目

アンゴラ

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