Iウィジェット

iウィジェット：携帯電話に小さなアプリを配置する革新的なサービス

2008年冬、NTTドコモは携帯電話向けサービスとしてiウィジェットを提供開始しました。これは、パソコンで広く利用されているウィジェットを携帯電話で実現した画期的なサービスでした。待受画面に時計や電卓、株価情報、スポーツニュースといった様々な情報を表示する小さなアプリ（ウィジェット）を複数配置し、手軽に情報にアクセスできる点が大きな魅力でした。

iウィジェットの仕組みと機能

iウィジェットは、端末に搭載された専用のキー（多くの機種では［W］キー）を押すことで、通常の待受画面とウィジェット画面を切り替えて利用できました。ウィジェット画面を表示するだけで、配置されているウィジェットの情報は自動的に最新の状態に更新されます。最大8個のウィジェットを同時に表示することができ、ユーザーは自分の好みに合わせて自由に配置を変更することができました。

iウィジェットは、iアプリの一種であり、Javaプログラミング言語を用いて開発されていました。そのため、iアプリと連携することで、ウィジェットの機能を拡張することも可能でした。例えば、特定のiアプリと連携することで、ウィジェットから直接そのiアプリを起動したり、iアプリの情報をウィジェットに表示したりといったことが実現できました。

利用料金と対応機種

iウィジェット自体の利用料金は無料でしたが、一部のウィジェットは有料コンテンツを提供していました。株価情報や特定のニュースサイトの情報を表示するウィジェットなどが有料であったケースがあります。

対応機種は、docomo STYLE series、docomo PRIME series、docomo SMART series、docomo PRO seriesなど、多くのNTTドコモ製携帯電話端末を網羅していました。機種によっては、対応していない場合もありましたが、富士通製の端末など一部機種でも利用可能でした。具体的な対応機種は、docomo STYLE series（F-08A、N-02A、N-08A、P-02A、P-08A、SH-05A、SH-08A、F-02B、F-07B、F-08B、N-01B、N-03B、N-05B、P-02B、P-06B、SH-02B、SH-04B、SH-05B、SH-06B、SH-08B、F-02C、F-04C、F-05C、L-01C、N-01C、N-02C、P-02C、SH-02C、SH-04C、SH-11C、F-10C、P-04C、P-06C、L-10Cなど）、docomo PRIME series（F-01A、F-03A、F-09A、N-01A、N-06A、N-07A、P-01A、P-07A、SH-01A、SH-03A、SH-06A、F-01B、F-04B、F-06B、N-02B、N-04B、P-01B、P-04B、SH-01B、SH-07B、F-01C、N-03C、P-03C、SH-01C、SH-10C、F-09C、CA-01C、P-05Cなど）、docomo SMART series（N-09A、P-09A、F-03B、N-04A、N-07B、SH-09B、F-03C、P-01C、F-11C、N-05Cなど）、docomo PRO series（SH-04A、SH-07A、N-08B、SH-03B、L-03C、SH-05C、SH-06Cなど）など、多数の機種が対応していました。

他社の類似サービス

NTTドコモのiウィジェット以外にも、他社からも同様のサービスが提供されていました。例えば、auのau one ガジェット（KCP+端末対応）やソフトバンクモバイルのモバイルウィジェット（SoftBank 931SH以降の一部機種対応）などが挙げられます。これらのサービスも、待受画面に小さなアプリを配置して利用できるという点で、iウィジェットと共通の特徴を持っていました。

iウィジェットは、その後のスマートフォン時代の到来により、次第に利用者が減少していき、現在はサービスを終了しています。しかし、待受画面をカスタマイズし、手軽に情報にアクセスできるというコンセプトは、現在のスマートフォンのウィジェット機能にも受け継がれています。

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