オーストリアの作曲家フランツ・シューベルトが遺したピアノ独奏のための重要な作品に「4つの即興曲」があります。この名称は主にD899（作品90）とD935（作品142）という二つの独立した曲集を指し、それぞれ四つの楽章で構成されています。即興的な性格と構成美を兼ね備え、彼のピアノ音楽の代表作として親しまれています。
ハンガリーの首都ブダペストに本拠を置くオーケストラ。イヴァン・フィッシャーによって設立され、音楽家による自主運営が特徴。国際的な評価も高く、革新的な公演や質の高い録音で知られる。世界の主要オーケストラの一つに数えられる実力派。
クロタル（クロテイル）は、体鳴楽器に分類される古代起源の打楽器です。欧米では「鉄のカスタネット」とも称され、小さなシンバル一対を柄に付けて演奏します。宗教儀式や神話にも登場しますが、アンティークシンバルやシストラムとは異なる楽器です。
フランスの作曲家アンドレ・ジョリヴェが1947年に完成させた、電子楽器オンド・マルトノを独奏楽器とするための協奏曲。独特の音色を持つ楽器と管弦楽が織りなす神秘的な響きが特徴で、ギリシア神話のオルフェウスに着想を得た構成を持つ意欲的な作品です。約22分の演奏時間を要します。
スウェーデン出身の著名な映画監督・脚本家（1930-1997）。ベルイマン、トロエルと共にスウェーデン映画界の三大巨匠の一人として国際的に評価され、『みじかくも美しく燃え』など多くの優れた作品を発表しました。
デンマーク南部のバルト海に位置する島。フュン島の南隣にあり、面積約70平方キロメートル。2006年時点で人口約6,111人。橋で周辺島や本土と結ばれており、南側の海域はラムサール条約湿地に指定されている。
東京都新宿を拠点とする日本の劇団。1971年創設の「はみだし劇場」を前身とし、1990年に名称変更。主宰・外波山文明のもと、新宿花園神社での野外劇や劇場公演を通じ、社会や人間の本質に切り込む「毒」のある独自の演劇活動を展開。長年の野外劇に幕を下ろし、新たな体制での活動を模索している。
2013年のアメリカ映画。トッド・ロビンソン監督、エド・ハリス主演で贈る戦争サスペンス。東西冷戦下の1968年、ソ連の弾道ミサイル潜水艦「K-129」がハワイ沖で謎の沈没を遂げた実話に着想を得て、その裏に隠された秘密作戦と、閉鎖された艦内で繰り広げられる乗組員のドラマを描く。
2013年製作のアメリカ映画『デンジャラス・バディ』は、正反対の個性の女性捜査官二人が、凶悪な麻薬組織を追うアクションコメディ。サンドラ・ブロックとメリッサ・マッカーシーが共演し、ユーモアとスリル満載のバディムービーを展開。
2011年のベルギー映画『闇を生きる男』（Rundskop）。ミヒャエル・R・ロスカム監督・脚本作。畜産業界の闇と過去の暴力に苛まれる男の壮絶な物語。第84回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート。
過酷な境遇に置かれた青年が社会奉仕活動でウイスキーと出会い、自身のテイスティング才能を開花させていくヒューマンドラマ。ケン・ローチ監督による、2012年のイギリス・フランス・ベルギー・イタリア合作コメディ映画。
2012年フランス製作、アリス・ウィノクール監督による恋愛映画。19世紀の神経科医ジャン＝マルタン・シャルコーと患者オーギュスティーヌの、医師と患者の関係を超えた実話に着想を得た作品。主演はヴァンサン・ランドンとソーコ。
2012年に公開されたニコライ・アーセル監督のデンマーク映画。18世紀のデンマーク王宮を舞台に、精神を病んだ国王、その若き王妃、そして啓蒙思想を信奉する侍医による史実に基づいた愛憎と政治闘争を描くドラマです。
夕食会に集まった友人たちが、生まれてくる子の名前を巡って大論争を繰り広げるフランス・ベルギー製作のコメディ映画。アレクサンドル・ド・ラ・パトリエールとマチュー・デラポルトが自身の舞台劇を監督・映画化。セザール賞助演賞を受賞した。日本未公開。
フランスの映画監督、脚本家、オペラ演出家、ブノワ・ジャコ（1947-2024）。1975年に監督デビュー後、独自の映像世界を築き、カンヌ映画祭審査員も務めた。オペラの分野でも活躍したが、晩年に性的暴行の告発を受け、波乱に満ちたキャリアを終えた。
フランスの多才なエンターテイナー、パトリック・ブリュエル。歌手、俳優、ポーカープレイヤーとして活躍し、特に1990年代には「ブリュエルマニア」と呼ばれる社会現象を巻き起こすほどの人気を誇りました。
デンマーク出身の映画監督、ニコライ・アーセル（1972年生）。『ロイヤル・アフェア』でベルリン国際映画祭銀熊賞（脚本賞）を受賞。同作は国際的な映画賞に多数ノミネートされ、彼の脚本家・監督としての才能を世界に知らしめた。
1950年代フランスを舞台に、田舎娘が秘書として採用された条件は、タイプ早打ち大会での優勝だった！鬼コーチの特訓を受け、世界一を目指す主人公の奮闘と恋を描く、レトロでキュートなフレンチロマンチックコメディ。
フランスを拠点に多角的な活動を展開する映画人、ステファヌ・ブリゼ（1966年生まれ）。レンヌ出身で、パリで舞台やテレビを経て映画界へ。2015年の『ティエリー・トグルドーの憂鬱』でカンヌ国際映画祭に出品され、主演のヴァンサン・ランドンが男優賞を受賞したことで知られる。
フランスの女優ジュディット・シュムラ（1985年-）。300年以上の歴史を持つ国立劇団コメディ・フランセーズで活躍する傍ら、映画・テレビでも存在感を示す。リュミエール賞受賞、セザール賞ノミネートなど、その確かな演技力で高い評価を得ている。
フランスを代表する俳優、脚本家、ジャン＝ピエール・バクリ。妻であり映画監督のアニエス・ジャウィと組んで、数々の作品で脚本・出演を手がけ、独自のコメディスタイルを確立。『恋するシャンソン』でセザール賞助演男優賞受賞。共同脚本ではセザール賞4度など多数受賞し、フランス映画界に大きな足跡を残した。
ウルスラ・メイエが監督した2012年のスイス・フランス合作ドラマ映画。第62回ベルリン国際映画祭で銀熊賞（特別表彰）を受賞し、第85回アカデミー賞外国語映画賞のスイス代表にも選ばれた国際的な評価の高い作品です。
2012年公開のフランス映画『カミーユ、恋はふたたび』は、離婚を突きつけられた40代の女優が突如過去へタイムスリップし、若き日の夫と再会して人生を見つめ直すファンタジードラマ。過去に戻ることで、失った時間や関係性、そして自分自身と向き合う機会を得る物語。
フランス出身の女優、エディット・スコブ（1937-2019）は、60年を超える息の長いキャリアを築いた。ジョルジュ・フランジュ監督作などで印象を残し、セザール賞助演女優賞にも二度ノミネートされた名優。
パリのシャンゼリゼ通りに位置し、華麗なディナーショーで世界を魅了した名門キャバレー、リド。第二次世界大戦前から始まり、多くのスターや観客に愛されたが、長年の経営難を経て2022年にその歴史に幕を下ろした。
フランス出身の著名な俳優ピエール・アルディティ氏（1944年12月1日生まれ）。画家である父とベルギー人の母を持ち、長年にわたりフランスの映画・舞台などで幅広く活躍しています。
イタリアの映画監督ルイジ・スカッティーニ（1927年5月17日 - 2010年7月12日）は、主に20世紀後半から21世紀初頭にかけて活動しました。彼の生涯と作品について、入手可能な情報に基づいて解説します。
小川洋子の同名小説を原作とする、2005年のフランス映画。炭酸飲料工場での事故で指を失ったイリスは、記憶の品を標本にする奇妙な工房で働くことに。そこで出会った標本士に惹かれていくイリスの姿を、幻想的かつ不穏な空気感で描くカルト的な人気を誇る作品。主演は映画初出演のオルガ・キュリレンコが務めた。
2008年にフランスで放送開始されたTVドラマ『猟犬たちの夜』。パリ警視庁の精鋭たちの活躍を、元警察官が手掛けたリアルな脚本で描く。旧パリ司法警察局の所在地「オルフェーヴル河岸36番地」を冠するタイトルも特徴。続編も制作された人気シリーズ。
天才作曲家モーツァルトの姉ナンネルを描く2010年のフランス映画。並外れた音楽的才能を持つも女性ゆえに活躍の場を閉ざされ、弟の影で生きるしかなかった哀しい運命を描いた伝記ドラマ。
『いのちの戦場 -アルジェリア1959-』は、2007年製作のフランス映画。1959年のアルジェリア戦争を舞台に、赴任したばかりの若きフランス軍将校が直面する過酷な現実と内面の葛藤を描く重厚な人間ドラマ。
ベルギー出身の女優、デボラ・フランソワ。ダルデンヌ兄弟の『ある子供』で鮮烈なデビューを飾り、国際的に注目を集めました。セザール賞やロミー・シュナイダー賞を受賞するなど、若くして実力を認められ、幅広い役柄を演じています。日本映画への出演経験もあり、その才能は国境を越えています。
2008年製作のフランス・ドイツ・チェコ合作映画。1930年代パリの下町を舞台に、閉館したミュージック・ホール「シャンソニア劇場」を巡る人々、特に裏方だった男が、息子との絆を取り戻すために劇場再建に奔走する姿を、美しいシャンソンに乗せて描いた感動作。
『ラルゴ・ウィンチ 宿命と逆襲』は2008年のフランス・ベルギー合作アクション映画。億万長者の跡取り息子ラルゴが主人公と推測される作品で、日本では2012年にビデオスルーとしてリリースされた。トメル・シスレー、クリスティン・スコット・トーマスらが主要キャストを演じる。
2011年フランスの犯罪映画。実在した強盗団「リヨンの男たち」の元メンバー、エドモン・ヴィダルの激動の半生を、友情と裏切り、そして過去との訣別を描きながら綴る。監督オリヴィエ・マルシャル、主演ジェラール・ランヴァン、チェッキー・カリョ。
2002年にフランスで製作された映画『ひめごと』（仏題：Choses secrètes）は、批評家から高い評価を受けた作品です。フランスの権威ある映画雑誌『カイエ・デュ・シネマ』が選ぶ年間ベスト10において、アッバス・キアロスタミ監督の作品と並び第1位を獲得しました。この評価は、本作がその年の最も重要な映画の一つとして広く認識されたことを示しています。
コソボ共和国出身の女優、アルタ・ドブロシ。ダルデンヌ兄弟監督作「ロルナの祈り」主演で国際的な注目を集め、その後の活躍によりベルリン国際映画祭シューティング・スター賞を受賞するなど、ヨーロッパ映画界で確固たる地位を築いています。
イタリア出身でフランスを中心に活動する女優・映画監督。トリノに生まれ、パリで演劇を修めた後、1986年に映画デビュー。俳優としてセザール賞を受賞し、監督としても知られる。妹は元仏大統領夫人カーラ・ブルーニ。
フランスの映画監督、脚本家、作曲家（1968年 - ）。ニースに生まれ、パリとモントリオールで活動。ピエル・パオロ・パゾリーニに触発された短編で監督デビュー後、国際的な注目を集める。カンヌ国際映画祭の常連監督として知られ、退廃的な美意識や社会的な題材を探求する。
イタリア出身の女優、ジャスミン・トリンカ（1981年生まれ）。『息子の部屋』で脚光を浴び、『ミエーレ』『フォルトゥナータ』などで高い評価を獲得。ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞やナストロ・ダルジェント賞など、多数の主要映画賞に輝く実力派です。
フランスのファッションデザイナー、イヴ・サン＝ローラン（1936-2008）。「モードの帝王」と称され、自身のブランド「イヴ・サンローラン」を創設。クリスチャン・ディオールの後継者として注目され、革新的なデザインで20世紀後半のファッション界を牽引。多様性を追求し、有色人種モデルを積極的に起用するなど、社会にも影響を与えた。
2014年フランス製作の伝記映画『イヴ・サンローラン』。監督ジャリル・レスペール。20世紀を代表するデザイナー、イヴ・サン＝ローランの生涯を、公私にわたるパートナーであるピエール・ベルジェとの絆を通して描く。主演ピエール・ニネがセザール賞最優秀男優賞を受賞したが、作品評価は国内外で分かれた。
世界的デザイナー、イヴ・サンローランの没後、長年のパートナーであるピエール・ベルジェが二人の軌跡を物語るドキュメンタリー映画。彼らが共に集めた壮大な美術コレクションの競売を軸に、公私にわたる半世紀の愛と創造の物語が鮮やかに紡ぎ出される。
1971年ロンドン生まれの女優アミラ・カサールは、若くしてフランスへ移り、フランスを拠点に活動。モデルを経て演劇を学び、『原色パリ図鑑』でセザール賞にノミネートされるなど、フランス映画界で確固たる地位を築き、国際的な作品でも存在感を示す。
フランソワ・オゾン監督による2023年のフランス映画。1930年代パリを舞台に、貧乏な新人女優が殺人容疑を逆手に取り、友人の弁護士と協力して社会の不正に立ち向かい、一躍スターとなるクライム・コメディ。往年の戯曲を下敷きにした、痛快な風刺劇。
2014年フランス映画。ルース・レンデルの短編小説をフランソワ・オゾン監督が映画化。愛する妻を亡くした男性が、その死を機に自身の性別違和と向き合い、亡き妻の親友との奇妙な関係を通して自己を確立していく姿を、繊細かつ大胆に描いたドラマ。
不感症とは、性的な刺激に対して快感が少ない、あるいは全く感じられない状態を指します。性欲の欠如である冷感症とは異なり、快感の有無が焦点です。精神的・身体的な要因が複雑に関わり、当事者やパートナーに精神的負担をかけることがありますが、性の多様性も考慮すべき概念です。
フランソワ・オゾン監督が妊娠中の女優を主演に迎えて描いた、喪失と新たな始まりの物語。ドラッグで恋人を亡くした女性が、妊娠を機に田舎での隠遁生活を通して自己と向き合い、新たな家族の形を見出していく姿を描く人間ドラマ。
フランス出身のファッションモデルであり女優のマリーヌ・ヴァクトは、15歳でモデルデビューし、トップブランドで活躍。映画『フランス、幸せのメソッド』で演技に挑戦し、女優としてもその才能を開花させた、現代フランスを代表する表現者の一人です。
1998年製作、フランソワ・オゾン監督によるフランスのブラックコメディ。平和な中産階級一家が、ある出来事を機に隠された欲望や狂気を露わにし、家庭崩壊へと突き進むさまを大胆かつ風刺的に描く異色の家族ドラマ。公開当時フランス版『逆噴射家族』と評された。
2007年の英仏ベルギー合作ドラマ。フランソワ・オゾン監督がエリザベス・テイラーの小説を映画化。田舎町の夢見がちな少女エンジェルが人気作家となるも、愛と時代の波に翻弄され孤独な生涯を送る姿を、豪華な映像美で描く。
フランスのフランソワ・オゾン監督が2000年に発表した映画『まぼろし』（原題：Sous le sable）。愛する人の突然の失踪とその後の心の軌跡を描いた作品で、2002年度キネマ旬報ベスト・テン外国映画部門で第5位にランクインするなど、日本でも評価された一作である。
2004年製作のフランス映画『ふたりの5つの分かれ路』は、フランソワ・オゾン監督が夫婦の破局から出会いまでを逆時系列で描く異色作。関係性の終焉から遡ることで、その始まりに秘められた意味や過程での変化を問い直します。夫婦関係の機微を独自の視点から捉えた一作。
京都市出身の日本のマリンバ・木琴奏者、随筆家。京都市立芸術大学大学院修了。1991年コンサートデビュー。平岡養一氏の木琴を継承し、木琴奏者としても活動。著書『木琴デイズ』でサントリー学芸賞などを受賞。アンティーク着物収集家としても知られる。
日本の美術史学者で、茨城大学教授。フランス美術史を専門とし、植民地時代のアンコール遺跡研究やフランス美術史編纂史に関する著作で知られる。サントリー学芸賞、渋沢・クローデル賞、吉田秀和賞など受賞多数。
フランス文学者、明治学院大学文学部教授・副学長。東京都出身。東大卒業後、パリ第4大学で博士号を取得。20世紀フランス文学文化を専攻し、プルースト、ボルタンスキー研究で知られる。著書『クリスチャン・ボルタンスキー』で吉田秀和賞受賞。
日本の音楽学者、現代音楽研究家。1965年東京都生まれ。武蔵野音楽大学、東京芸術大学大学院で音楽学を修め、博士号取得。東京音楽大学教授を経て、現在桐朋学園大学教授。著書『エドガー・ヴァレーズ 孤独な射手の肖像』で吉田秀和賞を受賞するなど、日本の現代音楽研究を牽引する。
日本の美術史学者、東京藝術大学名誉教授（1940-）。新潟県出身。ゴッホ研究で知られ、『ゴッホ 契約の兄弟』で吉田秀和賞を受賞。漱石、セザンヌ、森鷗外など幅広いテーマで著作を発表し、美術館勤務や海外研修の経験も持つ。
日本の詩人、批評家である新井高子（1966年生）は、群馬県桐生市出身。声の自在性や越境性を探求する詩作に加え、唐十郎論や口承文芸研究、被災地での実践的な活動を行う。国際的にも活躍し、小熊秀雄賞、吉田秀和賞、大岡信賞など受賞多数。
持田季未子（もちだ きみこ）は、日本の美術史・比較文化学者。大妻女子大学名誉教授。立原道造研究から建築・美術へと領域を広げ、『絵画の思考』で吉田秀和賞を受賞。多くの著書や翻訳を残した。1947年生まれ、2018年逝去。
日本の木琴（シロフォン）奏者、平岡養一（1907-1981）の生涯と功績を追う。渡米してラジオスターとなり、カーネギー・ホールに日本人初出演を果たすなど、国際的に活躍した軌跡を紹介。
日本の音楽学者。京都大学人文科学研究所教授。斬新な視点と明快な文章でクラシック音楽史を探究し、幅広い読者を持つ。オペラ研究や音楽受容史に詳しく、多くの著作で著名な賞を受賞している。
日本の美術史家。1948年生まれ、2023年逝去。目白大学名誉教授を務めた。専門は17世紀オランダ美術史と日蘭美術交流史。特にヨハネス・フェルメールの研究で知られ、その独創的な視点から多くの著作を発表。2000年には『フェルメール論』などで吉田秀和賞を受賞し、研究者として多大な功績を残した。
美術史家、新関公子氏による芸術評論『ゴッホ 契約の兄弟』。フィンセントとテオドルス・ファン・ゴッホ兄弟の絆を膨大な文通や記録から再検証し、新たな光を当てた労作です。2012年には第22回吉田秀和賞を受賞しました。
日本の経済学者、平井俊顕氏は、上智大学名誉教授として知られ、特にジョン・メイナード・ケインズの研究において第一人者と目されています。多岐にわたる著作や論文を通じて、ケインズ経済学の理論的再構築や歴史的考察に深く貢献しました。
イギリスの経済学者デニス・ロバートソン（1890-1963）は、ケンブリッジ大学で教鞭を執り、ピグーの後任教授も務めた。親友ケインズとは貨幣理論を中心に論争を重ね、名文家としても知られ、景気変動や貨幣経済の研究に貢献した人物である。
NHK-FMで放送される『ブラボー!オーケストラ』は、国内主要オーケストラの演奏会録音を中心に紹介するラジオ番組です。2012年に始まり、長寿番組『FMシンフォニー・コンサート』のスタイルを継承しています。
NHKが世界中から集めた貴重な映像で20世紀の激動を描いたドキュメンタリー番組。1995年に放送され、山根基世の語りや加古隆の音楽と共に大きな反響を呼び、現代史を理解する上で重要な作品として高い評価を得ている。
モスクワ中心部の主要な繁華街の一つ、トゥヴェルスカヤ通りは、マネージュ広場から凱旋広場までを結びます。かつてゴーリキー通りと呼ばれ、沿道には歴史的建造物や文化施設が並び、シェレメーチエヴォ空港へのアクセスルートの一部でもあります。
ジョルジュ・メリエスが映画制作の第一歩を踏み出した1896年の短編『カード遊び』。家族参加、約1分の構成で、後の映画芸術の基礎を築く才能の萌芽を示す。スター・フィルムのカタログ番号1であり、失われた後再発見された。
リュミエール兄弟製作、ジョルジュ・アト監督によるフランス初期のサイレント映画。古代ローマ皇帝ネロが奴隷に毒を試す残酷な情景を描く。映画史における最初のペプラム作品の一つと見なされている。
1896年制作、アレクサンドル・プロミオ監督によるフランスの短編映画。ヴェネツィアの大運河をゴンドラから移動しながら撮影した映像で、映画史における水平移動撮影の初期例として知られ、「パノラマ・リュミエール」と名付けられて成功を収めた。
フランス大学出版局（PUF）は1921年設立のフランス最大の学術出版社。ポール・アングールヴァンが創立し、特に哲学、歴史、社会学などの分野で著名。全128ページの『文庫クセジュ』は世界的に有名。
ソード&サンダル映画（ペプラム）は、古代世界を舞台に神話や歴史を大胆に脚色したイタリア製低予算冒険ファンタジー映画。主に1960年代に量産され、肉体派俳優が超人的なヒーローを演じ、特有の魅力を持つ映画ジャンル。
1897年にスウェーデンのストックホルムで開催された国際博覧会、ストックホルム総合芸術及び産業博覧会について解説します。この博覧会は国王オスカル2世の在位25周年を記念し、芸術と産業の進歩を紹介しました。ユールゴーデン島を会場とし、現在も残る重要な建造物を生み出すなど、都市景観や文化にも影響を与えました。特に当時の最新メディア技術にも光を当てました。
愛知県名古屋市に本社を置く、1751年創業の長い歴史を持つ繊維専門商社タキヒヨー株式会社。絹織物卸売から始まり、現在はテキスタイル、アパレル、生活関連など幅広い事業を展開。独自ブランドやショップも手掛け、地域小売業の発展にも貢献した名門企業です。
アメリカファッション界で最高の栄誉とされる賞の正式名称はコティ・アメリカ・ファッション批評家賞です。ファッション界の「アカデミー賞」と称され、その年の優れたデザイナーに贈られる極めて権威ある賞として知られています。
アンクライン・ニューヨークは、デザイナーのアン・クラインが1968年に米国で創設したファッションブランド。スポーツウェアのミックス＆マッチを提唱し、ブリッジラインとして展開。インショップ形式の先駆けとなり、米ファッション界に影響を与えた歴史を持つ。
The Fashion Model Directory（FMD）は、ファッションモデル、エージェンシー、ブランド、デザイナー、記事など、ファッション業界の包括的な情報を集積したオンラインデータベースです。しばしば「ファッション業界のIMDb」と称され、その規模は最大級を誇ります。
1986年製作のSF冒険アクション映画。荒廃した近未来を舞台に、愛する女性型ロボットの代替ボディを探し求める男性の旅を描く。日本では劇場未公開で、ビデオソフトによって初めて紹介された作品。
ハンガリー出身の指揮者、ジェルジ・ジョーリヴァーニ＝ラートの経歴を紹介します。著名な指揮者たちの薫陶を受け、欧州・アジア各地の主要オーケストラや歌劇場で要職を歴任。現在はハンガリー国立歌劇場の総監督を務めています。
ハンガリーの傑出した指揮者、アンドラーシュ・コーロディ（1922-1986）。ハンガリー国立歌劇場の音楽監督やブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者として活躍し、教育者としても多くの音楽家を育てました。
ハンガリーの民謡である「ラーコーツィ行進曲」は、17世紀末期に生まれたとされる楽曲です。作曲者は不詳ですが、その力強い旋律は多くのクラシック音楽家を魅了し、特にベルリオーズやリストの作品を通じて世界的に知られるようになりました。
ハンガリー国立銀行（Magyar Nemzeti Bank）は、ハンガリーの中央銀行として、通貨フォリントの発行、金融政策の運営、物価の安定を主目的としています。組織や役割、歴史的背景について解説します。
ハンガリーの首都ブダペストに位置するハンガリー国立歌劇場は、1858年に創設されたネオルネッサンス建築の殿堂です。1884年の開場以来、グスタフ・マーラーをはじめ多くの著名な音楽家が関わり、オペラやバレエ芸術の中心地として国際的に知られています。その歴史と建築美は、ブダペストを代表する文化遺産の一つです。
平安時代、東国を中心に租税や物資の運搬を馬で請け負った「僦馬」という集団は、治安悪化を背景に武装化し、自らも群盗となる。武士の発生とも関連が指摘される、当時の社会情勢を映す存在。
ヴィクトール・ジルベール（1847-1933）は、フランスの画家。パリの街角や庶民の日常、子供たちの無邪気な姿を題材とし、温かみのある筆致で描いた。展覧会で評価され、複製版画によって広く人気を得た。レジオンドヌール勲章受章者。
フランスの多才な芸術家、ルイ・マルテスト（1862-1928）は、作家、イラストレーターとして知られる。風刺新聞への寄稿から児童書の挿絵、著名な雑誌への挿絵、ポスター制作、展覧会出品、さらには小説執筆まで、幅広い分野で活躍した。
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