ロシアの作曲家、ドミトリー・カバレフスキーは、子供向けの優れた音楽作品や音楽教育への貢献で知られます。ソ連時代には体制に忠実な姿勢を示し、作曲界で指導的な地位を確立しました。その作風は社会主義リアリズムに根ざし、平易で親しみやすい旋律が特徴です。
英国の音楽学者、理論家、作曲家、エッセイスト、サー・ドナルド・フランシス・トーヴィー。楽曲分析や「ドイツ3大B」に関する著作で特に知られ、主著『Essays in Musical Analysis』は後世に大きな影響を与えた。
トロンボーン協奏曲は、オーケストラ等を伴奏にトロンボーンを独奏楽器とする楽曲です。テナーを中心に、アルトやバスを主役とした作品も含まれます。中でもF.ダーヴィッドの作品は、奏者にとって不可欠なレパートリーとして世界中で広く演奏されています。
アメリカ合衆国の作曲家、デイヴィッド・レオ・ダイアモンド（1915-2005）。バーナード・ロジャースやナディア・ブーランジェらに学び、グッゲンハイム・フェローシップやローマ賞などを受賞。教育者としてもジュリアード音楽院などで教鞭をとり、交響曲や弦楽四重奏曲など多岐にわたる作品を残しました。
ドイツの作曲家（1917-2009）。ボンに生まれ、ベルリンで音楽教育を受ける。ベルリン教育大学で長年教鞭を執り、教授や副学長を歴任。管弦楽や室内楽、マンドリンオーケストラなど幅広い編成で作品を発表した。
ティグラン・マンスリアンは、1937年にレバノンのベイルートで生まれたアルメニア人作曲家です。1947年にアルメニアへ移り、エレバンで音楽教育を受けました。エレバン音楽院で長く教鞭を執り、校長も務めた後、現在は作曲活動に専念しています。
チューバ協奏曲は、低音金管楽器であるチューバをオーケストラや吹奏楽などの伴奏と共に独奏楽器としてフィーチャーする楽曲形式です。歴史的には比較的新しいジャンルながら、その深遠な響きと多彩な表現力は多くの作曲家を魅了し、近年では重要なレパートリーが築かれています。本項目では、この独特な協奏曲の定義と主な作品について解説します。
チェンバロを独奏楽器に据えた協奏曲について解説します。バロックから古典派で隆盛を極め、一度は衰退したものの、20世紀以降のチェンバロ復興と共に再び脚光を浴びたこのジャンルの歴史と主な作品を紹介。
ルイージ・ボッケリーニ作曲のチェロ協奏曲第9番変ロ長調G.482は、彼のチェロ協奏曲中最も親しまれている作品です。フリードリヒ・W・グリュッツマッハーによる編曲版が広く普及しましたが、近年は原譜も演奏されるなど複雑な受容の歴史を持ちます。
ハイドンのチェロ協奏曲第2番に関する記事。1783年に作曲され、長らく唯一の真作とされていた。手稿譜の発見により楽器編成や作曲経緯に関する誤解が解き明かされた、ハイドンの代表的なチェロ協奏曲の一つ。
ドミートリイ・ショスタコーヴィチが1966年に作曲したチェロ協奏曲第2番 作品126。チェリスト、ロストロポーヴィチに献呈された。作曲者の病苦の中で生まれ、深い内省性を湛える作品。1966年、作曲者の誕生日コンサートで初演された。
ドミトリー・カバレフスキー作曲、1964年完成のチェロ協奏曲第2番 ハ短調 作品77。名チェリスト、ダニイル・シャフランに献呈され、第1番よりも大規模で深みのある内容が特徴です。
セルゲイ・プロコフィエフ作曲のチェロ協奏曲第1番は、亡命期に着想されソ連帰国後に完成。意欲的な試みを含むが、演奏の至難さなどから初演は不評。後に改作され、今日では演奏機会が増えている。
フランツ・ヨーゼフ・ハイドンが1760年代後半に作曲したチェロ協奏曲。バロックと古典派の様式が融合した初期作品で、楽譜は一度失われたが20世紀に再発見され復活しました。チェリスト、ヴァイグルのために書かれた作品です。
ショスタコーヴィチのチェロ協奏曲第1番 変ホ長調 作品107は、1959年に作曲され、ロストロポーヴィチに献呈、初演された代表作。プロコフィエフに触発され、変則的な編成と独特の音楽語法を持つ。
ドミトリー・カバレフスキーが1949年に完成したチェロ協奏曲第1番 ト短調 作品49。ソビエトの青年に向けた協奏曲3部作の第2作として書かれ、同時期の他の2曲とは異なり、短調を用いて抒情的な表現が追求されている。約19分で演奏される。
矢代秋雄が1960年に完成させたチェロ協奏曲は、1959年のNHK交響楽団の委嘱による彼の代表作の一つです。単一楽章で4部構成、演奏時間約22分。初演は1960年に堤剛の独奏、岩城宏之指揮、NHK交響楽団により行われました。
日本の作曲家・指揮者、尾高尚忠が1944年に義弟のために作曲したチェロ協奏曲イ短調 作品20は、約40分の大作。戦時下の初演を経て、都節の旋律や叙情的な変奏、そしてダイナミックなロンド形式を持つ3楽章構成で、尾高の個性が光る重要な作品です。
日本の作曲家、三善晃が1974年に発表したチェロ協奏曲は、ニッポン放送の委嘱による約20分の単一楽章作品。独奏チェロと大編成オーケストラのために書かれ、同年度の文化庁芸術祭ラジオ部門大賞と尾高賞に輝いた重要な楽曲。
フランスの作曲家エドゥアール・ラロが1876年に完成させた《チェロ協奏曲 ニ短調》。サン＝サーンスの作品に触発され、チェロ奏者のアドルフ・フィッシャーに献呈されました。約27分の演奏時間を持ち、ラロらしいスペイン情緒も垣間見える魅力的な3楽章構成の作品です。
チェロ協奏曲ハ短調 作品66は、ロシアの作曲家ニコライ・ミャスコフスキーが1944年に完成させた、彼の少ない協奏曲の中でも特に評価の高い傑作。チェリスト、スヴャトスラフ・クヌシェヴィツキーに献呈され、初演も彼によって行われた。簡潔ながら情感豊かなこの作品は、スターリン賞も受賞している。
ジェラルド・フィンジ晩年の傑作、チェロ協奏曲 イ短調 作品40。長年にわたり温められた構想が、病との闘いを経てジョン・バルビローリの委嘱に応える形で1955年に完成した。
ロベルト・シューマンが1850年に作曲したチェロ協奏曲イ短調作品129は、全楽章を切れ目なく演奏するユニークな構成が特徴です。ロマン派のチェロ協奏曲の中では演奏機会も多く、シューマン自身が編曲したヴァイオリン版や、ショスタコーヴィチによる再オーケストレーション版も存在します。作曲家の生前には演奏されませんでしたが、没後に初演され、現在も広く親しまれています。
1980年作曲、フリードリヒ・グルダの『チェロと吹奏楽のための協奏曲』は、クラシックの枠を超え、ロックやジャズ、民族音楽を取り込んだ異色のチェロ協奏曲。吹奏楽に加え、ドラムやギターなども用いる斬新な編成が特徴。初演は1981年、ウィーンにてハインリヒ・シフの独奏で行われた。
オーストリア＝ハンガリー帝国出身のチェリスト、作曲家（1843-1913）。プラハ音楽院で学び、国際的な演奏家として活躍。ウィーン宮廷歌劇場首席を経て、ヨーロッパ各地で公演。チェロのための作品を多数残し、特にサロン小品が今日でも知られる。ブダペスト音楽院で後進指導にもあたった。
スウェーデン近代を代表する作曲家、ダグ・ヴィレーン（1905-1986）。ストックホルムとパリで作曲を学び、音楽評論活動や後進の指導も行った。代表作「弦楽のためのセレナーデ」の他、交響曲、オペレッタ、室内楽など幅広いジャンルで多数の作品を発表した。
ロシア出身の作曲家・ピアニスト、セルゲイ・ボルトキエヴィチ（1877-1952）。激動の時代を生き抜き、ロマン派の伝統を受け継ぎつつ、独自の感傷と郷愁に満ちた音楽を生み出した。多くの困難に直面しながらも、創作と演奏活動を続けた生涯は、その作品に色濃く反映されている。
ドイツのチェリスト、ジークフリート・パルム。現代音楽の擁護者として数多くの難曲を初演し、多くの作曲家から献呈を受ける。ケルン音楽院学長、ベルリン・ドイツ・オペラ総監督などを歴任し、教育・オペラ演出にも尽力した。
フランスの作曲家、指揮者。1936年生まれ。パリ音楽院で学び、ブーレーズらに師事。ドメーヌ・ミュジカル監督、フランス放送の音楽要職、リヨン国立高等音楽院院長を歴任。作曲と指揮、そして教育・運営の分野でフランス音楽界に大きな足跡を残した。
ハンガリーに生まれ、チェリスト、そしてアメリカ移住後は作曲家・指揮者として活躍したジョージ・バラティ（1913-1996）。ホノルル交響楽団音楽監督としてハワイの音楽界に貢献し、世界中のオーケストラを指揮した多才な音楽家の生涯をたどる。
18世紀後半から19世紀初頭にかけて活躍したイタリアのヴァイオリン奏者、作曲家。フランス・ヴァイオリン楽派の祖とされ、現代の弓の形にも影響を与えた。
シチリア出身のイタリア人作曲家・チェリスト。クラシックからロック、民族音楽まで多様な要素を融合させた独自の音楽性を確立し、国際的に活躍。革新的なプロジェクト「100チェロ」や教育活動を通じ、現代チェロ界に多大な影響を与えている。
イタリアの作曲家、指揮者、教育者。1892-1965年。古楽に深く根差しつつ現代的な語法を融合させた独自のスタイルを確立。トリノ、パルマ、ミラノの音楽院で教鞭を執り、特にミラノ音楽院長としてアバド、ベリオらを育成したイタリア近代音楽の重要人物。
ポルトガルを代表する作曲家、ジョリ・ブラガ・サントス（1924-1988）。6つの交響曲で知られ、初期の後期ロマン派様式から、後に民族音楽や半音階主義を取り入れた独自のスタイルへと進化。近代音楽に根差した多様な作品を残しました。
作曲家、音楽学者として知られるジョゼフ・カントルーブ（1879-1957）は、フランスのオーヴェルニュ地方出身。郷土の民謡に管弦楽を纏わせた名作《オーヴェルニュの歌》を遺し、失われゆく民謡の価値を世に示した。
ジュゼッペ・マルトゥッチ（1856-1909）は、イタリアの作曲家、指揮者、ピアニスト。当時のイタリア音楽界では異例ながら器楽曲に専念し、イタリア器楽曲の復興に貢献。指揮者としてもワーグナーやイギリス音楽を積極的に紹介した。
18世紀にナポリで活躍したイタリアの作曲家、ジュゼッペ・デ・マーヨ（1697-1771）。ナポリの音楽院で学び、王室礼拝堂のオルガニスト、副楽長を経て、当時の競争を制し宮廷楽長に就任。オペラや宗教音楽など多岐にわたる作品を残しました。
18世紀後半から19世紀初頭にかけて活躍したフランスのチェリスト、教育家、作曲家。革新的な教則本を著し、チェロ奏法の発展に大きく貢献。ベートーヴェンとの親交や、ナポレオンとの有名な逸話も残されています。
フランスを代表するオルガン奏者、作曲家、音楽教師、音楽理論家（1844-1937）。サン・シュルピス教会終身オルガニストとして64年間奉職し、パリ音楽院教授として多くの後進を育成。オルガン交響曲全10曲は現代でも頻繁に演奏される代表作。
1916年にエルネスト・ブロッホによって書かれたヘブライ狂詩曲『シェロモ』は、チェロ独奏と管弦楽が織りなす壮大な作品です。旧約聖書のソロモン王の世界観を描き出し、作曲家のヘブライ音楽への傾倒を示す重要な作品の一つです。
イギリスの作曲家、ヴィオラ奏者サリー・ビーミッシュ（1956-）。ロンドン出身。ヴィオラ演奏から作曲へ転向後、スコットランドを拠点に活動。多岐にわたるジャンルで作品を発表し、受賞多数。
サクソフォーン協奏曲（サクソフォーンきょうそうきょく）は、独奏サクソフォーンと管弦楽や吹奏楽などの合奏体が共演する楽曲形式。その独特な音色と多様な表現力は、多くの作曲家によって探求され、クラシックから現代まで幅広い名曲が生み出されています。
コントラバスを独奏楽器に据え、オーケストラと共に演奏される協奏曲。歴史を通じて数は極めて少ないものの、その独特な音色と技術的な挑戦が作曲家を惹きつけ、魅力的な作品が生み出されている。楽器の特性を克服するための工夫が凝らされた、ユニークなジャンルである。
コンツェルトシュテュックはドイツ語で、日本語では「小協奏曲」「演奏会用小品」などと訳されます。主にドイツやオーストリアの作曲家が、特定の独奏楽器と管弦楽のために書いた、比較的短い協奏曲風の楽曲に対して用いる名称です。
マックス・ブルッフ作曲、チェロと管弦楽のための協奏的作品『コル・ニドライ』作品47。ユダヤの旋律を素材に用い、1880年に完成、翌年ベルリンで初演された。ブルッフの代表作として、チェリストに深く愛され続けている名曲の詳細。
イギリスの現代音楽作曲家コリン・マシューズ（1946-）。作曲、音楽学、プロデュースと多岐にわたり活躍。マーラー「交響曲第10番」実用版完成やNMCレコード設立でも知られる。
ゲオルク・クリストフ・ヴァーゲンザイル（1715-1777）は、18世紀オーストリアの重要な宮廷作曲家・鍵盤楽器奏者。生前は絶大な名声を得たが、現在はあまり知られていない。しかし、多くの弟子を育て、ハイドンやモーツァルトにも影響を与えた人物です。
グンナル・デ・フルメリー（1908-1987）は、スウェーデンを代表する作曲家、ピアニスト、そして音楽教育者です。国際的な環境で研鑽を積み、母国の音楽大学で多くの音楽家を育てながら、オペラから室内楽まで多岐にわたる優れた作品を創作しました。
ポーランドが生んだ国際的な作曲家・ヴァイオリニスト、グラジナ・バツェヴィチ（1909-1969）。ポーランド人女性として初めて世界的に認知された先駆者です。音楽一家に育ち、ワルシャワとパリで学び、コンサートミストレスや教授を務めながら、多岐にわたる傑作を生み出しました。
スウェーデンの作曲家グスタフ・ベングトソン（1886-1964）は、ストックホルム音楽院で学び、欧州各地で研鑽を積みました。作曲家として交響曲や協奏曲など多様な作品を遺し、また長年にわたり教育者としても活躍しました。
スペインの作曲家・指揮者、クリストバル・アルフテル。マドリード出身。伝統的なスペインの音楽要素と前衛的な技法を融合させた独自の作風で知られる。多くの管弦楽曲やオペラを残し、スペイン現代音楽界を代表する存在として活躍しました。
クラリネットを独奏楽器とし、管弦楽などの伴奏を伴う協奏曲。その多彩な音色と幅広い表現力を活かした作品群は、古典派から現代まで多くの作曲家によって書かれ、バセットクラリネットなどの特殊な楽器を用いたものも含め、豊かなレパートリーを形成しています。
ノルウェーの作曲家クラウス・エッゲ（1906-1979）。「意志の流れ」と称される、ポリフォニーと力強いリズムが特徴の音楽を創作。民謡に始まり、独自の変容技術を経て十二音技法を取り入れるなど、作風は変遷を遂げた。ノルウェー作曲家協会会長として国内音楽界にも貢献した。
ポーランド出身の現代作曲家・ピアニスト、クシシュトフ・メイエル。クラクフで学び、当時のポーランド音楽界を代表する巨匠たちに師事しました。オペラ、交響曲、協奏曲、室内楽、独奏曲と幅広いジャンルで数多くの作品を生み出し、国際的な評価も得ています。また、音楽研究者としても知られています。彼の多岐にわたる創作活動と業績は、ポーランド現代音楽史において重要な位置を占めています。
イギリスの作曲家、コントラバス奏者（1943-）。実験音楽やミニマル・ミュージックに影響を受け、代表作に『タイタニック号の沈没』、『イエスの血は決して私を見捨てたことはない』など。多岐にわたるジャンルで活動し、その独特な音楽世界は広く影響を与えている。
ロシア帝国末期に生まれ、ソ連時代に活躍した作曲家。初期は大胆な先進的作風を追求するも、体制の制約からより伝統的な音楽語法へと移行。6つの交響曲を含む多くの管弦楽曲や映画音楽を残しました。
ドイツの作曲家カール・ヘラー（1907-1987）。オルガニスト一家に生まれ、ヴュルツブルク、ミュンヘンで作曲と指揮を学ぶ。ミュンヘン音楽大学学長を務めるなど音楽教育に長く貢献。作品はヒンデミットらに影響を受け、ポリフォニーと色彩的な和声が特色。
チェコの作曲家カレル・レイネル（1910-1979）は、ユダヤ系としてナチスに、形式主義者として社会主義政権に迫害された波乱の生涯を送った。収容所を生き延び、前衛から保守、そして再び豊かな表現へと音楽性を変遷させながら、管弦楽から室内楽、オペラまで幅広い分野で数多くの作品を残した。
メキシコを代表する作曲家、指揮者、音楽教育者（1899-1978）。メキシコ固有の民族音楽やネイティブアメリカンの文化を基盤とした革新的な音楽スタイルを確立し、20世紀メキシコ音楽の発展に多大な貢献を果たしました。
19世紀ロシアを代表するチェリストであり、作曲家、音楽教師としても活躍。チャイコフスキーが「チェロ界の帝王」と絶賛した名手で、サンクトペテルブルク音楽院の教授として多くの門弟を育て、チェロ演奏法の改良・発展に貢献した。
オーボエ協奏曲は、オーボエを独奏楽器に据えた協奏曲形式の楽曲です。バロック期から現代に至るまで多くの作曲家が手がけ、特にヴィヴァルディ、モーツァルト、リヒャルト・シュトラウスらの作品がよく知られています。
19世紀フランスを代表するチェリスト、作曲家、教育者。パリ楽壇の中心人物として活躍し、ショパンとの親交も深かった。革新的な演奏技術と教育で多くの後進を育て、チェロ音楽の発展に大きく貢献した。
オリヴィエ・グレフ（1950-2000）はフランスの作曲家、ピアニスト。伝統的な調性や旋法を用いた独自の作風を追求し、生前は評価を得にくかったが、没後にその価値が再認識されつつある。
20世紀スイスの作曲家、オトマール・シェック（1886-1957）。特に300曲を超える歌曲で知られ、歌劇や器楽曲も手掛けた多作家。1980年代以降、再評価が進んでいます。
チェコ出身、後にカナダへ亡命し同国を代表する作曲家となったオスカル・モラヴェッツ（1917-2007）。色彩的なオーケストレーションを特徴とし、教育者としても多大な功績を残しました。
フィンランドの作曲家・音楽教師、オスカル・メリカント（1868-1924）は、その多才な音楽活動で知られます。作曲家として多くの作品を生み出しただけでなく、ピアニスト、オルガニスト、指揮者としても活躍し、フィンランド各地で自作を含む幅広い楽曲を演奏しました。特に《夏の夜のワルツ》などの抒情的な作品は広く親しまれています。
チェコスロヴァキアの作曲家、指揮者オスカル・ネドバルは、ボヘミアに生まれ、ボヘミア弦楽四重奏団創設メンバー、チェコ・フィル首席指揮者として活躍。ウィーンで自らオーケストラを率い、成功したオペレッタ《ポーランド気質》などを発表。晩年は故国で過ごしたが、多額の借金を苦に自殺。劇的な生涯を送り、ウィーン楽派の伝統とチェコ的な情感を兼ね備えた作品を残した。
イタリアのチェロ奏者、作曲家、指揮者、そして高名な教育者エンリコ・マイナルディ（1897-1976）。幼少期から才能を発揮し、ソリストとして活躍。オーケストラの首席奏者や音楽院教授を歴任し、数多くの後進を指導。同時代の作曲家作品の紹介や自身の創作、校訂版の出版にも取り組み、多角的に音楽界に貢献した巨匠。
ガブリエル・フォーレが1880年に作曲した「エレジー ハ短調 作品24」は、チェロとピアノのために書かれ、後に管弦楽伴奏版も制作されました。未完のソナタの緩徐楽章として構想されたこの曲は、悲哀と情熱が交錯するチェロの代表的な名曲です。
ハンガリーが生んだ多才な音楽家、ドホナーニ・エルネー。ピアニスト、指揮者、作曲家、教育者として多岐にわたり活躍。ブラームスの衣鉢を継ぐロマン派の伝統を守りつつ、独自のスタイルを確立。激動の時代を生き抜いた。
イタリアの作曲家エルマンノ・ヴォルフ＝フェラーリは、風刺劇作家ゴルドーニに基づくコミック・オペラ、特に『4人の田舎者』や『スザンナの秘密』で名を馳せた。悲劇オペラ『マドンナの宝石』の間奏曲も有名。ヴェネツィアに生まれ、ドイツとも深い関わりを持ち、伝統的なスタイルで多くの作品を残した。
フランスの現代作曲家エリック・タンギー（1968年生まれ）は、独自の理論に基づく多作な作品で知られ、世界的に著名な演奏家やオーケストラ、指揮者によって広く演奏されています。彼の革新的な音楽は、現在のフランス楽壇において重要な位置を占めています。
アイルランド系イギリスの作曲家エリザベス・マコンキー。特に13曲に及ぶ弦楽四重奏曲の作曲家として知られ、生涯にわたり多様なジャンルで活躍。女性作曲家のパイオニアとしても重要な存在です。
デンマークの作曲家、エミール・ハートマン（1836-1898）は、著名な音楽家一家に生まれ、父ヨハン・ペーター・エミリウス・ハートマンや義兄ニルス・ゲーゼから影響を受け、多岐にわたるジャンルの作品を残しました。
ハンガリー出身の作曲家、ピアニスト、革新的な楽器発明家として知られるエマーヌエル・モール。多岐にわたる楽曲創作に加え、特に二段鍵盤ピアノフォルテの発明とその普及に尽力し、音楽界に独自の貢献を果たした人物です。
ソビエト連邦の作曲家（1910-1988）。モスクワ出身。ニコライ・ミャスコフスキーに師事し、アルフレート・シュニトケらを指導。交響曲、協奏曲、多作な室内楽など幅広いジャンルで多くの作品を残した。特にハープ五重奏曲は今日でも演奏される。
イングランド中部のノーザンプトンに生まれた作曲家エドマンド・ラッブラ（1901-1986）。鉄道員を経て奨学金を得て王立音楽大学で学び、ホルストやヴォーン・ウィリアムズに師事。11曲の交響曲をはじめ、室内楽や合唱曲など多作で、ブラームス作品の編曲も手がけました。イギリス音楽において独自の存在感を示した作曲家です。
フランスの作曲家、ヴィオラ奏者（1823-1892）。ヴァイオリン協奏曲「スペイン交響曲」やチェロ協奏曲で世界的に知られています。初期は不遇を経験しますが、ヴァイオリニストのサラサーテとの出会いが転機となり名声を確立。室内楽にも情熱を注ぎました。
エストニア出身の作曲家・指揮者、エドゥアルド・トゥビン（1905-1982）。ソ連占領下の祖国を離れてスウェーデンへ亡命し、生涯の大半をストックホルムで活動。10曲の交響曲など幅広いジャンルの作品を残しましたが、国際的な認知度は決して高くありませんでした。
フィンランドを代表する音楽家の一人、エイナル・エングルンド（1916-1999）の生涯と業績を紹介。作曲家、ピアニスト、教育者として活躍し、特に7つの交響曲など新古典主義的な作風で知られる。
フィンランドの作曲家、ウーノ・クラミ（1900-1961）。フランス音楽、特にラヴェルやフランス6人組から影響を受け、自国の叙事詩「カレワラ」を題材とした作品を多く手掛けたことで知られる。管弦楽作品や協奏曲、カンタータなど多様なジャンルで活躍した。
ロシアの作曲家ウラジーミル・ヴラソフ（1903-1986）。モスクワ音楽院で学び、フルンゼやモスクワ・フィルハーモニーの音楽監督を歴任。多くのオペラ作品を残し、ロシアとキルギスの人民芸術家称号、さらにキルギス国歌作曲でも知られる。
オランダの作曲家ウィレム・ペイペルは、教育者・評論家としても活躍した。初期のマーラーの影響から無調へとスタイルを変化させつつも、調性を保つ独自の音楽を創造。交響曲、協奏曲、室内楽など多岐にわたる作品を残し、20世紀オランダ音楽界に重要な足跡を刻んだ人物である。
ウィリアム・ブロックレスビー・ワーズワース（1908-1988）は、ロンドン生まれのスコットランド作曲家。エディンバラ大学で学び、1961年にスコットランドへ移住後、スコットランド作曲家協会設立に尽力。ロマン主義的な調性音楽を中心に、8つの交響曲を含む100超の作品を残した。
クロアチアに生まれ、フランスを拠点に活躍した現代音楽・電子音響音楽の作曲家、イヴォ・マレク。ピエール・シェフェールに師事し、音質やテクスチャーを探求。パリ国立高等音楽院で多くの後進を育成し、独自の音楽世界を築きました。その功績はフランス音楽グランプリやレジオンドヌール勲章によって称えられています。
フィンランドの作曲家、アーッレ・メリカント（1893-1958）。初期はシベリウスに倣うも、後にスクリャービンに傾倒し前衛音楽を推進。フィンランド楽壇で孤立したが、晩年は穏健化。歌劇「ユハ」など、フィンランド音楽史に足跡を残した。
アンリ・デュティユー（1916-2013）は、20世紀後半から21世紀にかけて活躍したフランスの主要な作曲家。伝統的な形式を基盤としつつ、独特の響きと革新的な管弦楽法を追求した。
アンドレア・ツァーニは1696年から1757年まで生きたイタリアの作曲家・ヴァイオリニスト。カザルマッジョーレに生まれ、ウィーンのハプスブルク家宮廷で活躍。晩年は故郷で過ごし、作品にはヴィヴァルディの影響と前期古典派の兆しがうかがえます。
18世紀チェコ出身、ウィーンで活躍したバイオリニスト・作曲家アントニン・ヴラニツキーの生涯と業績。著名な兄パヴェルと共に音楽一家を形成し、モーツァルトらに師事。古典派音楽において多岐にわたる作品を残し、ウィーンの主要な音楽機関で指導的な役割を担った。
ポーランド出身の作曲家、指揮者であるサー・アンジェイ・パヌフニクの生涯と作品を紹介。動乱の時代を生き、政治的な理由で故国を離れ英国へ移住。多くの交響曲や室内楽、協奏曲を残し、晩年にはナイトの称号も得ました。
カミーユ・サン＝サーンスによる「アレグロ・アパッショナート」は、チェロとピアノ/管弦楽のための作品43、ピアノ独奏/協奏曲のための作品70の二曲を指します。同名ながら楽器編成や性格は異なり、どちらも作曲家の情熱的な一面を示す重要な小品です。
アルゼンチンの作曲家アルベルト・ヒナステラは、ラテンアメリカ音楽界の巨匠の一人。アルゼンチン民謡の影響から出発し、原始主義、十二音技法へと作風を変遷させました。バレエ、オペラ、協奏曲など幅広いジャンルで多くの傑作を残し、国際的に高い評価を得ています。
ドイツの作曲家、指揮者アルベルト・ディートリッヒ（1829-1908）。ロベルト・シューマンに師事。ヨハネス・ブラームスの親友として名高く、オルデンブルク宮廷楽長としてブラームス作品紹介や《ドイツ・レクイエム》初演に尽力。回想録は重要な史料。
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