曲亭馬琴晩年の読本『近世説美少年録』と続編『新局玉石童子訓』の概要を紹介。毛利元就と陶晴賢をモデルにした美少年と悪少年の物語、刊行の歴史、挿絵画家、近年の刊行物などを解説しています。馬琴独特の視点と、未完に終わった物語の背景にも触れています。
近世日本語は、中世日本語から現代日本語への移行期にあたる、約250年にわたる日本語の段階です。上方語が優勢な前期と江戸語が優勢な後期の2つの時代があり、経済発展や文化の興隆とともに、言語も大きく変化しました。近世日本語の動詞活用、形容詞、音韻の変化、そして豊かな文学作品について解説します。
江戸時代前期に松永貞徳によって創始された俳諧の流派、貞門派の詳細解説。古典に根ざした作風、主要な門人、談林派との関係、そしてその隆盛から衰退、存続までを丁寧に紐解きます。貞門派が俳諧史に与えた影響について深く理解できます。
江戸時代後期の尼僧、貞心尼（ていしんに）の生涯をたどる。良寛の弟子として知られ、歌人としても活躍した彼女の波乱に満ちた人生と、良寛との交流を中心に、詳細な記録に基づいて紹介する。数々の逸話や史料から浮かび上がる貞心尼像は、知られざる女性の生き様を鮮やかに描き出す。
江戸時代の国学者、谷川士清の生涯と業績を詳細に解説。国語学史における貢献や、代表的な著作『日本書紀通証』『和訓栞』について、その内容や評価を多角的に考察。没後、顕彰された経緯や旧宅・墓所の保存状況にも触れ、歴史的意義を明らかにします。
近世文学・芸能史を専門とする諏訪春雄氏。歌舞伎研究から出発し、浮世絵、民俗学、東アジアとの比較研究など幅広い分野で活躍。数々の著書、論文を発表し、学術界に多大な貢献を果たしただけでなく、時事問題への発言も積極的に行うなど、影響力のある学者として知られる。
談林派は、延宝期を中心に京都、大坂、江戸で流行した俳諧の流派です。西山宗因を祖とし、田代松意らが「俳諧談林」と称したことからこの名がつきました。約10年間隆盛を極め、一時俳壇の中心を担いましたが、宗因の死後衰退しました。貞門派と共通点もある一方、軽妙洒脱な作風で知られています。松尾芭蕉も初期に談林派に属していました。
江戸時代中期から幕末にかけて刊行された川柳集『誹風柳多留』について解説。編者や刊行状況、作品の特徴、評価、そして現代に残る刊本などを詳細に記述。当時の世相や文化を知る貴重な資料として、その歴史的・文学的価値を多角的に考察する。
西郷信綱：日本の国文学者、上代文学・古代文学の第一人者。横浜市立大学名誉教授。数々の著書と受賞歴を持ち、日本の古代文学研究に多大な貢献をした。晩年は急性心不全のため92歳で逝去。
西田耕三氏は、近世・中世文学を専門とする国文学者です。東京大学文学部哲学科卒業後、横浜市役所勤務を経て、熊本大学、近畿大学で教鞭を執り、2008年には『主人公の誕生』でやまなし文学賞を受賞しました。数々の著作、編著書があり、近世文学研究に多大な貢献をしました。
江戸時代後期、国学者建部綾足が著した読本『西山物語』。1768年刊行、全3巻。京都の源太騒動をモデルに、古典的な言葉遣いと現代的な事件描写が混在する独特の作品。当時の評価は低かったものの、近世文学史における独自性を再評価する動きもある。
江戸時代後期の国学者、歌人、翻訳家として活躍した萩原広道の生涯と業績を紹介する記事です。代表作である『源氏物語評釈』を中心に、その学問的貢献や、独自の解釈、惜しまれつつも未完に終わった経緯などを詳しく解説します。多様な分野にわたる萩原広道の活動と、現代における評価についても触れます。
江戸時代後期の旅行家、本草学者として知られる菅江真澄。北国を遊歴し、アイヌ文化や各地の風土、民俗を詳細な記録、図絵、随筆で後世に残した。その生涯、作品、そして現在に残る遺産について解説する。
江戸時代文化3年（1806年）刊行の読本『自来也説話』。感和亭鬼武による、忍術を用いる義賊・自来也の活躍を描く物語。中国の『諧史』に記された盗賊を参考に創作され、挿絵は蹄斎北馬が担当。歌舞伎にも脚色され、後の『児雷也豪傑譚』にも影響を与えた作品です。忍者のイメージを決定づけた作品として、歴史的にも重要な位置を占めています。
能楽研究者であり日本文学者でもあった能勢朝次博士。膨大な史料分析に基づいた独自の能楽史研究で知られ、その功績は現代の研究者にも多大な影響を与えています。本稿では、彼の生涯、業績、そして重要な著作物について詳しく解説します。
江戸時代中期から後期にかけて、旗本・南町奉行の根岸鎮衛が執筆した雑話集『耳嚢』。怪談や武士・庶民の逸話など、多様な話が収録され、当時の社会を知る貴重な資料となっています。様々な版本が存在し、現代でも多くの読者を引きつけています。
江戸時代の浄瑠璃語り、竹本義太夫の生涯と業績について解説します。義太夫節浄瑠璃の創始者として知られ、近松門左衛門とのコラボレーションにより、浄瑠璃の世界に大きな影響を与えました。その功績と没後についても詳しく記述します。
江戸時代初期に刊行された仮名草子『竹斎』は、医師である富山道冶が著した作品です。藪医者竹斎の滑稽な遍歴記を通して、当時の世相風刺や名所案内が描かれ、高い人気を博しました。『竹斎』は、遍歴体小説や名所記の発展に影響を与えた重要な作品として知られています。
福田安典氏は1962年生まれの日本近世文学専門の国文学者で、日本女子大学教授を務めています。大阪大学卒業後、複数の大学で教鞭を執りながら、古典文学研究で数々の賞を受賞。近世文学、特に医学書に含まれる文学や上方文化に関する造詣が深く、多くの著書や論文を発表しています。
福井久蔵は、日本の国語学者、国文学者として著名な人物です。数々の著書や編纂物を通して、日本の国語学や文学の発展に大きく貢献しました。本記事では、彼の生涯、業績、そして日本の学問への影響について詳細に解説します。
国文学者、神作研一氏の詳細な経歴、研究内容、受賞歴などをまとめた記事です。近世和歌史における専門的な研究成果や、上智大学、金城学院大学、国文学研究資料館、総合研究大学院大学などでの教育・研究活動について解説しています。日本の近世文学研究に大きく貢献した氏の足跡をたどります。
江戸時代初期の文人、武将である石川丈山の生涯と業績を紹介する記事です。漢詩、書道、茶道、庭園設計に精通し、煎茶の祖とも称される人物像を多角的に解説します。隠棲生活や交流関係、代表作なども含め、詳細な情報を記述しています。
国文学者・百川敬仁氏の研究と業績を紹介。近世文学、特に本居宣長や『源氏物語』に関する独自の解釈、そして「もののあはれ」の概念についての考察を分かりやすく解説。近代文学への造詣も深く、夢野久作作品論など多岐にわたる研究活動に光を当てています。
国文学者・国語学者である白石良夫氏の生涯と業績を紹介する記事です。愛媛県生まれの白石氏は、九州大学で学位を取得後、大学教授や教科書調査官を歴任。江戸時代の学芸史や古語の研究で知られ、数々の著書や校訂本を発表しています。本記事では、その研究内容や人物像を詳細に解説します。
近世文学研究者で俳諧が専門の白石悌三氏(1932-1999)の生涯と業績を紹介する記事です。九州大学、立教大学、福岡大学で教鞭をとり、数々の著書や共編著を発表、文部大臣奨励賞を受賞するなど、近世俳諧研究に多大な貢献をしました。晩年の研究では、新たな俳諧史観を提示しています。
貞享4年(1687年)に井原西鶴が著した浮世草子『男色大鑑』は、武家社会と町人社会における男色を詳細に描いた、類を見ない作品です。本書では、武士の道における義理と男色の関係、歌舞伎若衆の世界など、多様な男色の様相が描かれ、近世日本の社会風俗を知る上で貴重な資料となっています。男色をテーマにした浮世草子としては初めての作品であり、歴史的にも重要な位置を占めています。
江戸時代の国学者、本居宣長が著した随筆『玉勝間』。1005段から成るこの随筆は、古典研究で得た知識や、独自の学問・思想を多様な分野にわたって記述したものです。植物に因んだ巻名と巻頭歌が各巻にあり、1795年から1812年にかけて刊行されました。民俗学的視点も含まれ、近世随筆の中でも独特のバランス感覚が特徴です。
「猿蓑」は、元禄4年（1691年）に刊行された、俳諧の選集です。向井去来と野沢凡兆が編集を行い、松尾芭蕉も深く関わったとされ、蕉門俳人の作品が多数収録されています。奥羽の旅を終えた芭蕉の新しい俳諧のスタイルを示す重要な作品と評価されています。四季の句や芭蕉の代表的な作品「幻住庵記」なども収められています。
江戸時代元禄時代に刊行された、浅井了意による仮名草子『狗張子』。中国の怪異小説を題材に、舞台や人名を日本に置き換え、室町時代や戦国時代を背景にした45編の物語を収録。未完のまま著者が没した後、出版された経緯も興味深い作品です。怪談や歴史ファンタジーとして楽しめる、江戸時代の怪異譚の魅力が詰まった一冊です。
『炭俵』は、元禄7年（1694年）に刊行された俳諧七部集の一つです。芭蕉の晩年の弟子である志太野坡、小泉孤屋、池田利牛の3名が編纂し、軽妙な作風で知られています。芭蕉の俳諧観や『かるみ』の精神が色濃く反映された作品集であり、後の文学にも影響を与えました。
幕末から明治期に活躍した歌舞伎作者、三代目瀬川如皐の生涯と業績を紹介する記事です。几帳面で創作性豊かな一方、独特の作風から評価が分かれた人物像と、代表作である『与話情浮名横櫛』などの功績、そして時代の流れの中で影を潜めていった晩年までを詳細に解説します。
近世文学、特に俳諧史研究で知られる国文学者、潁原退蔵の生涯と業績を紹介する。長崎県生まれの彼は、京都帝国大学で学び、助教授を務めた後、病気で依願免官。その後、講師として復帰し、関西大学員外教授も兼任。晩年は再び京都大学助教授に就任するも、1948年に逝去、同日付で教授に昇進した。没後も彼の業績は高く評価され続け、編纂に携わった『江戸時代語辞典』は毎日出版文化賞を受賞している。
江戸時代中期の岡山藩士で儒学者、湯浅常山の生涯と人物像を紹介する記事です。藩政改革に尽力するも、直言を理由に隠居を余儀なくされた常山。彼の著述や逸話を通して、揺るぎない信念と公私分明な生き様を浮き彫りにします。
近世文学研究の第一人者、渡辺憲司氏。立教大学名誉教授として、その深い知識と経験に基づいた数々の著作・編著書を発表。立教新座中学校・高等学校校長、自由学園最高学部学部長なども歴任した教育者としての顔も持つ。近世文学、大名文芸圏、遊里史に関する専門性と、教育者としての温かい人柄が広く支持されている。
深井雅海氏は、近世政治史を専門とする日本の歴史学者です。國學院大學教授などを歴任し、現在は財団法人徳川黎明会徳川林政史研究所所長を務めています。江戸城や徳川将軍家に関する多くの著作があり、近世日本の政治や社会構造を研究する上で重要な貢献をしています。
国語学者・国文学者として知られる浅野信博士の生涯と業績を紹介する記事です。特に、代表作である『切字の研究』に焦点を当て、その学術的意義と影響について解説します。折口信夫による評価や、他の研究者からの高い評価についても触れ、浅野信博士の学問的貢献を多角的に検証します。
江戸時代前期の仮名草子作家、浄土真宗の僧侶である浅井了意。数々の仮名草子や仏教書を著し、怪奇小説の先駆け的作品『伽婢子』でも知られる。波乱に満ちた生涯と幅広い知識、そして多様な作品群を通して、当時の社会文化を反映した稀有な存在であった。
江戸時代中期の儒学者にして漢詩人、江村北海の生涯と業績を紹介する。明石藩士の家に生まれ、養子縁組を経て郡上藩に仕え、儒学や漢詩に秀でた人物として活躍した。晩年は京都で隠居生活を送ったが、その功績は現在も道明寺天満宮に残る碑文などに見て取れる。
日本の国文学者・近世文学研究者である江本裕氏(1936年生まれ)の生涯と業績を紹介する記事です。熊本大学卒業後、早稲田大学大学院を経て、都留文科大学、大妻女子大学と教鞭を執り、近世文学研究で多くの成果を挙げました。著書、編著、翻訳など幅広い活動を通して、近世文学研究に多大な貢献をしました。
江戸時代中期、山東京伝が24歳の時に著した黄表紙『江戸生艶気樺焼』。百万長者の息子・艶二郎の奔放な色事を描いた痛快な物語。洒落た挿絵とユーモラスな文章で、当時の世相や風俗を反映した作品として知られています。現代にも通じる人間模様と、軽妙な語り口は必読です。
近世文学研究の第一人者、檜谷昭彦氏の生涯と業績を紹介する記事です。慶應義塾大学名誉教授として活躍した氏の研究内容、主要著書、共著・校訂作品、そして還暦記念論文集について、詳細に解説しています。近世文学、特に井原西鶴研究への貢献を分かりやすくまとめました。
江戸時代後期の国学者、橘守部の生涯と業績を紹介する記事です。本居宣長への批判や独自の学説、そして数多くの著作について詳述しています。没後も高い評価を受け、現在も研究が続けられています。
江戸時代の尾張藩士、横井也有の生涯と業績を紹介。国学者、俳人として多方面で才能を発揮し、晩年は風流人として知られた。代表作『鶉衣』や健康十訓、交流のあった人物など、詳細な生涯をたどる。
江戸時代中期に活躍した国学者、歌人、そして画家である楫取魚彦。伊能忠敬の遠縁にあたる人物で、その生涯と業績を詳細に解説します。賀茂真淵に師事し、国学に多大な貢献をした彼の足跡をたどり、貴重な作品群にも迫ります。
森田雅也氏は、近世日本文学、特に西鶴作品を専門とする関西学院大学教授の国文学者です。受容理論に基づいた独自の視点から、西鶴作品だけでなく、俳諧、歌舞伎など、近世文芸全体の体系化を目指した研究を展開。海洋文学や時代小説にも造詣が深く、多角的なアプローチで日本の文学史に貢献しています。
江戸時代中期の俳人、森川許六の生涯と業績を紹介する記事です。蕉門十哲の一人として知られ、俳諧のみならず、絵画や武芸にも秀でた人物像に迫ります。様々な逸話や作品を通して、その多才な魅力と足跡を辿ります。
『梨本集』は、戸田茂睡が元禄時代に著した歌学書です。梨の木にちなんだ書名で知られ、伝統歌学への痛烈な批判が特徴です。中世以来の因習や、歌道の権威による不当な制限を問題視し、万葉集などの実例を挙げて、制詞・禁詞の無意味さを指摘しています。歌の表現に一切の制限を設けるべきではないという、革新的な主張が展開されています。
江戸後期を代表する歌人、香川景樹の代表歌集『桂園一枝』は、自然で洗練された歌風で知られています。文政11年（1828年）に完成、天保元年（1830年）に刊行され、四季折々の情景や恋心を詠んだ983首を収載。その優雅で清新な歌風は、後世の歌壇にも大きな影響を与え、桂園派と呼ばれる歌風を生み出しました。景樹が理想とした『古今和歌集』の流れを汲み、独自の境地を開拓した重要な歌集です。
江戸時代中後期、勘定奉行や南町奉行を歴任した旗本、根岸鎮衛の生涯と人物像、そして彼が残した随筆集『耳袋』について解説します。下級旗本からのし上がりの過程や、数々の逸話、時代劇への登場など、興味深い生涯を紹介します。
江戸時代後期の心学者、柴田鳩翁の生涯と業績を紹介する記事です。町人出身ながら、失明後も全国を巡り、独自の心学道話を説き続けた波乱万丈の人生と、その思想、影響について詳述します。120文字以上140文字以内。
板坂耀子氏は、日本近世文学を専門とする国文学者であり作家です。九州大学大学院博士課程修了後、熊本短期大学、愛知県立女子短期大学、福岡教育大学で教鞭をとり、数々の著書や論文を発表しました。近世紀行文研究の第一人者として知られ、小説家としても活躍しています。幅広い著作を通して、江戸時代の文化や人々の生活を深く掘り下げています。
近世文学研究者、特に曲亭馬琴研究で知られる板坂則子氏。専修大学名誉教授として、長年にわたり教育・研究活動に尽力。実証的な研究と、学生との協働による創作活動の両面で活躍されています。近世戯作の世界を分かりやすく解説した著書や、馬琴作品に関する編著・校訂も多数あります。
近世俳諧研究で知られる国文学者、松尾靖秋氏の生涯と業績を紹介する記事です。愛媛県出身、早稲田大学卒業後、工学院大学教授などを歴任。数々の著書や共編著、訳注書を発表し、近世俳諧研究に大きく貢献しました。晩年は心不全のため逝去されました。
村尾誠一氏は、日本古典文学を専門とする東京外国語大学名誉教授。学習院大学卒業後、東京大学大学院で学び、東京外国語大学で教鞭をとる。専門は日本古典文学、特に中世和歌に造詣が深く、数々の著書や共著を発表。その研究は、中世和歌史の新たな解釈に貢献している。
江戸時代後期の戯作者にして狂歌師、朱楽菅江(あけらかんこう)の生涯と作品について解説。狂歌三大家の一人として知られ、狂歌や戯作、川柳など幅広く活躍した彼の多彩な才能と業績を紐解きます。天明狂歌ブームを牽引した重要な人物像に迫ります。
江戸時代後期、建部綾足が著した読本『本朝水滸伝』。中国の古典『水滸伝』を大胆に翻案した長編作品で、雅文体と壮大なスケールが特徴です。未完ながら、日本における長編読本の先駆けとして高い評価を受けています。孝謙天皇の時代を舞台に、道鏡の専横に対抗する人々の活躍を描いた、歴史とフィクションが融合した物語です。
江戸時代後期の国学者・国語学者、本居春庭。本居宣長の嫡男として生まれ、失明後も父業を継ぎ、動詞活用研究で大きな功績を残した人物。代表作に『詞八衢』、『詞通路』などがある。その生涯と業績、そして没後までを詳細に解説する。
日本の国文学者、木越治氏の生涯と業績を紹介する記事です。金沢大学名誉教授として、近世文学、特に上田秋成研究で知られ、講談や韓国の評弾との比較研究など多角的なアプローチで知られています。晩年は上智大学教授を務め、多くの弟子を育成しました。
江戸時代中期の儒学者、漢詩人、画家として活躍した服部南郭(1683-1759)の生涯、学問、画業、そして門弟たちについて詳述。荻生徂徠の高弟として知られ、徂徠学を継承しつつ独自の境地を開拓した文人の生涯を多角的に探ります。
上田秋成の代表作『春雨物語』は、多様な物語を収録した読本です。成立は1808年（文化5年）、諸本を経て全貌が明らかになり、歴史物語、寓言、巷説など多彩な内容が特徴です。平安時代の史実や、秋成自身の思想が反映された奥深い作品となっています。
「日本永代蔵」は、井原西鶴による代表的な浮世草子で、経済小説の先駆けとして知られています。様々な人物の成功と失敗を通して、17世紀の経済状況や社会風俗を描き、現代にも通じる人間模様が魅力です。多くの版本が存在し、現代でも読み継がれる不朽の名作です。
江戸時代後期の町名主であり考証家として活躍した斎藤月岑。名家として知られた斎藤家の家督を継ぎ、数々の江戸に関する貴重な書籍を著した。代表作である『江戸名所図会』は、江戸の町並みや風俗を詳細に記したもので、現代にも重要な史料として活用されている。
1888年創設の政治評論団体・政教社。西欧化への批判を掲げ、国粋主義的な立場から機関誌『日本人』などを発行。日清戦争を支持するなど激動の時代を生き抜き、昭和20年まで存続。多様な論客を擁し、日本の近代思想史に大きな足跡を残した団体である。
江戸時代前期の歌学者、戸田茂睡。 父は徳川家臣で改易に連座、流罪となったため、幼少期は下野国黒羽で過ごす。 その後、江戸に出て仕官し、致仕後は古典研究に没頭。 伝統的な歌学に反対し、革新を主張、国学の先駆者として知られる。代表作に『梨本集』など。浅草寺奥山庭苑に墓所がある。
感和亭鬼武は、宝暦10年（1760年）生まれの日本の戯作者です。一橋家の家臣であった過去を持ち、武士を辞した後、画や戯作を学びました。代表作である『報仇奇談自来也説話』は、歌舞伎にもなり広く知れ渡りました。梅毒により文化15年（1818年）に没したと伝えられています。この記事では、鬼武の生涯や作品、人物像について詳細に解説します。
恋川春町は江戸時代中期の戯作者、浮世絵師として知られています。黄表紙という新しいジャンルを開拓した先駆者であり、洒落本や滑稽本の挿絵も手掛けました。藩政にも関与するなど多才な人物でしたが、晩年は風刺作品が原因で幕府から目をつけられ、謎に包まれた死を遂げました。
日本の伝統芸能である歌舞伎に深く関わる舞台機構「廻り舞台」について解説します。その歴史、仕組み、種類を詳細に説明し、西洋演劇への影響にも触れ、日本の伝統技術の素晴らしさを紹介します。
江戸時代中期の多才な文化人、建部綾足。俳人、小説家、国学者、絵師として活躍し、片歌の復興にも尽力しました。数々の作品と画業を残し、その生涯は波乱に満ち、多彩な才能と奔放な生き様で知られています。多様な分野での活動と業績を詳細に解説します。
近世文学研究者、演劇評論家として知られる廣末保。法政大学教授として、松尾芭蕉や近松門左衛門ら、近世文学の第一人者を研究。民俗学の視点を用いた独自の近世文化論は、後世の研究に多大な影響を与えました。その業績と生涯をたどり、その思想を読み解きます。
江戸時代後期の秋田出身の文化人、平沢常富の生涯と作品について解説する記事です。武士でありながら、戯作者、狂歌師として活躍した彼の多彩な人生と、代表作である黄表紙や狂歌作品、そして現代に残る影響について詳細に掘り下げています。
江戸中期に湯浅常山によって編纂された逸話集『常山紀談』は、戦国武将470人余りの逸話を簡潔な文体でまとめたものです。30年もの歳月をかけ執筆され、史実よりも痛快な物語を重視した構成となっています。明治・大正期の教科書にも採用されるなど、長く読まれ続ける魅力ある一冊です。
島原泰雄氏は、近世文学を専門とする国文学者です。皇學館大学名誉教授として長年教鞭を執り、数々の著書や編著を発表してきました。良寛に関する著作や、近世和歌を中心とした古典文学研究で知られています。本稿では、島原氏の研究内容、業績、経歴について詳細に解説します。
岡本勝(1938-2007)は近世俳諧を専門とする日本の国文学者。名古屋大学大学院出身で、近世俳諧史研究における豊富な業績を残した。帝塚山短期大学、愛知教育大学で教鞭をとり、多くの著書・編著書を世に送り出した。晩年は中部大学教授も務めた。
佐賀藩士山本常朝は『葉隠』の口述者として知られる人物です。本書は、波乱に満ちた生涯、武士としての修練、そして仏教への傾倒など、常朝の生き様を多角的に考察します。知られざるエピソードや、常朝の人となり、そして『葉隠』への影響について、詳細な解説を加えています。
尾形仂（おがた・つとむ）は、近世文学、特に俳諧を専門とした日本の国文学者です。成城大学名誉教授を務め、芭蕉や蕪村研究で知られています。代表作である『蕪村自筆句帳』で数々の賞を受賞し、『蕪村全集』の監修など、日本の国文学の発展に大きく貢献しました。晩年には、岳父である潁原退蔵の遺稿をまとめた『江戸時代語辞典』の刊行にも携わっています。
小二田誠二氏は、近世文学、特に江戸時代の文化を専門とする日本の日本文学研究者です。静岡大学教授として、数々の著書や論文を発表し、日本の近世文学研究に貢献しています。本書では、その学術的業績や経歴を詳細に解説します。
江戸時代の日本で流行した実録本。歴史的事実に基づいた物語だが、虚構も含まれ、人々の認識や想像が反映されている。講談や大衆小説などの源流となり、現代まで影響を与えている。様々な事件を題材にした作品群を紹介。
安藤為章は江戸時代中期の国学者。伏見宮に仕えたのち、水戸藩主・徳川光圀に招かれ彰考館の編纂事業に参加。契沖に師事し万葉集の研究に携わった。養子をとらず家系は絶えたが、その節義は高く評価されている。正五位を追贈されている。代表作に『紫家七論』、『栄華物語考』、『宇津保物語考』、『年山紀聞』、『千年山集』などがある。
安藤常次郎は、日本の国文学者として、能狂言を中心に日本の古典文学研究に大きく貢献しました。数々の著書や共著、編集、校註作品を通じて、日本の古典文学、特に能狂言の研究に生涯を捧げた学者の業績を紹介します。
安楽庵策伝は、戦国時代から江戸時代前期にかけて活躍した僧侶にして茶人、そして落語の祖とも称される人物です。美濃国出身、金森氏の子ともいわれる彼は、浄土宗西山深草派の僧として、茶道、文学、そして落語に多大な影響を与えました。生涯、数々の逸話や作品を残し、現代にもその名を残す稀有な存在です。
江戸時代中期の僧侶、国学者、歌人として活躍した契沖。数々の古典研究や仮名遣いに関する業績で知られ、近代国学の発展に大きく貢献した人物です。波乱に満ちた生涯と、その研究内容の詳細を紹介します。
江戸時代後期の著名な漢詩人、大窪詩仏(1767-1837)の生涯と業績を詳細に解説。幼少期から晩年まで、詩人としての活動、交友関係、数々の作品、そして波乱に満ちた人生を辿ります。書画にも秀でた彼の多才ぶりと、江戸詩壇に与えた影響を明らかにします。
堀切実氏(1934年生まれ)は、日本の国文学者で、近世文学、特に俳文学、松尾芭蕉、井原西鶴が専門。早稲田大学名誉教授。数々の著書や編著書があり、現代俳句大賞を受賞するなど、日本の俳句研究に多大な貢献を果たした第一人者です。本稿では、その経歴、業績、そして日本の俳句界への影響について詳述します。
江戸時代前期の俳諧師、向井去来の生涯と業績を紹介する記事です。蕉門十哲の一人として知られ、芭蕉と深い交流を持ちました。高潔な人柄と優れた句作で、後世の俳諧に大きな影響を与えました。代表作『去来抄』や名句の数々にも触れ、その魅力を伝えます。
江戸時代後期の女性作家・国学者、只野真葛の生涯と業績を紹介する記事です。蘭学にも通じた知的な女性として、数々の著作を残しました。その背景や思想、そして著名な作家との交流にも迫ります。
近松門左衛門以前の江戸時代初期に流行した浄瑠璃、古浄瑠璃について解説します。素朴ながらも力強い表現や宗教色が特徴で、近松浄瑠璃の登場によって衰退しましたが、数多くの古浄瑠璃の台本が現存し、現代に受け継がれています。その歴史や特徴、そして近世浄瑠璃との関係性を探ります。
江戸時代における儒学の一派、古学について解説します。朱子学への反動として生まれた古学は、山鹿素行、伊藤仁斎、荻生徂徠らによって発展し、それぞれ独自の解釈を示しました。古文辞学、古義学、聖学の三つの学派が、政治、社会、そして個人の在り方へと及ぼした影響を多角的に考察します。
『去來抄』は、俳諧師・向井去來が松尾芭蕉の教えや蕉門での議論、俳諧の心得などをまとめた重要な俳諧論書です。芭蕉の俳諧観を深く理解する上で欠かせない文献であり、現代の俳句研究者や俳句愛好家にも高く評価されています。成立から刊行まで様々な経緯があり、真贋論争も巻き起こった興味深い歴史を持つ書物です。
江戸後期に刊行されたベストセラー『北越雪譜』。越後魚沼の雪国生活を多角的に描写した、雪国百科事典ともいえる貴重な資料です。雪の結晶スケッチから風俗、方言、産業、奇譚まで網羅し、現代にも通じる魅力にあふれています。著者は鈴木牧之、出版までの道のりも波乱万丈でした。
江戸時代前期から中期にかけて活躍した俳人、浮世草子作者の北条団水の生涯と作品について解説します。井原西鶴に師事し、西鶴没後は西鶴庵を継承。多くの俳諧集や浮世草子を著し、西鶴遺稿の整理にも携わった、多才な人物像に迫ります。
江戸時代前期の歌人、俳人、和学者として活躍した北村季吟。医師の家系に生まれ、俳諧や和歌、歌学を深く学び、幕府歌学方として仕えました。多くの門弟を育て、後世に多大な影響を与えた人物です。その生涯と業績、そして子孫までを紹介します。
加藤定彦氏は、日本の俳諧研究の第一人者であり、立教大学名誉教授。名古屋市生まれ。早稲田大学卒業後、中村俊定氏に師事。立教大学にて教鞭をとり、多くの業績を残しました。日本古典文学会賞、芭蕉翁顕彰会文部大臣奨励賞、文部科学大臣賞などを受賞。
江戸時代後期の国学者、歌人、書家として活躍した加藤千蔭(橘千蔭)の生涯と業績を紹介する記事です。町奉行与力から学芸に転じ、『万葉集略解』を著した他、独自の和歌と書風を確立し、後世に大きな影響を与えました。
近世文学研究の第一人者として知られた前田金五郎氏(1920-2013)の生涯と業績を紹介する記事です。膨大な著作物と、類まれな博識から「怪物」と称された彼の足跡をたどり、近世文学、特に井原西鶴研究への貢献を明らかにします。
近松門左衛門による人形浄瑠璃『出世景清』は、1685年、大坂竹本座で初演された傑作です。幸若舞『景清』を下敷きにした本作は、平家滅亡後も生き延び、源頼朝への復讐を企む景清の苦悩を描いた時代物で、義太夫節の創始を告げる画期的な作品として知られています。近松門左衛門の人間性豊かなドラマ描写と、義太夫節との融合が本作の大きな魅力です。
近松門左衛門作の人形浄瑠璃『冥途の飛脚』は、飛脚の忠兵衛が預金を使い込み遊女梅川と逃亡する物語。忠兵衛の葛藤や、父との悲しい再会、そして運命の結末まで、様々な人間模様が描かれる傑作。時代背景や関連作品、翻案作品にも触れ、深く理解できる解説記事です。
天保10年から明治元年に刊行された合巻小説『児雷也豪傑譚』の詳細解説。作者、あらすじ、刊行の経緯、歌舞伎や映画への影響など、多角的に作品の魅力に迫ります。長編合巻ならではの独特の展開や、後世への多大な影響についても触れています。
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