英文学者、東京大学名誉教授。1931年東京生まれ。英国ロマン主義を専門とし、その研究で知られる。東大などで教鞭を執り、著書『虚空の開拓』をはじめ、多数の翻訳書を手がけた。日本の英文学界に大きな足跡を残した人物。
スー・ハリソンは、1950年生まれのアメリカ人女性作家です。紀元前7000年頃のアリューシャン列島を舞台にした「アリューシャン黙示録」三部作で広く知られています。先住アメリカ人の言語や文化、考古学などを深く学び、それを作品に反映させています。
シオドーラ・クローバー（1897-1979）は、アメリカの作家であり文化人類学者。カリフォルニア先住民、特にヤヒ族最後の生存者イシの生涯を記録した著作で広く知られ、失われゆく文化を世に伝えた。
チャック・マンジョーネの代表作『サンチェスの子供たち』は、同名映画の主題歌として生まれ、グラミー賞に輝きました。日本でも自動車CMに起用され、広く知られることとなったこの作品は、情感豊かなサウンドスケープを描き出しています。
「貧困の文化」論で世界的に知られるアメリカ合衆国の文化人類学者、オスカー・ルイス。スラムに生きる人々の生活を克明に描き出し、貧困が世代を超えて継承されるメカニズムを鋭く分析した彼の研究は、社会学や貧困研究に多大な影響を与えました。プエルトリコの一家族を描いた『ラ・ビーダ』で全米図書賞を受賞するなど、その著作は今日でも読み継がれています。
ジャック・ロンドンが1902年当時のロンドン東部の極貧層の生活を、自らの潜入体験に基づいて克明に描いたルポルタージュ。1903年刊行。社会の底辺で生きる人々の実態を浮き彫りにし、後世の作家にも大きな影響を与えた。
日本の英文学者、土方辰三（1904-1999）。成蹊大学名誉教授。A. E. ハウスマン研究の第一人者として知られ、日本ハウスマン協会の設立会長を務めた。英文学教育と研究に生涯を捧げた。
ウィリアム・サマセット・モームが1915年に発表した長編小説。『月と六ペンス』と並ぶモームの代表作で、作者自身の経験に基づいた自伝的な教養小説。主人公の人生遍歴を描き、人間の絆やしがらみについて深く探求する。日本でも傑作として広く読まれている。
米国の作家ハーマン・メルヴィルの死後に刊行された未完の中編小説『ビリー・バッド』。英国の戦艦を舞台に、純朴な水兵ビリーが陰謀に巻き込まれ処刑される悲劇を描き、多くの翻案を生んだ。
ハーマン・メルヴィルが1853年に発表した短編。ウォール街の法律事務所を舞台に、仕事を「せずにすめばありがたいのですが」と拒否し続ける代書人バートルビーの姿を描く寓話的な物語。その不条理や抵抗の姿勢は多くの思想家に影響を与えた。
1968年のアメリカ映画『泳ぐひと』は、ニューシネマの代表作。ジョン・チーヴァー原作の短編小説を基に、高級住宅地のプールを渡り歩く男の奇妙な旅を通し、現代社会の虚しさや個人の内面の崩壊を幻想的に描く。主演はバート・ランカスター。
1953年のアメリカ映画『地獄の対決』（Inferno）は、モハーヴェ砂漠を舞台にしたフィルム・ノワール。億万長者と妻、そして愛人が織りなす愛憎劇を、3D技術を駆使して描いたロイ・ウォード・ベイカー監督作。日本では劇場未公開のままテレビ放映されました。
アメリカの伝説的演技指導者・女優。スタニスラフスキーに直接学び、俳優の想像力を重視する独自の演技法を確立。リー・ストラスバーグとの対立はグループ・シアター解散の一因に。マーロン・ブランドら多数のスターを育て、その影響は今も続く。
『野生のエルザ』の著者として知られるオーストリア生まれのノンフィクション作家、ナチュラリスト。アフリカでライオンのエルザをはじめ、チーターやヒョウなどの野生動物を育て、その記録を著作として発表。波乱の生涯を送り、アフリカの地でその幕を閉じた。
キャサリン・ポラスキーは、『新スタートレック』第2シーズンに登場したU.S.S.エンタープライズDの主任医師。ビバリー・クラッシャーの不在期間を埋めた人物で、卓越した医療技術と強い個性を持つ。
明治から大正期にかけて活躍した医師、医学博士、日本陸軍軍医総監。肥前国出身。東京大学医学部卒業後、ドイツ・オーストリアなどに留学して外科学を修めた。軍医として日清・日露戦争に従軍し、陸軍医務の要職を歴任。退役後は民間医療の発展に尽力し、病院設立や大韓帝国首相の手術成功で知られる。
焼き栗は、栗を焼いて作られるシンプルな料理や菓子。特にヨーロッパではヨーロッパグリが一般的で、日本の甘栗と異なり横に切れ込みを入れ、砂糖や塩を加えず素材の味を活かすのが特徴。ドイツのクリスマス市などで冬の風物詩として親しまれている。
ソウルに位置するカトリックソウル大司教区の司教座聖堂、明洞聖堂。正式には聖母マリア無原罪の御宿り明洞大聖堂と呼ばれます。韓国で最初に建てられたレンガ造りの教会で、ゴシック様式の美しい姿が特徴です。韓国のカトリック信徒にとって精神的な支えであり、1980年代には民主化運動の聖地としても歴史に名を刻みました。
朝鮮民主主義人民共和国の首都、平壌市中区域に位置する、同国最大の鉄道駅です。国内各地への主要な玄関口であるとともに、中国やロシアへの国際列車も発着する重要なターミナル駅としての役割を担っています。
李氏朝鮮第2代国王、定宗（1357-1419）。太祖李成桂の次男。第一次王子の乱後に即位したが、実権は弟の李芳遠が掌握。短期間で王位を譲り上王となり、悠々自適な晩年を送った。激動期に生きた王の生涯。
李氏朝鮮末期から大韓帝国期に活動した政治家（1857-1925）。親日派として知られ、日露戦争後に一進会を組織し、高宗退位や日韓合邦推進に主導的な役割を果たした。現在の韓国では代表的な親日反民族行為者の一人とされ、死後財産が国家に還収されている。
大韓帝国の行政機関を統括した内閣首班の官職について解説します。李氏朝鮮の領議政に相当し、総理大臣、内閣総理大臣などと改称されながら、皇帝の下で行政を指揮し、重要な権限を持ちました。その変遷と役割を詳しく紹介します。
大韓民国国家報勲処が定める、朝鮮独立運動に貢献した人物を顕彰する名簿。「今月の独立運動家」として1992年から毎月一人ずつ指定され、その功績を称える追慕行事や関連展示などの記念事業が行われている。歴史的功労を後世に伝える重要な取り組みである。
「イ・ジェミョン」は、韓国史において異なる時代や分野で活躍した複数の著名人が名乗る名前です。歴史上の独立運動家から現代の主要政治家、さらには同名のサッカー選手まで存在し、文脈によって指し示す人物が異なります。また、発音が似た李氏朝鮮時代の王族「李載冕」も存在するため注意が必要です。
日本の漫画家、綱島志朗。岡山県出身。ロボット漫画家を志し、『ジンキ』シリーズや『オリハルコン・レイカル』などの代表作で知られる。全年齢向けから成人向けゲーム原画まで、幅広い活動を展開し、掲載誌移籍や絵柄変更など波乱のキャリアを歩む。
唯々月たすく（いいづき たすく）は、大阪府出身の男性イラストレーター。主にアダルトゲームの分野で原画を手がけ、多様な作品を通じてその繊細な筆致と魅力的なキャラクターデザインで知られる。ゲーム原画のほか、携帯ゲームのキャラクターデザインや小説の挿絵なども担当し、幅広いメディアで活動を展開している。
日本の漫画家およびゲーム原画家。東京都を拠点に活動しており、スクウェア・エニックス刊「マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス」の漫画版や、成人向け単行本、アダルトゲームの原画など多岐にわたる作品を手がけている。独特のタッチで知られ、幅広いメディアでその才能を発揮しているアーティストである。
「J-10」という符号は、異なる分野で複数の対象を指し示すために使用されます。これには中国が開発した多用途戦闘機、アメリカのジープが製造したピックアップトラック「グラディエーター」の特定のモデルを示す型番、そしてかつて存在した自動車メーカー、モスラー・オートモティブが手掛けたスポーツカーが含まれます。それぞれのJ-10は、全く異なる歴史と特徴を持っています。
ayami（アヤミ）は、1993年7月9日生まれ、岐阜県出身の日本の女性アーティスト。歌手として活動を開始し、アニメやゲーム関連楽曲を多数担当。特に『トータル・イクリプス』では声優としても出演し、その歌唱力と表現力で知られる。
北海道日本ハムファイターズに育成選手として所属する左腕投手。地元帯広市出身。高校では度重なる怪我を乗り越え、野手から投手に転向。公式戦経験は少ないながら、トライアウトでの好投が評価されプロ入りを果たした。
2007年2月11日生まれ、大阪府羽曳野市出身のプロ野球選手。右投右打の投手として、北海道日本ハムファイターズに育成選手として所属。高校時代には最速153km/hを記録し、その将来性を高く評価され、2024年のドラフト会議で育成1位指名を受けた期待の若手右腕。
千葉県立八千代東高等学校（八千東）は、千葉県八千代市にある県立高校です。1977年開校、普通科を設置し、校訓「仰高」のもと生徒の育成を目指しています。野球部や水泳部が全国大会出場の実績を持ち、文武に励む環境です。（138文字）
プロ野球球団のスカウトとして、長年にわたり阪神タイガースと北海道日本ハムファイターズで活躍。和田豊、桧山進次郎、ダルビッシュ有、大谷翔平ら数々の名選手を発掘・獲得に尽力し、「マムシの今成」と称された。元プロ野球選手の今成亮太は次男。2022年に66歳で逝去。
ハワイ出身のプロ野球選手、マイカ与那嶺。捕手として北海道日本ハムファイターズに育成選手で所属。元巨人・中日選手・監督の与那嶺要は大伯父。MLBドラフト指名や独立リーグでの活躍を経て、日本球界で挑戦を開始した右投右打の選手です。
シンガーソングライター、MCとして活動するVOG（1985年9月19日生）。福岡出身、京都府城陽市在住。YouTubeで100万回再生を記録した「タカラモノ」や、ユニバーサルミュージックからのメジャーリリースで知られ、等身大の言葉で多くの共感を呼ぶ。
カナダ出身の女子プロテニス選手、レイラ・フェルナンデスの紹介。WTAツアーでシングルス3勝を挙げ、2021年全米オープンではノーシードから決勝進出を果たしました。多様なバックグラウンドを持ち、学業と競技を両立させる若手実力者です。
スペイン出身の女子プロテニス選手。WTAツアーでシングルス2勝、ダブルス5勝の実績を持ち、キャリア最高位はシングルス32位、ダブルス17位。2024年パリオリンピック女子ダブルス銅メダリスト。
モルドバ生まれでスペイン国籍を持つ女子プロテニス選手、クリスティーナ・ブクサ。2024年パリオリンピック女子ダブルスで銅メダルを獲得し、WTAツアーのダブルスでは複数回の優勝を飾っています。身長176cmの右利きプレーヤーで、最高シングルスランキングは56位、ダブルスは19位です。
ロシア出身の女子プロテニス選手、アンナ・カリンスカヤ（1998年12月2日生）。シングルス自己最高位11位、ダブルス49位を記録しており、今後の活躍が期待される実力者です。
中華人民共和国の文化大革命初期、「出身論」に基づき「労働者階級の敵」として分類された5つの階層。地主、富農、反革命分子、破壊分子、右派とその家族を指し、社会生活で差別を受けました。対象者は約2億人に及びました。
1969年に中国中央交響楽団が、冼星海のカンタータ「黄河大合唱」を基に創作したピアノ協奏曲。文化大革命期に生まれ、中国を代表する愛国的・民族的な作品の一つとして広く知られています。
黄永勝（こうえいしょう）は、中華人民共和国の著名な軍人で、上将の階級を持つ。文化大革命期には軍の中枢である総参謀長を務め、林彪グループの一員として権勢を振るったが、1971年の林彪事件で失脚。後に反革命集団の主犯として裁かれた。
中華人民共和国の政治家、陸定一（1906-1996）。国務院副総理などを歴任。長年、中国共産党の宣伝部門を率いた理論家。文化大革命によって不当な批判を受け失脚・投獄されましたが、後に名誉を回復し、全国政治協商会議副主席などの要職を務めた人物です。
中国人民解放軍の将軍。兵站畑を歩み、林彪政権下で総後勤部長として軍の後方部門を掌握。林彪事件で失脚し、党籍を剥奪された後に反革命罪で有罪判決を受け、晩年は仮釈放された人物について記述します。
遇羅克は、文化大革命期に中国で活動した思想家、政治家。学徒工員として働きながら、「出身論」などを発表し、血統主義や文革派の誤りを鋭く批判しました。その思想により逮捕され、若くして処刑されましたが、後に名誉回復されました。不合理な時代に異議を唱えた人物として知られています。
「造反有理（ぞうはんゆうり）」は、「反逆には道理がある」「謀反側に正義がある」を意味する中国語の言葉です。文化大革命期に紅衛兵が掲げた代表的なスローガンの一つで、日本の大学紛争でも使用されました。
辻康吾（1934-2024）は、ジャーナリストから中国研究者、大学教授へと転じた人物。毎日新聞の特派員として中国の激動期を取材し、退職後は中華食文化研究センター代表も務めた。中国現代史や食文化に関する著作、翻訳を多数手がけ、その多角的な視点から中国理解に貢献した。
趙九章（1907-1968）は、中国の気象学、地球物理学、宇宙工学の分野で活躍した科学者であり、中国初の人工衛星「東方紅1号」の開発を主導し、「中国人工衛星の父」と称される宇宙技術のパイオニアです。
中華人民共和国の文化大革命期に用いられた政治用語「走資本主義道路的当権派」の略称です。共産主義体制下で、資本主義への道を推進しようとする党内の実権派を指し、ブルジョア勢力の影響を受けやすく、社会主義からの逸脱を図る存在と批判されました。
中華人民共和国の建国に大きな功績を残し元帥となった賀竜（ホー・ロン、1896-1969）。貧困から身を起こし、革命の道を歩む。国民的人気も高かったが、文化大革命で失脚し非業の死を遂げた。後に名誉回復。
中華人民共和国の政治家、谷牧（こくぼく）。国務院副総理として改革・開放政策、特に外国からの資金導入や日本のODA導入を推進。退任後は全国政治協商会議副主席として儒教復興や孔子学院設立に貢献。日本の旭日大綬章を受章。
中華人民共和国の政治家・軍人。公安部長や副総理、武装警察司令員などを歴任。文化大革命期には林彪・江青らに加担し、多くの要人を迫害。死後、党籍剥奪と反革命集団の主犯認定がなされた。最終階級は上将。
中国人民解放軍の傑出した軍人、蕭華（しょう か）上将の生涯。貧しい家庭に生まれ、革命に参加。長征を経て日中・国共両戦役で活躍し、建国後は要職を歴任。「長征組歌」の作者としても知られる。
葉群（1917-1971）は中国の政治家。林彪の妻として文化大革命期に夫の政治活動を補佐し、政治局員まで昇った。林彪事件で死亡。有能とされる一方、その人物像や事件への関与については様々な評価が存在し、なお研究が待たれる。
謝晋監督による1987年の中国映画。古華の同名小説を原作とし、文化大革命という激動の時代を生き抜いた女性の辛苦と不屈の魂を描く。社会の波に翻弄されながらも希望を見出そうとする人々の姿を通し、歴史の傷跡を深く見つめた「傷痕ドラマ」の傑作。中国社会の変遷を映し出す重要な作品である。
中華人民共和国の十大元帥の一人、聶栄臻（じょう えいしん）。長征や抗日戦争、国共内戦を戦い抜き、建国後は国防科学技術や先端兵器開発を主導した。その功績は大きく、軍事から科学技術まで広範に貢献。日本人戦災孤児との交流は日中友好の象徴ともなった。
中華人民共和国の女性政治家・学者、聶元梓（じょう げんし）。文化大革命期に北京大学で指導部批判の大字報を掲げたことから造反派のリーダーとなり、混乱の中心で主要な役割を果たした。文革後は逮捕され、晩年は困窮の中で過ごした。
中華人民共和国の革命バレエ「紅色娘子軍」は、文化大革命期に上演された数少ない模範劇の一つ。1930年代の海南島を舞台に、悪地主の圧政に立ち向かう女性たちが紅色娘子軍を結成し、解放へと至る実話に着想を得た物語。現代も上演される傑作。
文化大革命期の中国に存在した、中国共産党指導下の児童組織およびその構成員である「紅小兵」について解説します。前身の少年先鋒隊から改称され、文革終結後に再び少年先鋒隊へ戻るまでの歴史、関連出版物など、その特異な時代背景を映す存在に迫ります。
「私の好きな天安門」「我愛北京天安門」は、中華人民共和国建国者である毛沢東を称揚するため、文化大革命期に作られた歌曲。清新な旋律と歌いやすい特性から児童にも広く普及し、中国で最もよく知られた楽曲の一つとして親しまれ、時代の精神を映す抒情歌曲の代表作となった。
知識青年（知青）は、中華人民共和国で1950年代から文化大革命期にかけて都市部から農村部へ移住し労働に従事した青年たちの呼称です。上山下郷運動の一環として実施され、数千万人が地方へ送られました。彼らの経験は中国社会に大きな影響を与えました。
「白毛女（はくもうじょ）」は中国の革命歌劇、映画、バレエ作品。貧しい農民の娘が地主の搾取により白髪となるが、共産党の解放軍に救われ、地主を打倒する物語。特にバレエ版は文化大革命期の重要な模範劇とされた。
中国の著名な映画女優であり、作家、歌手としても活躍した王瑩（ワン・イン）。かつて江青最大のライバルと称されたことが、文化大革命での投獄・迫害、悲劇的な最期へと繋がった。死後に名誉回復がなされた、その波乱の生涯を辿る。
中国近現代を代表する思想家であり、新儒家の主要な人物として知られる熊十力（ゆうじゅうりき、1885-1968）。護法運動の失敗から哲学研究へ転じ、仏教なども吸収しつつ伝統儒学を再構築。独自の思想体系「熊学」を確立しました。晩年は文革の混乱の中で悲劇的な最期を遂げた人物です。
1961年に呉晗が発表した京劇戯曲。明代の官吏・海瑞の物語を通して政治批判を行ったとされ、姚文元による論文での攻撃が文化大革命の序幕となった作品。作者の呉晗も後に弾圧され命を落とした。
1975年に中国遼寧省で発生したM7.3の海城地震は、行政による事前警報と大規模避難により人的被害が軽減され、地震予知の成功例として注目された。しかし、これは顕著な前震に大きく依存した側面があり、その普遍性については後に疑問が呈されることとなった。
毛沢東の甥として、文化大革命期に絶大な権力を振るった毛遠新の生涯。伯父の寵愛を受けて要職を歴任し、遼寧省での大規模な冤罪事件や人権侵害に関与。失脚、服役を経て、その後の生活と近年の動向を記述する。
毛沢東選集は、中国共産党の指導者、毛沢東の主要な著作や演説を収めた公式の著作集。1926年から1957年までの期間を対象とし、全5巻として人民出版社より刊行。「毛選」と略され、文革期には大量に普及。特に第5巻は現在流通していない。
産経新聞の大型連載を基に1999年に書籍化された『毛沢東秘録』。毛沢東と文化大革命の全体像を詳細に描き、反響を呼び菊池寛賞を受賞。複数回の文庫化を経て、現代中国政治理解の観点からも再評価されています。
『毛沢東の私生活』は、毛沢東の専属医師だった李志綏が記した回想録です。1994年に世界で同時出版され、最高指導者の知られざる私生活や権力闘争を描き、大きな論争を巻き起こしました。中国本土では出版が認められていません。
北京の天安門広場に位置する毛主席紀念堂は、中国共産党の初代主席、毛沢東の遺体が永久保存され安置されている歴史的な建築物です。華国鋒の決定で建設され1977年に落成、2024年には「北京中軸線」の一部として世界遺産に登録されました。中国の近現代史を象徴する場所として多くの人々が訪れます。
1967年7月20日、中国湖北省武漢市で発生した文化大革命期の大規模武力衝突。造反派と実権派が激しく対立し、中央指導部を巻き込む事態に発展。多数の犠牲者を出した、文革の中でも特筆される事件の一つ。
楊成武（1914-2004）は中国人民解放軍の上将。「三楊」の一人として知られ、紅軍時代から建国後の主要な戦役で指揮を執った。副総参謀長などを経て総参謀長代理を務めたが、文革で失脚。後に復権し、再び軍要職や政協副主席を歴任した中国の重要な軍事指導者。
中華人民共和国の軍人。父は林彪。異例の速さで昇進し、「五七一工程紀要」と呼ばれる毛沢東暗殺・武装蜂起計画を主導したとされる。計画失敗後、林彪事件として知られる逃亡劇の末、搭乗機墜落により命を落とした。
中国河南省に位置する板橋ダムは、1952年完成の大型治水施設でした。しかし1975年、台風と豪雨により決壊、死者数万人から数十万人という世界史上最悪規模のダム災害を引き起こしました。事故の詳細は長年秘匿され、新ダムは1993年に竣工しました。
中華人民共和国の歌曲「東方紅」は、1960年代のプロレタリア文化大革命期に毛沢東と中国共産党を讃える歌として普及し、事実上の国歌として扱われた。本項では、この楽曲と同名の音楽劇についても記述する。
李作鵬は中国人民解放軍の将軍。文化大革命期に海軍政治委員や副総参謀長などを務め、林彪派「四大金剛」の一人として政治局委員となるが、林彪事件により失脚。裁判で有罪判決を受け、晩年は回想録を執筆した。
後の四人組の一人、姚文元が1965年に発表した文芸評論。京劇『海瑞罷官』をプロレタリア独裁に敵対する「毒草」と断じ、文化大革命の事実上の導火線となった重要な文書。
中国重慶市沙坪垻区に位置する、文化大革命期の武力衝突による犠牲者を葬った唯一現存する集団墓地。公式名称は紅衛兵墓園だが、一般には文革墓群として知られ、2009年に重慶市級文物保護単位に指定された。
「文匯報（ぶんわいほう）」は、上海に拠点を置く主要な日刊紙です。1938年の創刊以来、戦時中の抗日宣伝や国共内戦時の批判的報道により幾度か停刊を経験しました。特に文化大革命や四五天安門事件といった中国現代史の重要局面に深く関わったことで知られています。
中華人民共和国の政治家、戚本禹は、文化大革命期に毛沢東を補佐し、理論的支柱の一人として運動を推進した人物です。過激な論説で多くの政敵を攻撃しましたが、後に自身も失脚、投獄されるという波乱の生涯を送りました。その軌跡を記します。
中国共産党が1981年6月に採択した、建国以来の歴史、特に文化大革命などを公式に総括・評価した重要文献。党の歴史認識統一と鄧小平体制確立に寄与した。
文化大革命中に中国広西チワン族自治区で発生した、派閥抗争による大規模な虐殺と人肉食事件。公式発表でも10万人以上が犠牲となり、斬首や生き埋め、食人など極めて残忍な行為が広範に見られました。
中国共産党の高級幹部の子弟らを指す「太子党」は、世襲による特権と広範な人脈を背景に、中国の政治経済に絶大な影響力を持つ集団です。そのルーツは伝統的な大家族主義に見られ、縁故による地位の確保や権益の継承が進んでいます。この呼称はメディアによって便宜的に用いられており、一枚岩の派閥ではありません。
中国の壁新聞「大字報」。毛沢東が民衆を動かす有効な武器と位置づけ、文化大革命期に情報伝達や政治宣伝に不可欠な手段として広まった経緯、憲法で保障されながらも後に規制され姿を消した歴史を解説します。
2022年10月13日、中国北京市の四通橋で発生した異例の抗議行動。共産党大会直前に、厳しい言論統制下で習近平批判の横断幕が掲げられ、煙が焚かれた。抗議者は「ブリッジマン」と呼ばれ、国内外に波紋を広げた。
四清運動（社会主義教育運動）は、1963年に毛沢東が中華人民共和国で開始した政治運動です。共産党内の腐敗や官僚主義を是正し、党を「浄化」することを目指しましたが、階級闘争へとエスカレートし、多数の迫害者と犠牲者を出しました。劉少奇との対立を深め、後の文化大革命の前触れとなりました。
現代中国を代表する散文作家、翻訳家。魯迅の実弟。人道主義に基づく「人間の文学」を提唱し、文学革命に理論的貢献を果たした。一方で、日中戦争中の経歴から「漢奸」として複雑な評価がなされている。
中国人民解放軍の軍人（1915-2004）。空軍司令員などを歴任し、林彪派「四大金剛」の一人として文化大革命期に権勢を振るったが、林彪事件で失脚。後に回想録を執筆し、中国現代史に重要な一石を投じた。
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